金沢におけるアート情報のハブ「金沢アートグミ」
地域の施設情報
地方におけるアーティスト同士のつながりや、各種団体とのネットワークのような“水脈”は外からでは見えづらいもの。
今回はギャラリーであり、アーティストやアート情報のハブにもなっている金沢の認定NPO法人「金沢アートグミ」をご紹介します。
「金沢アートグミ」は、2009年に設立されたNPO法人で、建築家・村野藤吾が設計したことでも知られる北國銀行武蔵ヶ辻支店の3階にギャラリーを構えています。この場所を拠点に、展覧会、シンポジウム、ワークショップなど、様々なイベントを開催。全国各地にアート系NPOはありますが、「金沢アートグミ 」は地方としてはかなりアクティブに活動しています。
創設の経緯には「金沢まちづくり市民研究機構」(※1)で2006年から3年間に渡りアートによるコミュニケーションの研究をしてきた背景にあります。(※1)「金沢まちづくり市民研究機構」…市民によって、主体的に都市政策の調査研究を行うことを目的とした機構。平成15年から9期続いた。
「金沢21世紀美術館だけじゃなく、金沢の街中にあって、いろんなアート情報が集まってきたり、展示ができるような場所が必要なんじゃないかと。美術館はやはりパブリックなものなので、もっと身近にあって、地元の声をすくい上げてすぐ動くことができるようなアートの場を、『金沢まちづくり市民研究機構』のプロジェクトメンバーで提案していました」。そう経緯を話してくださったのは、「金沢アートグミ 」の立ち上げから携わっていたスタッフの上田陽子さん。
(≫realllocalでの上田陽子さん紹介記事はこちら)
ギャラリーとしての“場”の提供のほかにも、若手アーティストのサポートや、金沢の各種団体とアーティストのコーディネートなど、“ソフト”としても機能。(そもそも「アートグミ」の由来は“グミのように自在にあらゆるものを繋げる”という意味もあるらしい)
「アトリエを探しています」「大学卒業後も制作して生きたいのですが」「翻訳してもらいたい」「作品を寄贈したいのですが」となどなど、様々な要望がアートグミには寄せられ、それらの解決策を一緒に模索してくれます。
金沢21世紀美術館や、金沢美術工藝大学・卯辰山工芸工房といった大学や市営工房、アーティストのコミュニティともなる共同スタジオ、個々のギャラリーなどなど、市内の様々なアートにまつわる場とアーティストつなぐような活動を行なっています。
ちなみに、アートグミのギャラリー使用料は応相談。規定の料金体系はなく、予算に応じて様々な可能性を模索してもらえる。(入場料・物販などの収入がある場合は2割をアートグミ に寄付するというルールはあり)
金沢のアート情報のハブであり、縁の下の力持ち、そしてよろず相談所でもある「金沢アートグミ」。アートにまつわるご相談に、ぜひ気軽にお立ち寄りください。強力なスタッフ勢はもちろんアートグミ の会員さんには専門性を持った方ばかりなので、きっと力になってくれます。
名称 | 金沢アートグミ |
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URL | |
住所 | 金沢市青草町88番地 北國銀行武蔵ヶ辻支店3階 |
TEL | 076-225-7780 |
営業時間 | 10:00~18:00 |
定休日 | 水曜日(祝日の場合は翌日)、展示替え期間中 |