新しい味噌屋さんの挑戦「育てて食べる」三七味噌
みなさん、こんにちは。reallocal福井の新米ライターうっしーです。現在1歳の息子を育てながら、福井駅前で小さなカフェの店主をしています。
突然ですが、みなさんは週に何回、お味噌汁を食べていますか?
私は、ほぼ毎日なにかしらの汁物を食卓に出しているので(1歳の息子がいるのでなるべくごはんは丁寧に作ってます。えらいぞ、自分。)、週4日くらいはお味噌汁を食べています。お味噌汁ってホッとしますよね。基本何を入れても美味しいのがまた良いところ。私の個人的に一番好きな組み合わせはお豆腐とじゃがいも、長ネギです。シンプルイズベストです。
ではみなさんは行きつけのお味噌屋さんはありますか?
私は福井に暮らし始めてから、お味噌屋さんの知り合いが段々増えてきて、何件か行きつけのお店ができました。今回はその中から「三七味噌」さんをご紹介します。
2年前に私が結婚式を挙げた時、引き出物に自分たちで作ったお味噌を入れました。味噌作りからパッケージングまですべてお世話になった大恩人が三七味噌さんなのです。2人のはじめての共同作業で味噌づくりを選んだ私と夫ですが、夏を越えて1年経って、ようやく食べごろになったお味噌を開いたときは感慨深いものがありました。前置きが長くなりました。では、早速三七味噌さんへ行ってみましょう。
福井駅から歩いて20分程度。足羽川にかかる九十九(つくも)橋を渡ってすぐの街道沿いに三七味噌のお店はあります。大きなガラスの引き戸。外観がまた良い。荒物屋さんだった店舗をリノベーションしたお店は清潔感に溢れています。
扉を引くと、ふわっと麹の優しい香りが鼻をくすぐりました。「いい匂いですね。」と思わず声を出すと、店主の片山さんは「今、麹を作っているところだからね。」と麹を作っているところを見せてくれました。「2日間48時間かけて、麹をつくるんだよ」と話す片山さん。麹を見つめる目は優しく子どもを見守るようです。格子窓から醸造の様子を覗き込むのも、どこかのラボラトリーを覗いているようでちょっとワクワクします。
改めて店内を見渡すと目がいったのは、小さな棚。「これは私がかわいいなと思って集めたものを置いているの」と話すのは片山さんのパートナー、高木さん。デザイナーでもある彼女は三七味噌さんのパッケージやリーフレットのデザインを一手に担います。寡黙な片山さんとその傍にマグネットのように寄り添う高木さんのお二人から醸される雰囲気にこちらも心が和みます。
三七味噌さんは開業2年目のあたらしいお味噌屋さん。味噌などの販売と、年間を通して味噌や甘酒、酵素シロップなどのワークショップの2本柱で営業されています。季節によってできる内容は違うけれど、最近は出張教室も含めて平均週3組くらいのお客様がいらっしゃるそう。
「最初の1年は売るものがなかったからね」と片山さん。当初はポジティブな理由ではなかったけれど、自然と味噌作りのワークショップをしながらという三七味噌さんの独自のスタイルがここでできたと言います。
「三七味噌の三七って麹が育つのに一番心地よい温度が37℃だからつけたんだよ。『育てて食べる』っていうコピーもこのスタイルがあったからつけたんだよね。30代~40代のお子さんがいる人たちがインスタを見て来てくださることが多いかな。」
お二人から出てくる言葉は飾り気のないシンプルなものばかり。その分、真摯に大事にしていることが伝わってきました。
片山さんの生まれは鹿児島県。住んでいたのは愛知県が長く、お味噌に関わりだしたのは2011年、福井に来てから。学生時代は音楽の裏方、レコーディングエンジニアを目指していた時期もあったというなかなか異色の経歴の持ち主でもあるのです。
「味噌業界に関わるようになってから、この業界はまだまだ余地があるなと思った。」という片山さん。老舗ではなく、新しくはじめたからできることがあるのだろう。これから、どんどん新しいことに挑戦していくのだと思うとこれからの三七味噌さんから目が離せなくなってしまいました。
まずはぜひお店に足を運んでみてほしいなと思います。ワークショップはおひとりからでも気軽に申し込めます。ぜひ自分だけのお味噌や甘酒をつくりに行ってみてください。
また、来週2019年11月17日(日)に『つくもの暮し市』という企画が、11月に2周年を迎えたばかりの三七味噌さんで開催予定です。当日は、普段開放されていない三七味噌さんのビルの屋上まで一般開放されて、心地よい暮らしに沿ったお店が多数出店を予定しています。きっと楽しい時間が過ごせるはずですよ。