登山家のためのザック
登山用品メーカー/神戸ザック
アウトドアショップに並ぶ、ザックを眺める。
大抵は、どれも海外のブランドのものだ。
機能性は素晴らしいが、日本人の自分の身体にはどうもしっくりこない。
「日本人の自分の身体に合うザックが欲しい。ないなら自分で作ってやろう。」
そんなふうに、20代の星加さんは思った。
神戸の長田にある小さな工房で、42年作り続けられている神戸ザックをご存知でしょうか。
神戸ザックは、店主の星加弘之さんが1971年に創業して以来、約40年に渡ってオリジナルザックの製造・販売をされている登山用品店・オリジナルザックメーカーである。
星加さんが山に出会ったのは19歳の頃。
初めは、ユースホステル協会の行事参加など、今でいう山にハイキングに行き、ログハウスでフォークダンスをして遊ぶような(星加氏いわく、健全な野外活動・・)だったのが、当時勤めていた会社の登山部入部をきっかけに、雪山縦走など、雪山で何泊もテントを張るような本格的な登山にのめりこんでいったそうだ。
その頃、毎週末友人を誘っては、山に行っていた星加さんは、当時の日本で手に入る、既製品の装備品では満足出来ず、給料をつぎ込み東灘にあったトモミツ縫工で、オリジナルをオーダーし愛用していたそう。
ついには、当時、勤めていた大企業を辞めて、トモミツ縫工に弟子入り。
3年働いた後、自宅の裏の小さなプレハブ小屋からオリジナルのザックを作り始める事となる。
神戸ザックでは、型を起こすところから、縫製まで全ての工程を手作業で行っている。
登山家である星加さんが大切にしている「長時間、重いものをかついでいても、安定し疲れにくいザック作り」には、妥協は一切なく、神戸だけではなく全国からこの小さな工房を目指してやってくる登山家の方が多いそうだ。
その中には、身体の採寸を行って作るような、特殊なオーダーを受ける事も多い。
最近では、カメラマンさん用に7~8Kgもある三脚がすっぽり収まるザックを特注で作られたそうだ。
小さな工房の手前にある、小さなお店のスペースに所狭しとランダムに置かれたザックを、ちゃっかりいくつか背負わせてもらいました。
肩にフィットする感覚と、背中の当たり具合。とにかく背負い心地が良い。
見ているだけでは分からない、背負ってこそ分かるこの感覚。
ちょうど居合わせた登山家の奥様に「似合うわね〜。」なんて乗せられつつ。
今年の冬の旅用にオーダーしてしまいました 笑。
約40年経った今も、社員5名で、一つ一つ丁寧に手仕事で作られている神戸ザック。
今では、星加さんのザックに魅せられた若いデザイナーの方と一緒に、街用のザックも作っている。
けれど、星加さんの姿勢は変わらない。
「やっぱり、私はザックを登山に使ってもらえるのが一番嬉しいですね。」
登山家が作るザック、全国の人に教えたい神戸の自慢なんです。
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住所 | 神戸市長田区日吉町3-1-31 カナゾノビル2F 営業時間 10:00~20:00 |
TEL | TEL:078-621-5851 FAX:078-621-3528 e-mail : hoshika@d6.dion.ne.jp |