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【金沢】金沢市の生ごみリサイクル循環システム「ベジタくる〜ん」

2021.10.19

焼却に膨大なエネルギー/コストを要する「生ごみ」。環境保護や財政的な観点からも、生ごみの減量化はどの自治体も長年取り組んできている課題です。
今回は金沢市で平成25年から運営されている生ごみリサイクル循環システム「ベジタくる〜ん」をご紹介。生ごみを家庭で堆肥化することを促し、さらにはその堆肥を市が回収して活用まで担う一連のシステム。畑や家庭菜園を持っていない、賃貸暮らしや街なか暮らしの人にもオススメなんです。

【金沢】金沢市の生ごみリサイクル循環システム「ベジタくる〜ん」

ごみの4割が生ごみ、その8割が水分

家庭から出る燃やすごみのうち、約4割(※)は生ごみで、さらに、その約8割が水分と言われています。言うなれば「水を燃やしている」ようなものですから、生ごみ焼却に膨大なエネルギーがかかることは容易に理解できます。
(※)金沢市の場合。地域によって割合は多少異なります。

CO2の排出など環境への負荷は言うまでもなく、自治体の財政も圧迫する生ごみ問題。そのため多くの自治体がコンポストの推奨や家庭用ごみ処理機への補助金などを通して、生ごみの削減に取り組んでいます。

【金沢】金沢市の生ごみリサイクル循環システム「ベジタくる〜ん」
金沢市で出る燃やすごみの内訳。生ごみが全体の約4割を占める。(金沢市公式HP「いいね金沢」より引用)

気軽に始められるダンボールコンポスト

広々とした畑や庭がある家庭では敷地の一角に「コンポスト」を設けたりと、自宅で生ごみを土に還すことができますが、賃貸や街なか暮らしではなかなか難しく…。

そんな中、「コンポスト」をより手軽に・コンパクトに暮らしに取り入れられる様々なアイテムやサービスが既に生まれていますよね。
「ベジタくる〜ん」で推奨されている「ダンボールコンポスト」もその一つ。こちらはダンボールという手近な材料に基材(もみ殻や竹チップなどで作られたものなど)を入れるだけで始められ、微生物の力を使って生ごみを分解するのでもちろん電力も要しません。そして最終的には堆肥として活用できるという優れモノ。(ダンボールコンポストの詳細はこちら)

【金沢】金沢市の生ごみリサイクル循環システム「ベジタくる〜ん」
こちらはコンパクトな10ℓサイズ。賃貸でも玄関先やベランダなどに置けるサイズ感。金沢市では、ダンボールコンポスト用のダンボールと基材を開発し、セットにして販売(セットで 750円)。
【金沢】金沢市の生ごみリサイクル循環システム「ベジタくる〜ん」
こちらが「コンポストの素」と呼ばれる基材。金沢市では地元産の籾殻や竹チップなどを加工して作られたものが販売されています。

とはいえ微生物も生き物。ごみ箱の様にただ生ごみをポイポイ捨てるだけではうまく分解が進まなかったり、虫が発生することもあるので、上手に「育てて」いくためにはコツを知っておくことが肝心です(かく言う私も一度失敗しています…汗。いつかこちらのレポートも)。
そのため、金沢市では講習会や動画配信などを通じてそのコツを伝授しています。(ダンボールコンポストのパンフレットPDFはこちら)

【金沢】金沢市の生ごみリサイクル循環システム「ベジタくる〜ん」
金沢市主催のダンボールコンポスト講習会。私も4年前に参加しましたが、様々な年代の方が参加していてコンポストへの関心の高さを感じました。今年度分も満員御礼だとか。

できた堆肥を「回収」し、循環させるサイクル

さてこのダンボールコンポスト、ある時期を越えると(生ごみの投入量にもよりますが3ヶ月〜)分解があまり進まなくなってきます。いわば微生物が「満腹」になった状態なので、ここらが替えどき。
そのまま1ヶ月ほど熟成させると堆肥として利用できますが、畑や家庭菜園を持っていない賃貸や街中暮らしでは、せっかくの堆肥を持て余してしまう事態に。(※ダンボールが痛んでない場合は「コンポストの素」を足して継続させることもできます)

金沢市が運営する「ベジタくる〜ん」は、その堆肥を市が回収し、活用してくれるシステムです。できた堆肥を回収店舗に持っていくとポイントがもらえ、そして持ち込まれた堆肥は、市民農園などで活用されています。(べジタくる〜ん詳細はこちら)

 

【金沢】金沢市の生ごみリサイクル循環システム「ベジタくる〜ん」
堆肥回収指定店舗は、JA金沢市ほがらか村、北陸園芸商組合など市内8ヶ所。(毎日回収している店舗と曜日指定の店舗があるため要確認)
【金沢】金沢市の生ごみリサイクル循環システム「ベジタくる〜ん」
金沢市が運営する市民農園の一つ(戸室リサイクルプラザ横)。休日には家族連れの姿も。

電気式生ごみ処理機でできた堆肥(乾燥などの処理がされたもの)も、「べジタくる〜ん」の回収対象。電気式生ごみ処理機は購入費が助成されるということもあり、こちらも近年申し込みが増加傾向にあるそう。

【金沢】金沢市の生ごみリサイクル循環システム「ベジタくる〜ん」
乾燥してパリパリになった生ごみ

ダンボールコンポストでできた堆肥を回収しているのは、石川県内では現在金沢市のみ。家同士が隣接し合う街なか暮らしや賃貸派も多い地域だからこそ運営されているシステムともいえます。

【金沢】金沢市の生ごみリサイクル循環システム「ベジタくる〜ん」
ダンボールコンポスト一箱分(10リットル)で10ポイントもらえます。500円相当の商品券か、新しいダンボールコンポストと交換可能。電気式生ごみ処理機で出来た堆肥は500gあたり1ポイントに。

コロナ下で進む、家庭での生ごみ堆肥化

平成25年からサービスを開始した「べジタくる〜ん」。堆肥の回収量は右肩上がりだそうで、5年前の平成27年の堆肥回収量(1,622kg)と比較すると今年度は約2.4倍(3,869kg)になっており、昨年度の交換件数も前年対比11%増だとか。
「特に新型コロナの感染拡大に伴うステイホームによって、家庭での生ごみ量が増加したことで、その処理に関心を持たれる方が増えたのではないでしょうか」と金沢市ごみ減量推進課の増澤さんは話します。

【金沢】金沢市の生ごみリサイクル循環システム「ベジタくる〜ん」
ごみ減量推進課の若松さん(左)と増澤さん(右)。

ごみの匂いや、ごみ出しも楽に!

「私も自宅でダンボールコンポストを活用しています。まだ初心者なのでまずは野菜くずから始めていますが、それだけでもごみを出す回数や量が減りましたね。生ごみが減ると、ごみは臭わなくなりますしグッと軽くなるんです」と若松さん。
特に夏場の生ごみ臭に悩まされているご家庭も多いはず。金沢市は指定ごみ袋収集制度が2018年からスタートしているので、生ごみの減量化は家庭目線でも良いことづくし。

既に多くの人が、知恵を絞って生ごみの減少に取り組んでおられると思います。そんな選択肢の一つとして「べジタくる〜ん」もぜひお見知り置きを。

※金沢市公式ごみ分別アプリ「いいね金沢 5374App(ゴミナシアップ)」や、今年新たにスタートしたLINE公式アカウント「金沢市ごみ出しサポート」もごみの分別・資源化に便利なのでご活用あれ。

名称

生ごみリサイクル循環システム「ベジタくる~ん」

TEL

▼お問い合わせ

金沢市環境局ごみ減量推進課
076-220-2302

備考

【ダンボールコンポスト販売店】

  <15ℓサイズ>
コープたまぼこ
・東原町直売所

  <10ℓサイズ>
・JA金沢市ほがらか村(本店、野田店、崎浦店)
・金沢森林組合 緑化木センター
・北陸園芸商組合
 (F&Gかどむら、マツシタガーデン、なるせフラワーガーデン、JEE-SA ジーサ)

【堆肥回収店舗】

・JA金沢市ほがらか村(本店、野田店、崎浦店)
・金沢森林組合 緑化木センター
・北陸園芸商組合
 (F&Gかどむら、マツシタガーデン、なるせフラワーガーデン、JEE-SA ジーサ)

 

URL

ダンボールコンポスト
https://www4.city.kanazawa.lg.jp/s/25003/recycle/recycle/namagomi-recycle.html

ベジタくる~ん
https://www4.city.kanazawa.lg.jp/s/25003/recycle/recycle/namagomi-recycle_3_4.html