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山形移住者インタビュー/「山形市にUターンしたい」という相談者たくまさんの現在

移住者の声

2021.09.14

東京の会社で働くたくまさんが、real local山形に移住の悩みを聞かせてくれたのは2021年4月のことでした。そのときにたくまさんが抱えていた悩みについて、また、それから5ヶ月経った現在の状況について、相談内容の一部をここに記録します。もちろんご本人からの了承をいただいた上で。

たくまさんが抱いた悩みや疑問を突き詰めると、ふたつのことに行き着きます。お金のことと、仕事のことです。これはきっと、移住をしたいけれどもなかなか踏み切れないでいるひとに共通する課題なのかもしれません。だからこそ、この課題にたくまさんがこれからどう向き合っていくのかということが、多くの人の参考になるはずです。

山形移住者インタビュー/「山形市にUターンしたい」という相談者たくまさんの現在
山形市へのUターンをまさに現在進行形で検討しているたくまさん。

== 今年4月に、リアルローカルにコンタクトいただきました。そのときは「移住関連の助成金はないか」というご相談でした。まずはそのときの状況について教えてください。

たくま:移住を真剣に考えたとき、ぼくにとって一番大きな問題はお金でした。だから支援金のような制度があるのかどうか、まずそれを知っておきたくて、相談に伺ったのです。

そもそもぼくは山形市の高校卒業後、東京へ出て、Webを学びながら働くようになり、28歳となった現在はWeb制作会社でディレクターとして働いています。クライアントからの依頼を受け、Webの仕組みを活用してビジネス課題解決のためのゴールに導く、という仕事です。Webサイトの要件定義、デザイナーやエンジニアも含めた制作チームの進行管理、クライアントとのやり取りの窓口なども担います。

「山形にUターンしたい」という希望は以前から抱いていたもので、そこには家庭的な事情もあります。ですから、コロナ禍になって急に思いついたわけではありません。いいタイミングがあればそうしたいとずっと思っていました。あるていど大きな仕事もやれるようになってきたことで「そろそろ山形に帰ろうか」という気持ちがはっきりしてきたんだと思います。

けれど、じゃあ実際に山形に帰って生活することを想像したとき、「お金をどうするか」という問題が切実なものとして浮かび上がってきました。

== 「お金をどうするか」とは具体的にどういうことでしょう。

たくま:ふたつあります。ひとつは、貯金がないこと。ぼくは現在でこそWebディレクターとしてそれなりに大きなWeb制作の案件に携わりお給料をいただいているわけですが、いまの会社にくるまえはスキルもほとんどなく「ゼロから学びながら、スキルを身に付けながら働く」という状況でしたから給料もとても安く、かなり貧乏しました。そこから転職し今の会社に移ってからは、その貧乏生活からは抜け出せたものの、それでもやっぱり給料のほとんどが毎月の家賃や生活費に消えていきます。そんな状況があたりまえだったのでまったく貯金してきませんでした。でも、いざ移住しようということになれば、やっぱり少しはお金がかかりますよね。引越し費用だったり、新しい住処の家賃や敷金礼金だったり…。せめてそのくらい払えるくらいのまとまったお金は最低限必要なんだ、ということに改めて気づいて、焦ってお金を貯めているところです(笑)

ふたつめは、これからの収入のこと。いったい山形に帰ってきてからどうやってお金を稼いでいけばいいのだろうか、ということです。東京でぼくが積み上げてきたのは「Webディレクター」としてのスキルです。果たしてそのスキルが、これからUターンする山形で生かすことができるんだろうか、と考えると、ちょっと難しいのかもしれないと思いました。というのも、山形でWeb制作会社を検索しても見つけることができたのはわずかでしたし、そのうち求人をかけているところとなるとさらに見つけることがむずかしかったからです。

ということで、もしいまの会社をやめて山形に戻るとなれば、これまで積み重ねてきたWeb制作のスキルとは無縁の仕事につくしかないのかもしれない…と諦めに似た気持ちにならざるをえませんでした。例えばハローワークで紹介されている仕事に就くというようなことになるわけでしょうけど…。でも、そこにあるのはこれまでじぶんがやってきた仕事とはあまりにかけ離れていて、それはそれでまた愕然としてしまって…。

==  せっかく東京で手に入れたスキルを生かせる仕事がローカルにはないかもしれない。というのはちょっと残念な話ですね。

たくま:でも、リアルローカルに相談してみて、いろんなひとの働き方を教えてもらったことで、視野を広げることができました。東京から山形に帰ってくる際にじぶんから会社に働きかけて山形にサテライトオフィスをつくってもらったという人の話や、いまの会社をやめたとしてもそのまま外注として仕事させてもらう可能性があるかもしれないこと。また、これまでの自分の実績をきちんと棚卸してポートフォリオとしてまとめて、それを山形のWeb制作会社に自分から連絡をとりにいってプレゼンしてみることなど、いろんなやり方がありうるということを教えてもらいました。おかげで、自分のスキルを生かす方向でなんとか可能性を探ってみることがすごく重要なんだと思えるようになりました。

==  実際、その方向で山形で仕事することができそうですか。

たくま:コロナ禍の状況がつづくなかで、ぼくがいまいる会社もリモートワークが基本になりました。さらには従業員に対するルールもすこしずつ変化してきて、「事情があれば、東京以外で働くのを認める」というところまで働き方の自由度が高まってきたんです。それでつい最近、実際に地元に帰りそのまま社員として働き続けている、という先行事例も出てきました。ですから、ぼくもこのままいまの会社に所属しながら東京を離れて山形で暮らすということにかなり現実味が出てきた、という感じなんです。

== 山形に戻れる可能性がぐっと高まってきた、と。山形に戻ってからどんなことをしていきますか。

たくま:そもそもぼくは、はじめから山形を離れるつもりはぜんぜんなくて、高校卒業後は山形で働こうと考えていたんです。でも、当時ぼくのまえに提示された就職先候補のリストにあった仕事のなかには、自分がやりたいと思えるものが見つけられませんでした。それで仕方なく、自営業である親を手伝うためという名目で、卒業後はフリーターとなりました。そして、Webディレクターという職種に出会ったことで東京に出ていった、という経緯があるんです。それでも、家庭の事情もあって、いつかは山形に戻らなければとは思っていたんです。

父は山形市内で飲食店を経営している料理人なのですが、ぼくは山形に帰ったら自分の仕事のほかに、Webのスキルを生かして父の店の広報支援もしていきたいと思っています。また、山形の良さを伝えるようなWebメディアをじぶんでつくって運営したいですね。東京で培ったスキルを山形に還元しながら、地域の魅力を発信していきたいんです。

== 応援しています。半年後どういう状況になったのか、またreal localに掲載させてください。

たくま:ぜひ。ぼく自身も、これからどうなるのか、楽しみです。

interview & text  那須ミノル

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