山形市新山 「発酵素材®︎」/暮らしの道具店
ローカル お店の情報
2021年5月末、山形市新山の国道286沿いに、「発酵素材®︎」/暮らしの道具店がオープンした。
天井が高く明るい空間に、江戸〜昭和初期の家具や食器、窓や扉、板などの古材が並ぶ。丁寧なディスプレーで、一つひとつの佇まいが美しい。
お店を運営するのは、工務店を営む「古民家ライフ株式会社」。代表の高木孝治さんは長年に渡り古民家の改修につとめてきたが、残念ながら解体されてしまうケースが多いのだという。
解体現場でひっそり息を潜める年季の入った梁や柱などの古材、美しい意匠の窓や扉、家具、食器類たち。それらは、民芸好きの高木さんの目には“お宝”に映った。家を解体すればゴミとなり、捨てるにもお金がかかってしまうものたち。視点を変えれば世界は変わる。
コツコツと買い取り、譲り受け、市内の倉庫で長らく保管し、満を辞してショップをオープンした。今後は古材を販売するスペースも増築する予定だという。
「一度見捨てられたものが、時間を経て価値が見直され、大切にしてもらえる人のところへ渡る。そんな嬉しいことはないですよね。すごくやりがいがあるし、楽しい仕事です」
店舗自体もすべて古材でつくられ、鉄骨さえも再利用品。完成図面はあえてつくらなかった。あるものでなにができるか。足りないものは解体現場から回収し、素材との出会いから感覚を頼りに、パズルのようにつくっていったそうだ。
高木さんは「手仕事のぬくもりを感じるもの」が好きだという。お店には「発酵素材」のフィルターを通して集められた、目利きのアイテムが並んでいる。数百円の食器やオブジェから数万円の家具まで、ここでしか手に入らないオンリーワンのものばかりだ。
そもそも「発酵素材」とはなんだろうか?
発酵のように、時間が経つほど味わいが出てくる愛らしい暮らしの道具たち。詳しくは、こちらの高木さんのインタビューを見ていただきたいのだが、古民家ライフがつくる住宅ブランド「発酵住宅」や、高木さんが実践する里山暮らしのプロジェクトとも思想は一貫している。
「うちは骨董品屋ではなく、暮らしの道具屋です。誰もが気軽に来られる場所となり、このお店を通じて、古民家ライフの活動に関心を持ってもらえたら嬉しいです。
大変な時期が続きますが、時間を重ねた愛らしいアイテムを通じて、みなさんの生活に潤いを与えられたらいいなと思っています」
写真:伊藤美香子
取材・文:中島彩
名称 | 「発酵素材®︎」/暮らしの道具店 |
---|---|
URL | https://www.kominkalife.jp/%E7%99%BA%E9%85%B5%E7%B4%A0%E6%9D%90 |
住所 | 山形県山形市大字新山166−1 |
TEL | 023-616-4528 |