はじめての「だし」
地域の連載
2020.08.18
※山形へ移住したライター中島による、山形で体験するはじめての食べ物、イベントなどを記録するコラムです。
長かった梅雨があけたと思えば、うだるように暑い夏。
外に出たら溶けてしまいそうなくらいに暑い、とにかく暑い。
だから今日も私はだしを食べる。
夏野菜を細かく刻んだ、山形の夏の家庭料理。
きゅうりやなすなど夏野菜をベースに、ねぎや大葉やみょうがなどの香味野菜を加えて、納豆昆布を入れてまぜる。
地元の人いわく、使う野菜はなんでもいいのだという。家庭によって具材はそれぞれ。手元にある野菜を細かく刻めば、だしになる。
「だし」という名前の由来は、出汁のようにほかの食材を引き立てることから、また、包丁で野菜を細かく切り“出す”ことから、もしくは、野菜を刻んで味付けしただけで手早く食卓に“出す”ことからなど、諸説あり。(農林水産省HPより)
きゅうりやなすがみずみずしくて、大葉やねぎ、みょうがの香りが食欲を呼び起こしてくれる。
そうめんや冷奴の薬味にもぴったりだけど、私は白米にのせて食べるのが一番好き。
あっさりとして、きゅうりのシャキシャキとした歯応えがよくて、ごはんがすすむすすむ。あっという間に一杯掻き込んでしまう。
栄養満点で、元気まで出てくるのがありがたい。
年々ひどくなる猛暑。これから地球はどうなってしまうのか。
だけど生きていかなかければならない。どれだけ暑くても食べていかねば。
だから今日も私はだしを食べる。
だしがあってよかった。今年の夏も救われた。
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