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【北九州】学生がめぐるローカルウォーキング〜若松編vol.1〜

地域の連載

2021.11.04

北九州のリアルな魅力を見つけ出すこの企画。
北九州に住む現役大学生たちが実際にまちを歩き、人や建物と出会いながら、自分たちが暮らす北九州のよさを見つけていきます。

まち歩きをレポートするのは北九州市立大学 地域創生学群で、まちづくりやリノベーションなどを学ぶ片岡ゼミの学生たち。

市外出身の学生も多く、今回のまち「若松」を訪れるのは初めて。学生目線で見つけた北九州のリアルな魅力をご紹介します。

学生がめぐるローカルウォーキング〜若松編vol.1〜

学生がめぐるローカルウォーキング〜若松編vol.2〜|エモくて美味しいグルメスポット

学生がめぐるローカルウォーキング〜若松編vol.3〜|若戸大橋の裏側へ


 

潮風に浸って〜同世代に感じてもらいたい若松のまち〜

北九州市若松区は、北九州市北西部に位置する人口約79,000人の自然豊かなまち。かつては日本屈指と呼ばれた筑豊炭田から運ばれる石炭の積出港として栄え、日本の経済成長を支えたまちだったそう。そんな若松を目指すこのまち歩きは、洞海湾(どうかいわん)をはさんだ対岸にある戸畑渡船場からスタートしました。

【北九州】学生がめぐるローカルウォーキング〜若松編vol.1〜
赤く大きな若戸大橋を見上げながら、若戸渡船に揺られること約3分。若松に上陸!

じつは若松に来たのはみんな今回が初めて!
視界に飛び込んでくる建物すべてが、まるでジブリ映画に出てくるようなどこか懐かしい建物ばかり。潮風に吹かれながらノスタルジックな若松のエモーショナルな雰囲気に飲み込まれていきました。

ローカルウォーキング〜若松編〜第1回目は、若松の渡船場を降りてすぐに見つけた、まるで時代もの映画の主人公になったような気分が味わえるおすすめスポットをご紹介します。

【北九州】学生がめぐるローカルウォーキング〜若松編vol.1〜
若松の海を見ながら行き先を確認。今回はどんな探索になっていくのでしょうか

 

実は謎だらけ!?日本の近代化を支えた「旧古河鉱業若松ビル」

潮風に吹かれながらぶらりとまちを歩いていると、レンガと石造りのとても素敵な建物を発見。外壁をよく見てみると、不思議な模様が刻まれています!眺めていると、中から優しそうなおじいさんが「よかったら中を見ていきませんか?」と声をかけてくれました。

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これはなんの模様だろう?

お言葉に甘え中に入ってみると、外からは想像できないくらい広々とした部屋が。大きな窓からは眩しいほど光が入り込み、ステンドグラスがあたたかく部屋を照らす、とても素敵な空間が広がっていました。窓からは美しい洞海湾が一望できました。

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【北九州】学生がめぐるローカルウォーキング〜若松編vol.1〜
建物内にある様々な装飾。不思議な模様があちこちにありました

声をかけてくださったのは旧古河鉱業若松ビルの館長さんでした。見学後、資料室から多くの資料を取り出してくださり、その歴史についてとても深く紹介してくださいました。

【北九州】学生がめぐるローカルウォーキング〜若松編vol.1〜

旧古河鉱業若松ビルは大正8年(1919)に建てられ、石炭の受払業務を中心に古くから若松の経済の発展を支えてきたそう。

かつて石炭集積地として栄えていた若松において、旧古河鉱業若松ビルはとても大きな力を持っており、現在放送されている大河ドラマの主人公渋沢栄一や、そのほかの登場人物たちが、ここで多くの資金を得たということ。それらの資金は渋沢栄一らにも大きな力となったということ。日本の近代化に大きく関係する教育機関の設立にも貢献したこと(渋沢栄一は一橋大学を創立、安川電気の設立者・安川敬一郎らは九州工業大学を創立)

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館長さんは「現在の日本の始まりとも言える」と熱く語ってくださり、旧古河鉱業若松ビルの歴史上での重要性に一同心躍りました。

また、ビル内にあるさまざまな模様について質問したところ、じつは館長さんもしっかりとした意味についてわかっていないとのこと!100年以上たった今でも解明されていない謎がある建物として、リポーター魂が揺さぶられました。

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館長さん、とても興味深いお話をありがとうございました!

 

建設当時のままの姿で残る「上野ビル」

旧古河鉱業若松ビルの見学を終え、深い話に頭がいっぱいになった一同は、甘いものを求めて「上野ビル」を訪れました。中に入ると薄暗く、少し重々しい雰囲気。床の鳴る音が響くたびにドキッとします。

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上野海運の看板を掲げるこのビルは、旧三菱合資会社若松支店として建てられたもの。大正2年(1913)竣工とあって、ヴィンテージ風な外観、中は旧古河鉱業若松ビルと同じような大正レトロ漂う内装となっています。

【北九州】学生がめぐるローカルウォーキング〜若松編vol.1〜

【北九州】学生がめぐるローカルウォーキング〜若松編vol.1〜
レトロな階段や手すり、ステンドグラスも竣工当時そのままだそう

2〜3階にかけては吹き抜けですが、1階の天井にはステンドグラスが埋め込まれています。100年以上も前に作られたものが現存しているということに感銘を受けました。現在はオフィスやお店が入るテナントビルとして使用されているため、とても立ち入りやすい建物です。

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私たちは3階にあるAsa caféへ!
洞海湾を一望する素敵な席で美味しいケーキをいただきました。シナモンが香るカボチャプリンは、なめらかで甘さ控えめ。素材な味、という感じでした。チョコケーキは、キャラメルソースと一緒に食べると最高。雰囲気がよく、若松散策の休憩にもってこいのロケーションで、また行きたいなと思いました。

【北九州】学生がめぐるローカルウォーキング〜若松編vol.1〜

100年という歴史が今でもとても鮮やかに残っていた「旧古河鉱業若松ビル」と「上野ビル」。建物の歴史を感じることで、当時の人々と現在の北九州との繋がりも感じました。

デザインのおもしろさや不思議さに注目しながらまちを歩くことで、まだまだ謎の多い若松をもっと楽しんでみたいと思いました。 この続きは次回、ローカルウォーキング〜若松編vol.2〜でお届けします。お楽しみに!

(文:北九州市立大学 地域創生学群 片岡ゼミ

 

今回訪問した建物・お店

■旧古河鉱業若松ビル
北九州市若松区本町1丁目11-18

■上野ビル
北九州市若松区本町1丁目10-17
https://ueno-building.com/

■Asa café
北九州市若松区本町1丁目10-17上野ビル

 


まち歩きにあたって、北九州市で発行している建築冊子「ARCHITECTURE OF KITAKYUSHU 〜時代で建築をめぐる〜」を参考にしています。

リアルローカルでは5回の連載にわたって建築冊子を紹介しています。 #北九州の建築をめぐる から過去の記事もぜひご覧ください。

 

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