新たなる文化を、ここ北九州から
アフターコロナに向けて
※こちらのプロジェクトは268件のご支援により、目標額の129%を達成できました。ご支援いただいたみなさま、ありがとうございました!
北九州市でコミュニティカフェの場を提供してきた、cafe causa代表の遠矢弘毅さん。
2010年に小倉駅裏浅野エリアにcafe causaを構えた。causaとはラテン語で「きっかけ」を意味する言葉だ。その名の通り、カフェの2階では、アート・音楽・古典芸能をはじめ、各々が活用できるフリースペースを設け、人と人を繋げ集まれる場となり、これまで70,000人に及ぶ方々に利用されてきた。
しかし、新型コロナウイルスの影響により休業を余儀なくされたいま、アフターコロナに向けクラウドファンデングへ挑戦している。
支援者はcafe causaでの飲食権(長期的な有効期限あり)を購入する事で支援協力ができるようだ。
今回クラウドファンディングを行う目的は、cafe causaを在続させたのち、いくつかの個人飲食店が連携をとれる協同組合の立ち上げを目指している。
遠矢弘毅さんの考える飲食店の協同組合とはいったいどういったものなのだろう。話を聞いてみた。
「以前から、同じく浅野エリアに構えるバーの店主とお互いのスタッフを流動的にしたいと話していました。お店のルールは守りながらも、行き来させる事で研修になるよねと。」
小さい飲食店の採用活動はとても労力がいる。人手が欲しい時には手薄になったり、閑散期には人が余ってしまったりと、悩みは尽きることがない。
しかし、人材を一店舗だけで抱えるのではなく、複数店舗で流動的に働けるような仕組みができるとその悩みの解決に繋がるかもしれない。
また、人が行き来することで、そこから新たなアイデアや仕事が生まれる可能性もある
実際に過去、数店舗共同で大手企業のパーティーを引受けた話を聞けた。
「2年ほど前、近くにある大手企業から100人以上の規模で忘年会をしたいと声がかかり、浅野にある5,6店舗で引受けることにしました。まず一次会は、割り当てられたお店に30分間滞在してもらい、おつまみとドリンクを提供します。それ以降は、5,6店舗どこに行っても良いというルールでした。」
浅野の町がある企業の社員で溢れ、何時になく賑やかであったと当時を振り返る。
一店舗だけではできないことも仲間がいると可能性が広がる。
「複数の店舗と共同で行うことで実現しました。場を持っていながら、それぞれが営業マンとなり、今まで不可能であった規模の案件も手を組む事で可能となります。」
やはり組み合わせるって面白いよね、と思いを巡らせる。
可能性に溢れるまちにしたい。
「近頃は、大手企業も社員の副業を推進しており、趣味が収入源となっている人も増えてきました。ここ北九州にもブログやインスタグラム等のSNSを駆使し、趣味だった料理がいまや企業のレシピ開発をして全国に広まった人もいます。個人・小店舗が大手企業や生産者と手を組み、仕事が増えていくまちって面白いよね。」
私たちが生き残る為に、今できることは何か。今一度、自分が有している手札にはどんなカードが揃っているのかを確認してみよう。
料理ができる、文章を書くことができる、写真をうまく撮ることができる。手元にたくさんカードがある人もいれば、1枚しかない人もいるだろう。
しかしもし手札が少なかったとしてもそれらを複数人でシェアしてみたらどうか。きっと出来ることの幅は広がるに違いない。「好きなこと、楽しいこと、得意なこと」を生かした仕事が出来る、それらを自らの手でつくっていくって素敵なことだと思う。
遠矢さんの考える協同組合とはそんな未来をつくることを目指しているのではないだろうか。
「人と人が手を組むとき、たいてい顔の知れた範囲から探すと思います。しかし、ここで協同組合があればどうでしょう。新しい手の組み合わせを見つける事が容易となるはずです。2020年を皮切りに、移住もより活発となるでしょう。福岡など大都市には、すでに移住者の町が出来上がりつつあります。北九州はこれからです。農業・漁業も近く、組み合わせる素材は豊富です。どう組み合わせますか?」
働きかたのボーダーラインを引かず、次の一歩を踏み出すとき、苦楽を共にするご近所さん付き合い(協同組合)のように強い繋がりがあったなら、きっと光を掴むことが出来るだろう。
そんな未来を想像しながら、協同組合創出プロジェクトの始動を心待ちにしている。