【郡山・まち歩き】レトロとモダンが活きる堂前町で時の流れを歩く
ローカルツアー
皆さんは子供のころ、通学路から寄り道をして帰った経験はありますか?不思議な名前のお弁当屋さんや色とりどりの小さな花屋さんを見つけたり、まるで冒険のような道のりだったのではないでしょうか。いつもは車で通りすぎる場所も、歩いてみれば新しい発見や出会いをもたらしてくれるかも。そんな気持ちで出かけたまち歩き、今回の舞台は堂前町です。
堂前町ってどんな町?
郡山駅から徒歩約15分、如宝寺周辺から文化通りまでのエリアが堂前町です。昔ながらの飲食店が多く並ぶこの町は、かつて「たから幼稚園」に通っていた私にとって思い入れのある町。当時の思い出に浸りながら歩いた堂前町の魅力や街並みを紹介していきます。
思い出の詰まった参道沿い
足を運んだのは堂前町中心の参道沿いに位置する創業50年以上の老舗「おにぎり たけや」。家族と度々訪れていたこのお店はその名の通り種類豊富なおにぎりはもちろん、お惣菜や団子なども販売しています。15年以上前と変わらない青色の暖簾の外、お昼時にたくさんのお客さんが並ぶ光景には懐かしさを感じました。
「たけや」から道路を挟んで向かいには、大日如来をご本尊とする如宝寺がそばだっています。毎年開催される七日堂例大祭や観世音夏祭りは、多くの参詣者で賑わいます。ここは私が通っていた「たから幼稚園」の設立母体でもあり、花まつりや如宝寺節分会など様々な幼稚園行事で何度も訪れた場所。境内を歩くと幼い頃の思い出が浮かび、ノスタルジックな思いが募りました。
代々地域を見守る書店
町歩きをしていると懐かしさを感じるだけでなく、新しい発見もありました。それが「たけや」の隣にお店を構える「松文堂書店」。お店を営むおばあさんの祖父の代から続いているというこちらの書店には歴史を感じる古い本が所せましと並んでいました。ほとんどの本が半額、ブックレットは100円で売られています。昔から地元の学校に本を届けていたそうで地域の暮らしに根付いているお店です。ふらりと歩いてみれば小さい頃には全く気が付けなかった古本屋さんに出会い、覗いてみれば今まで見たことのない本の数々に興味がわきました。
時代を渡るレトロな街並み
堂前町を歩いていてたくさん目に入るのは、レトロな看板。美容室の看板には繊細なタッチで一面に描かれた綺麗な女性の絵、ビビッドな色使いの看板が並ぶ飲食店の多い路地など、インスタ映えのカフェ巡りでは出会えない昭和に足を踏み入れたかのような街並みであふれていました。派手な看板たちは文字が少なく一目でどのようなお店なのかは分からないけれど、かつて市役所があった当時の賑わいを感じました。
馴染みつつ存在感のあるモダンなお店
レトロな街並みの中にはモダンカジュアルなお店も。淡いスカイブルーの壁が印象的な「Rhythm」は洋服や雑貨を取り扱っているお店です。青い壁に温かみのある木のドアや看板が良く映える素敵な外観でした。
シンプルな白い壁にポツンと飾られた植物が目を引くこのお店は洋服などを取り扱うセレクトショップ「1F-Store」。壁沿いに並べられた白い椅子がオシャレで、ついつい写真を撮りたくなります。どちらのお店も落ち着きのある優しい色使いのナチュラルな雰囲気に引き付けられました。
まち歩きの楽しさを実感
今回は私にとって幼い頃の思い出の町、堂前町を歩いてみました。幼少期によく訪れた場所や通った学校の近くを歩いてみると、懐かしさと共に新しい発見があります。レトロな街並みとモダンなお店のコントラストで時代の変化を感じ、不思議な気持ちと興味をもたらしてくれる堂前町。身近な町で写真を撮る場所なんてないと思っていたのに、実際に歩けば面白い看板や素敵なお店ばかりで気付くとシャッターを切っていました。堂前町には今回ご紹介したスポット以外にも、楽しめる場所がたくさんあります。歩きながら町のあちこちを見てみると好みの風景や気になるお店が見つかるかもしれません。カメラを持って散歩するもよし、食べ歩きや洋服を買いに行くもよし、ぜひ新しい出会いを探しに訪れてみてはいかがでしょうか。