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【沖縄】海人をつづけるために

漁師/柳田一平さん

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柳田一平さん。師匠から受け継いだという、沖縄の伝統漁船“サバニ”の上で

海が好き、漁師に憧れる、いつかは自給自足の生活をしたい、そんな方達ヘ向けて、柳田さんの生き方をご紹介したい。

「海がずいぶん弱っていることを、魚たちの次によく知っているのは海人(うみんちゅ)です。〜(中略)〜ある日、思いのあふれたひとりの海人が言いました。『海を休ませよう』」

里海再生の活動を行うNPO法人INO(イノー)のホームページに書かれている言葉。INOを立ち上げた柳田一平さんは沖縄の海人、いわゆる漁師である。

漁師になり、海に出るようになってから柳田さんは思ったそうだ。
「魚が明らかに小さく少なくなっている。このままでは、漁業がつづけられなくなる」

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INOの活動の一環、サンゴの植え付け作業

エコ活動や環境保護が目的ではなく、海人をつづけていくために、将来の海人のために、できることをしよう。この思いに賛同した仲間とともに、NPO法人INOをつくり、魚たちの住まいであるサンゴの養殖や、乱獲につながらないよう、漁師にとっての漁業の代替となる仕事をつくりだすなど、さまざまな視点から海の健康を守る活動を行っている。

柳田さんは東京出身、群馬育ち。今では沖縄生活が1番長いという。なぜ沖縄に移り住み、漁師になったのか?

そもそものはじまりは、アメリカ西海岸。前職、アパレル関係の仕事でアメリカにて働いていた際に、ある一人の青年との出会いがあったそうだ。

「彼は沖縄出身、いままで出会ったことがないような、とてもおおらかで優しい青年でした。こういう人間が育つ島とは、どんなところなのだろうという興味と、自分が魅力を感じていた、自給自足生活ができるんじゃないかという期待が沖縄にありました」
アメリカから日本に戻る飛行機の中では、いつかぜったい沖縄へ行こう。と決めていた。

2年間の準備期間を経て、念願の沖縄に来てからは、趣味のサーフィンをしたり、素潜りで自分の食べるものを獲る、まさに自給自足なスローライフ。そんな生活を送っていた頃、アメリカで出会った青年と再会する。

その青年が持ってきた新聞に沖縄の漁師の記事が載っていた。コレだ!と、すぐさまその記事に掲載されていた漁師に弟子入りをし数カ月後には海人になっていたという(!)

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サバニにて漁に出る

現在は漁師、INO代表、ダイバーと色々な肩書きをもつ柳田さん。今はINOの活動に多くの時間を割いているというが、将来的には、ちゃんと海を休めて海が健康を取り戻してから、漁師の割合を多くしていきたいという。

そして、これからは「食」に対しても積極的に関わっていきたいとのこと。実際に、沖縄を拠点に活躍している「名前の無い料理店」小島圭史シェフと手を組み、獲り方からこだわった魚料理の提供を試みている。

柳田さん曰く、「魚網で一気に獲るよりも、断然手間は掛かるが、一匹一匹ストレスを与えないで獲るのが美味しい」そうだ。調理方法や産地で、料理の味が決まると思っていたのだが、獲り方でも味が変わるとは驚いた。

魚をより美味しくクオリティの高い状態で提供することで、一匹の商品価値があがれば、結果、沢山の魚を獲らなくても十分収入の得られる漁業ができるのではないか?そう柳田さんは考えている。

遊び心や冒険心は忘れず、近未来の海人のため、なにより自分が漁業を続けられるために、柳田さんはこれからも実践しつづける。

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柳田さんの相棒、サバニ船<正幸丸>
屋号

NPO法人INO(イノー)

URL

 http://ino-npo.com/index.html