real local その他【大阪】「場」としての印刷所 レトロ印刷JAM - reallocal|移住やローカルまちづくりに興味がある人のためのサイト【店】

【大阪】「場」としての印刷所 レトロ印刷JAM

2015.04.14
【大阪】「場」としての印刷所 レトロ印刷JAM
レトロ印刷JAMのお店。入口からみて右側がワークスペース、左側が販売スペース。なんと約90坪の広さ

「レトロ印刷」という名称を聞くと、なんとなく懐かしさと期待感が入り交じる。版画のような仕上がりと、紙の手触りや質感が魅力で、オリジナリティーを求めるデザイナーさんたちの御用達の印刷所だ。とかいう自分もかつて、ZINE制作でお世話になった思い出もある。

【大阪】「場」としての印刷所 レトロ印刷JAM
レトロ印刷は、シルクスクリーンと同じ孔版印刷の一種。色がズレたり、触るとインクが手についてしまうこともあるが、これが逆にレトロ印刷ならではの魅力となっている
【大阪】「場」としての印刷所 レトロ印刷JAM
レトロ印刷JAMの社員さん。左から山本かおりさん、小林光一さん、中村信吾さん

「レトロ印刷を始めたのは、10年程前。あるデザイナーさんに、大正時代の印刷物のような表現がしたいと言われたのがきっかけで。元々うちには一色刷りの機械しかなかったのですが、その方のために二色刷りにチャレンジして刷り上がった作品を、これが欲しかった!と大変喜んでいただきました。それ以降も面白い作品がどんどん出来上がるのを端から見ながら、これは面白いと私たちも感じ、『レトロ印刷』と名づけて運営の主軸に据えました」

【大阪】「場」としての印刷所 レトロ印刷JAM
ワークスペースには、大型の印刷に対応したシルクスクリーンの台も。使用できるインクは、鮮やかな発色をするものが多いのが特徴

もともとレトロ印刷JAMは、大阪北区にあった。近くの中崎町エリアは、細い路地裏に木造長屋をリノベーションしたカフェやギャラリー、雑貨店などが民家と混在して並んでおり、時の流れから取り残されたような雰囲気の漂う町だ。JAMはこの独自の文化を持つ町とともに育ってきた。そして2014年6年、もっと人が集まりやすく、作業しやすい環境を提供するため、広さを重視した現在の場所に移った。

昔から大阪は、フリーペーパーや自主出版の文化が盛んだと言われる。物事をフットワーク軽く始められる風土があるからだろうか。確かに、今までにない表現がしたいデザイナーが、神戸や奈良からJAMまで通ったり、何か表現したいと考えて集まったチームが「まず作ってみよう!」とJAMの扉を叩いたりしている。表現したい想いを受け入れてつなぐ、場としての役割がここにはある。

【大阪】「場」としての印刷所 レトロ印刷JAM
「機械の使い方に困ったときは、何でも聞いてくださいね」とお店担当の中村さん
【大阪】「場」としての印刷所 レトロ印刷JAM
日本のファッションに関するZINEをつくっているデザイナーのライアンさん。2号目は1000部刷る予定だそう
【大阪】「場」としての印刷所 レトロ印刷JAM
オリジナルの布バッグを製作中の彼女は、イラストレーターさん

ワークスペースを生かした、ユニークな企画もいろいろ進行中だ。 例えば、「つながる企画」は、つくれる人とつくりたい人を結ぶという企画。例えば、音楽活動をしている人と絵を描ける人がCDジャケット制作でつながるといった具合だ。将来的には、ここの一角にギャラリースペースも設けられるそうなので、展示・発表もできるだろう。

【大阪】「場」としての印刷所 レトロ印刷JAM
印刷注文の際に、希望すれば誰でも「JAM置き」に参加できる。余分に刷ったものを、店の壁の一部に展示してくれるというものだ
【大阪】「場」としての印刷所 レトロ印刷JAM
「JAMではつくられた商品や本などは、10部まで買い取り、店頭で販売します。少しでもクリエイターさんの発表の場になればと。想いが詰まったものはやっぱり売れていきますよ。伝わるんでしょうね」と小林さん
【大阪】「場」としての印刷所 レトロ印刷JAM
高価な機械がなくても、自宅でシルクスクリーンを楽しめるJAMオリジナルキット「TOY」(3000円)。初心者も手軽にできる人気商品

「私たちの役目は、モノづくりや表現をする人のお手伝いをすること。原稿からこの場所でつくって、その日に作品として持ち帰ることもできます。家でつくりにくい大きさの作品も制作できますし、制作のチームで打合せに使っていただいてもOK。場所利用は無料です。インク・紙・文房具・工作するための必要道具も揃えています。ここに来たら、手ぶらでもとりあえず何かつくれると、そういう状態にしたいんです。仕上がった作品を見ていると、凄いなといつも思わされます。いろんな化学反応が、どんどんこの場所で起こってくれると嬉しいです」

【大阪】「場」としての印刷所 レトロ印刷JAM
どなたでもJAMへ、ようこそ
屋号

レトロ印刷JAMのお店

URL

http://jam-p.com/jam-omise/index.html

住所

大阪府大阪市北区豊崎6丁目6番23号

備考

【レトロ印刷JAM】 http://jam-p.com