real local 郡山街の扉を開けに行こう「Blue Bird apartment.」 - reallocal|移住やローカルまちづくりに興味がある人のためのサイト【インタビュー】

街の扉を開けに行こう「Blue Bird apartment.」

地域の拠点

2020.09.30

「real local郡山」が新たに立ち上がりました! まずは、real local郡山の拠点Blue Bird apartmentを紹介します。

福島県郡山市清水台。JR郡山駅からほど近いこの場所に、4階建てのリノベーション複合施設「Blue Bird apartment.」があります。

街の扉を開けに行こう「Blue Bird apartment.」
Blue Bird apartment.外観

私たちreal local郡山の活動拠点でもあるこの施設は、1階にカフェ、2階にデザイン事務所、3階にはシェアオフィス、そして4階のイベントスペースから構成されています。
かつては「銀座美容室」という名で親しまれていたこの場所が、なぜ「Blue Bird apartment.」として生まれ変わり、real local郡山が結成されたのか。
一般社団法人ブルーバードの代表理事であり、real local郡山立ち上げの発起人でもある佐藤哲也さんに話を聞きました。

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一般社団法人ブルーバード代表理事・佐藤哲也。「地域の人が、もともとあった銀座美容室を懐かしんで“ブルバ”に来てくれるのが嬉しい」と話す。
場所の“機能”を変えれば人が動く

――「Blue Bird apartment.(以下、ブルバ)」はさまざまな顔を持つ施設だと感じるのですが、まずはこの施設に込められた意味や果たす役割について教えてください。

佐藤:実はブルバを工事する前、清水台の町内会長さんに「清水台の賑わいづくりをここ(ブルバ)からやります」って話をしたのですが、「ここは年寄りしかいないし、若い子も離れていく。こんなとこ何やっても無理だよ。」って言われたんですよ。
でも清水台は、もともと多くの人が集まっていたエリア。リノベーションによって建物の役割を変えて、きちんと機能させていければ、またここに人の流れが生まれてくるという確信があったんです。

場所があるといろんな人が出入りする。現にリノベーションをする前は、大通りからわずか5mの場所なのに、学生や若い世代はほとんど通らなかったんですね。でもこの1年間で劇的に人の流れが変わった。そしたら、先日町内会長さんに「佐藤くん、ここも変わりそうな気がしてきたよ。ありがとね」って言っていただいて……。まだまだこれからだけど、地域の方々やここを訪れる方々に“場”という可能性を知っていただきたい。そのためにやっています。

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1F Blue Bird apartment.Cafe カフェとイベントスペースの2つの顔を持つ。
※ブルーバードアパートメント1周年イベント(2/1開催の模様) 

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2F ヘルベチカデザイン株式会社のオフィス

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3F クリエイターズオフィス

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4F イベントスペース(Snow Peak Business Solutionsと提携)

変えなくて良いこともたくさんある

――ブルバには本当に世代問わず幅広い人が集まっていますよね。この場所を中心に地域づくりに取り組む中で、なぜメディアを作ろうと思ったのでしょうか? 

佐藤:僕は地域が持つ独自性を大切にしたいと思っています。例えば、real localというローカルメディアを立ち上げた地域のひとつに神戸がありますが、神戸の人はハイカラという言葉にも表れているように新しいものを取り入れるのが昔から上手いと言われています。じゃあ一方で東北の良さって何だろうって考えると、保存食の技術やおばあちゃんの味など、 東北の厳しい冬を越えるための“生活の知恵や工夫”が圧倒的に豊かに残ってるということかなと。僕たちの情報発信も、そういった「変えなくてもいいもの」を見つけることから始まる気がしていて。経済の豊かさとは違う領域で、見つめ直すべきものがたくさんあると思うんですよ。特に東北には。

あと、僕はデザイン事務所で仕事を請けるときも「手を加え過ぎないこと」を大切にしています。これはデザインに限らず、地域づくりも地域情報も一緒だと思っていて。変える必要のないものに脚色し手を加えるのは、かえって本意が伝わりにくくなる。生活に便利な情報だけではなく、手がついてない、ありのままの良さも自分たちで残していかないと、東京と変わらなくなっちゃうんじゃないかな。

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ヘルベチカデザインは福島と東京の2カ所にオフィスを構えている。
情報誌以外で郡山を知れるローカルメディアが少ない

――real localという媒体を選んだのはどうしてですか?

佐藤:メディアの出す情報の多くに広告が絡んでいて、出稿主の要望などでありのままの情報が届きにくいような気がしています。

それくらい、情報とお金の関係性って強くなっているんです。だから、僕たちは、なるべく外的な要因に左右されていない、よりリアルで、よりローカルな情報を多くの方達に伝えたいと考えていました。

そんな時、地域の魅力ある情報を発信し続けているreal localと出会いました。僕たちもここで活動している方たちと触れ合っていくことで活動を共にしたり、全国各地の地域のことも学ぶことができると思ったんです。
郡山にもリアルタイムなお得な情報を発信しているメディアはもちろんあるけど、リアルな生活を伝えるメディアみたいなものはまだないかな……と思います。

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取材は“ブルバ”にて編集部のみんなで佐藤哲也さんの話を聞いた。
街の扉を開けに行こう

――地域のリアルな情報を、私たち学生が中心となって発信するというのはreal local郡山の特徴だと思うのですが、なぜメディアに学生を巻き込んだのでしょうか?

佐藤:固定観念や社会のルールにまだしばられていない、自由な視点を持つ大学生たちに可能性を感じました。残念ながら大人になると、会社の立場や仕事に追われてしまい想像力が奪われがちになってしまうんですよね。
しかし、学生さんだとそうした状況にとらわれず、自由な目線で街や人と接することができるんじゃないかと感じています。
美しい文章や素敵な写真といったデザインされすぎたものではなくて、見て、感じて、心に響いたものをストレートに表現して欲しいと思っています。

これからの社会を築いていく若い世代の自由な発想や想像力が、街を豊かにしていきます。そういったことは、地域の課題とか自分の進路とかに向き合い始めている大学生だからできるんじゃないかと思っていて。
その自由な視点で街に新たな光をあてて欲しいですね!

街の扉を開けに行こう「Blue Bird apartment.」
毎日のようにブルバ3階の事務所で顔を合わせ、絆を深める学生チーム。

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屋号

Blue Bird apartment.

URL

HP: https://bluba.jp/

Instagram: @bluebird_apartment

住所

福島県郡山市清水台1丁目8-15