real local 山形ゲストハウスで働きながら移住体験/秋元雄喜さんの場合 - reallocal|移住やローカルまちづくりに興味がある人のためのサイト【インタビュー】

ゲストハウスで働きながら移住体験/秋元雄喜さんの場合

2021.11.10

山形市大手町にあるゲストハウス「ミンタロハット」。そこには「フリーアコモデーション」という制度があり、ヘルパーとして清掃やベッドメイキング、ゲストの案内などゲストハウスの運営を手伝う代わりに、3食が付いて無償で滞在することができます。

山形市にはほとんど縁がなかったという秋元雄喜さんが、縁あってミンタロハットを訪ねたのは2020年12月のことでした。そこからすぐにヘルパーとして働き始めて、もうすぐ1年の月日が過ぎようとしています。ゲストハウスで暮らしながら働くという、ある種の移住体験ともいえる時間。現在の山形暮らしにて日々感じることについてうかがいました。

≫ミンタロハットについて、オーナーの佐藤英夫さんのインタビューはこちら。

ゲストハウスで働きながら移住体験/秋元雄喜さんの場合
ゲストやオーナーからは「ゆうちゃん」の愛称で親しまれている。

出身は栃木県那須郡です。去年の始めまで栃木で働いていたのですが、仕事を辞めることになり、次はどうしようかなと考えていました。そんなとき、友人を通じてミンタロハットの常連さんと知り合うことになり「ミンタロハットにはいまヘルパーがいないから、暇だったら行ってみたら?」と提案を受けたんです。

その常連さんを通じて問い合わせてみると、履歴書も面談もなく「とりあえず来てみて。待っているよ」とオーナーの佐藤さんに言われて。訪れてみたところ素敵な場所だなと思って、そのまま働くことになりました。山形市を訪れたのはそれが初めてでしたが、気づけばもうすぐ1年が経ちます。

ゲストハウスで働きながら移住体験/秋元雄喜さんの場合

毎日ゲストのみなさんをお迎えしたり、「ゆんたく」という夜の交流会の準備をしたり、部屋の案内をしたり、夜にはゲストのみなさんと一緒に時間を過ごしています。翌朝にゲストを見送ったあとにはリネンの交換をして部屋を清掃するのも主な仕事です。このゲストハウスのほか、掛け持ちで市内でバイトもしています。

ここは働く場所であり、家でもあり。毎日いろんな人が来ていろんな話を聞いて、ゲストハウスのスタッフでありながら、逆に山形の良さをお客さんから教えてもらっていますね。お客さんや遊びに来る地元の方たちと話ながらお酒を飲んだりするのも、すごく好きな時間です。

ゲストハウスで働きながら移住体験/秋元雄喜さんの場合
キッチンには、調理器具一式やトースター、炊飯器、共用の冷蔵庫が備わっていて、自炊しながら宿泊することができる。

暮らしていて思うのですが、山形は河原が最高です!ミンタロハットから歩いて20分くらいのところに馬見ヶ崎川がありますが、川沿いの遊歩道を歩くだけでも楽しいし、芋煮文化があるので、トイレが充実しているし水道も多いし、火も使える。気軽にデイキャンプができちゃいますね。県外の河原では禁止事項が多いと聞くので、この充実した河原は山形で暮らす人の特権だと思います。

ぼくは車がないので市内を歩くことが多いのですが、ゆっくり街を見ていると、蔵やお屋敷など、街中に古い建物が残っているなぁと思います。銅町に行けば鋳物屋さんがあったり、お寺や刃物さんがエリアにかたまっていたり、昔ながらの町割りが残っていて、歩いているだけでもおもしろいですね。山形市は空襲で街が焼けなかったから、こんなにいい風景が残っているのだと聞きました。

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ミンタロハットのナツコちゃん

この先の働き方、暮らし方についてはまだ考え中です。ひとまず今年は冬になったら、西表島にさとうきび収穫のお手伝いをしに行きます。それもミンタロのゲストの方に繋いでもらった仕事で、4ヶ月半ほど働きに行く予定です。だけど住民票はここにあるので、また戻ってきます。いつでも山形に帰って来られる場所があるのは、すごく嬉しいことだなぁと思っています。

写真:伊藤美香子