【名古屋】未来を考える「未来デザインラボ」
トークイベントやWSを行う拠点
住宅や街に関わる3社が集い、運営する未来デザインラボ。どんな風に未来を研究するのか?これまでの活動と共に紹介します。
未来デザインラボは、住宅会社「ラ・カーサ」、建築設計事務所「センブンノイチ(1/千)」、マッチングプラットフォーム「SUVACO」が中心となり、各分野の専門家、また学生などの若い世代と共に、よりよい未来の生き方・風景について考える場です。
名古屋市営地下鉄・赤池駅から歩いて5分ほどの場所にあるこの建物が私たちの活動拠点。前述の三社がシェアオフィスとして活用しながら「未来デザインラボ」の運営を行っています。
未来デザインラボを行う理由
いま、私たちをとりまく社会は大きな変革の時を迎えています。日本では2008年をピークに人口が減少、少子高齢化や晩婚化はますます進み、大きな課題となっています。
一方で、インターネットの発達など目覚ましい技術革新により、大学の授業をオンラインで受講できたり、SNSで誰もが世界中の人と瞬時に繋がれるようになったりなど、ダイナミックかつ合理的なコミュニケーションが可能になりました。
情報の獲得が容易になり、住まいや家族のスタイルが多様化していく中、人々の価値観や消費行動も大きく変わりつつあります。特に都心部では利便性、合理性の面からも、シェアカーやシェアオフィスなど、消費・所有よりもシェアという選択が主流になりつつあります。
私たちは住空間を生業とする立場として、これからの社会とその価値観をさまざまな角度から見つめ直し、顧客への提案へ生かすことはもちろん、未来に向けての社会や事業のあり方について学び、研究していきたいという思いから未来デザインラボを立ち上げました。
しかし、「具体的には何をしているの?」「未来デザインラボってどんなもの?」と疑問を持たれる方も多いことでしょう。今回は、これまで私たちが行ってきたことの紹介を交えながら、少し詳しくご紹介したいと思います。
誰でも参加可能なレクチャーイベント「オープンラボ」
主な活動のひとつに、ブランディング、ソーシャルデザイン、建築、不動産、起業支援家など、多方面で活躍するキーパーソンをゲストスピーカーに招き、オーディエンスを前にしたトークセッションスタイルでお話を伺う「オープンラボ」があります。
私たちだけで聞くにはもったいないような有意義な内容ですので、ぜひ、学生、社会人など幅広いみなさんに参加いただきたいと思っています。今後は終了後の意見交換や交流会などもさらに充実させたいと考えています。
<これまでオープンラボ>
「ブランディングからの視点」
西澤明洋/株式会社エイトブランディングデザイン代表
「人を虜にする未来の文化の創り方」
野崎亙/株式会社スマイルズ取締役
「未来を変えるソーシャルデザイン」
宮崎晃吉/株式会社HAGI SUTUDIO 代表取締役
「次世代の豊かさとこれからの建築」
原田真宏/建築家、芝浦工業大学教授、株式会社マウントフジアーキテクツスタジオ主宰
「1階から考える未来のまちづくり」
田中元子/株式会社グランドレベル 代表取締役
「東京R不動産流”オモシロイ” を生む仕掛け」
林厚見/SPEAC共同代表、東京R不動産ディレクター
「“ちのかたち” で考える、これからの社会」
藤村龍至/建築家、東京藝術大学准教授、RFA 主宰
「愛知における街づくりの提言」
牧野隆広/名古屋大学 客員教授、ミライプロジェクト代表
※敬称略
3月には、山川智嗣氏をお迎えして、「LOCALから生まれる新たな価値のデザイン」をお話しいただく予定でしたが、新型ウイルスの感染拡大防止のため延期としております。
学生たちと一緒に考える「オープンゼミ」
オープンラボで学んだことを学生たちと一緒に考える「オープンゼミ」も行っています。愛知県の大学生を中心としたオープン形式のゼミで、意見交換をしながら、レクチャーで学んだ内容をより深めていきます。テーマによりますが、こちらも社会人の方も参加可能です。株式会社リビタ(リノベーションを中心とした不動産会社)の綾村さんにお越しいただいた、「自分の居場所の見つけ方」のワークショップには、ラ・カーサの社員も参加しました。
<これまでオープンゼミ>
「会うと繋がるの違い」
参加者:愛知淑徳大学 間宮晨一千 研究室
「共有できる価値あるものとは?」
参加者:椙山女学園大学 橋本雅好研究室・名城大学 生田京子研究室
「都市開発を体感しよう!」
ゲスト講師:吉田雅史(株式会社ブルースタジオ)
参加者:建築系大学生25名
「自分の居場所の見つけ方」
ゲスト講師:綾村恭平 (株式会社リビタ)
参加メンバー:建築系大学生20名+社会人7名
※敬称略
未来の風景を考える
2019年8月−12月には、実際の街を舞台にした取り組みも行いました。中電不動産株式会社主催、株式会社デンソーの協力のもと、未来デザインラボが企画・運営を行い、名古屋市・緑区にある土地を題材にした学生コンペを開催。テーマは「令和に向けた街の豊かさを企画せよ!」。令和時代を担いゆく学生のみなさんの柔軟な発想をもとに、街の豊かさとは何か?を表現する多彩なアイデアが集まり、新しい価値を生み出す未来のまちのイメージが広がりました。
「令和に向けた街の豊かさを企画せよ!」結果発表 https://miraidesign-lab.jp/event/p1347/
最後に、未来デザインラボとは。
いろいろな分野で活躍する方々や、若い世代の話をうかがって強く感じることは、「これまでのようなマスのマーケティングはもう通用しない」ということ。個人の感性はより研ぎ澄まされ、価値観が多様化し、ひとりひとりが「どう生きたいか?」を問われる時代。暮らす街、働く場、住まう家に対しても今までとは異なったものが求められるようになるでしょう。
未来デザインラボの活動は、簡単に一言では語れませんが、未来に向けより良い暮らしを実現するために私たちにできることは何かを常に考え、多角的なアプローチを続けています。オープンからまもなく2年。知見を積み重ね、点と点を線にして、未来デザインラボから社会に向けて考え方や仕組み、デザインなどさまざまなものを発信していきたいと思っています。