real local 福井福井のみなみの季節と養生 #7/10月 秋の土用と立冬「敦賀東浦みかん」 - reallocal|移住やローカルまちづくりに興味がある人のためのサイト【地域情報】

福井のみなみの季節と養生 #7/10月 秋の土用と立冬「敦賀東浦みかん」

地域の連載

2021.11.03

福井のみなみの季節と養生は、福井の南に位置する敦賀でユニットを活動する養生デザインのお二人(青木さん、山中さん)と、reallocal福井ライター牛久保で、季節ごとの養生についておはなししていく連載です。

※養生…身体の状態を整えること

10月も後半。早いものでまた秋の土用に入りました。
この土用の18日間をすぎると、立冬。ずっと暑い日が続いた今年ですが、暦の上では冬を迎えます。

福井のみなみの季節と養生 #7/10月 秋の土用と立冬「敦賀東浦みかん」
胃をいたわるためにもよく噛んで食べる

青木:早いもので季節の変わり目、土用に入りました。土用の養生といえば、どんなことを覚えていますか?
牛久保:「よく噛むこと」ですかね?
青木:正解です!毎回同じこと言うな。。と思わずに、この時期は特に食欲の秋でもあるのでよく噛んで食べましょうね。
牛:分かっていてもつい急いで食べちゃいます。
青:そんな時は、まず一口目だけ30回噛むことを意識してみてください。慣れるとしっかり噛んで食べられるようになりますよ。
牛:食べ物も美味しい季節ですね。味わって食べたいです。
青:それともう一つ。噛まずに飲み物で流し込まないように。胃のがチャポチャポする感じの人は要注意です。

喉に潤い補給して風邪から身体を守る

青木:急に寒くなりましたが、牛久保さん体調はいかがですか?
牛:肌の乾燥や、手荒れが気になってきました。カフェで水仕事が多いので・・
青木:秋が乾燥の季節とも言われています。空気が乾燥すると、肌や喉も乾燥しますね。秋の深まりとともに、よく耳にするのは咳や喉のイガイガなどのトラブルや喉風邪です。
また、今の時期に風邪を引いて長引かせてしまうと、体力が回復せず、免疫力が下がったまま冬を迎えることになります。ゆっくり身体を休め、温めて。潤い補給して今のうちに身体を立て直しておいてくださいね。

オススメはスープや鍋物。食材はレンコン、大根、豆腐、長芋です。よく噛んで身体に染み込ませるイメージで、ゆっくりじっくり味わって食べましょう。

東浦地区でみかんを育てる寿栄子さん

今月は敦賀市の東浦地区でみかん狩りの観光農園を営んでいる下野農園の下野寿栄子(しものすえこ)さんを訪ねました。

福井のみなみの季節と養生 #7/10月 秋の土用と立冬「敦賀東浦みかん」
おおらかにお話しくださる様子はまさ養生の賜物と思われる雰囲気です。

寿栄子さんは今年88歳。「100歳まではこの農園を続けたい」と話す、お元気でパワフルな女性です。海の幸豊かな地域の生まれ育ち。「幼少の頃から毎日魚の骨で出汁をとった骨汁(こつじる)を飲んでいたおかげか歯が丈夫で。病気もしてないのよ」と笑顔で話される様子がとてもチャーミングです。寿栄子さんからは「私は本当に運が良かったのよ」という言葉がたくさん出てきます。その前向きなお話に、取材した私たちが元気をいただきました。

ご主人とともに人にやさしいみかん園を

みかん農園がある東浦地区は、敦賀市内から車で20分ほど。海に面した山間の地区です。
寿栄子さんが、ここでみかんを育てはじめたのは35年ほど前のことでした。嫁ぎ先の実家で30本ほど育てていたみかん畑を、定年退職されたご主人とともに市内から通いながら整備を始めました。

福井のみなみの季節と養生 #7/10月 秋の土用と立冬「敦賀東浦みかん」
「ようこそみかん狩りへ」の旗は、針子仕事を長年していた寿栄子さんと保育士の娘さんの合作です。

「子どもや障害を持っている方にもみかん狩りを安全に楽しんでもらいたい」という思いから、段々畑になっていた土地を整備し、みかんの木を植樹。現在はなだらかな土地に200本を数えるみかんの木が植わっています。みかん狩りの合間に一服したり、赤ちゃん連れの方も休憩できるようにともともと庄屋さんだった家も改装しました。

この秋はぜひ、観光農園でみかん狩りを

寿栄子さんの農園を始め、敦賀みかん生産組合では今年は10月20日〜11月30日までみかん狩りが楽しめます。(寿栄子さんの農園はみかんのお土産付き!)

お天気の良い日は、みかんの木に囲まれて、気持ち良い秋空のもとお弁当を広げると、さらに心地良さそうです。

愛情あふれる寿栄子さんに大切に育てられたみかんは、美味しいのはもちろん甘さと酸っぱさのバランスが絶妙です。

福井のみなみの季節と養生 #7/10月 秋の土用と立冬「敦賀東浦みかん」
実がぷりぷりで食べ応え抜群でした!

独特の酸っぱさも魅力の一つである東浦のみかんで育った私たちには、このみかんが故郷の味。冬の楽しみの一つとも言える極上なみかんです。
ちなみに美味しいみかんの見分け方は、お尻の部分が柔らかいものを選ぶこと。しっかり熟して美味しいとのことです。
敦賀では、この東浦みかんを使ったビールやアロマスプレーも開発されるようになりました。みかんの効能や香りが楽しめる商品たちにも注目です。

みかんでストレス発散&風邪予防

昔から風邪の予防にも食べられてきたみかんは、胃のはたらきを助けてくれる強い味方でもあります。食欲が出ない時にも消化吸収も手伝ってくれるので食欲を引き出してくれます。
また、イライラしたり、胸がつかえる時には、めぐりを助けてくれるので、ストレスが溜まりがちで、ゲップや咳・痰がよく出る方にもおすすめです。

福井のみなみの季節と養生 #7/10月 秋の土用と立冬「敦賀東浦みかん」
寿栄子さんのみかん畑はたわわにみかんが実っていました。

これからの時期にぴったりな食べ物。ぜひ冬を元気に過ごすためにも上手に取り入れてみてください。