【毎年1/15日開催】「太鼓乗り歌舞伎」江戸時代から続く奇祭(山梨県甲州市塩山)
山梨県の東京寄りに位置する甲州市塩山藤木地区では、小正月の「道祖神祭り」でいなか歌舞伎が演じられる。
ドンドン焼きの巨大な炎に照らされながら、大太鼓に役者がまたがり、「見栄をきる」という世にも珍しい歌舞伎狂言だ。
道祖神・万灯・鉦(かね)・太鼓・干支の山車の行列が藤木地域内を歩き、太鼓や鉦(かね)に合わせて、歌舞伎の名場面を掛け合いで演じて見せることから、「太鼓乗り歌舞伎」といわれる。
祭りでは、3地区(上藤木、下藤木、西藤木)から3基の大太鼓が広場に集結する。この三区では、年頭の挨拶である「お年始」が、「往来(ゆきき)」という相互訪問のかたちで行われており、その訪問先の余興として行われるのが「太鼓乗り」であった。
地域の出来事や争い事などをおもしろおかしく演じ、集まった人々をわかせた「ちゃり狂言」が次第に歌舞伎となっていったといわれている。江戸時代から続く祭りだが、現在は「藤木道祖神祭保存会」が市指定無形民俗文化財として保存に努めている。講師陣も、長年歌舞伎を演じてきた元役者衆だ。そして演じる役者もみな勿論地元の青年たちだ。
もちろんプロの役者ではない。11月後半ごろから週に何度か集まり練習を繰り返す。仕事が終わり次第駆けつけるため、仕事場や家族の協力もあって初めて成立する。地域の人々によって演じられるため、
近所のひとたちからの冷やかしやアンコールの拍手が大きく湧き起こるのも見どころの一つだ。
当日は朝から甲州市内の道の辻々にある道祖神場で火の手が上がり、夜まで燃え続ける。その様は見慣れない都会の人がが見るとかなり異様な光景である。
また、その年の大きな干支の模型もつくられ、大八車に乗せて引かれる。もちろんその干支も毎年1/3に地元の人たちの手によって手作りされる。
他にも、おちょうや(おこや)と呼ばれる家を模した小屋のようなもので、道祖神の石を囲んで小正月の準備をする。このおちょうやの形は、同じ塩山地区でも場所によって大きく変わり、とても興味深いものだ。子孫繁栄を願う意味から、道祖神には女性の子宮を意味する石が設置されているが、古正月には、各地域にあるヒノキやマツ等の材料で立派な男根をつくるが、「今年は立派なのができた、これで子孫は絶えんね。特にうちの地区のは隣の地区よりも立派だからね。」という声がところどころからあがる。
今年、披露される予定の演目は、「白波五人男(しらなみごにんおとこ)」。
他にも「三人吉三巴白浪(さんにんきちざともえのしらなみ)」「勧進帳(かんじんちょう)」「鞘当て」などの歌舞伎の名演目が例年演じられている。
この「藤木太鼓乗り歌舞伎」、今年は弊社豊岡も演者として参加予定だ。演目は「白浪五人男」。一般の見学ももちろん可能であるため、ご都合が合うようであれば、甲州の伝統芸能に触れてみてはどうだろうか。新宿から1.5時間の場所でこんな文化が残っているのかと、きっと異次元をかんじられるだろう。
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