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「実は神戸は豊かな漁場だった。」MAP配布スタート!

配布情報

2021.11.12

六甲山のミネラルウォーターと明石海峡からの海の流れが合流する神戸空港付近は魚がたくさん獲れる良い漁場なのです。神戸の魚が買える場所がわかる地図の配布がスタート!

「実は神戸は豊かな漁場だった。」MAP配布スタート!
六甲山系やその北側にある田畑から流れる水が神戸沖に大変良い漁場を作り出していた。神戸は魚が美味しい街であり、そうした食文化を守っていこうという趣旨の地図「実は神戸は豊かな漁場だった。」の配布がスタートします。

神戸の浜といえば、ポートアイランド/神戸空港などの人工島、行き交う貨物用フェリーや大型の観光船、それから船の着岸するドックや造船所というイメージが強い。しかし、そのイメージとはまったく違い、実はとても豊かな漁場で、魚介類がたくさん獲れるとても自然豊かな海だったのです。そのことは、あまり認識されていません。実際どうなのかいろいろと調べてみました。

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神戸の海といえば観光船、コンテナ船、造船所のイメージが強いですが、そこら中で魚を釣っている人を見かけます。

まずは一般的な釣り具店に行ってみました。店内をのぞいてみると、おすすめの漁場がいくつも紹介されています。ちょい投げという方法で魚が釣れるという店内掲示も。確かに垂水の海辺では堤防付近で釣り人をよく見かけます。そういえば、日本で最初に桟橋での海づり公園ができたのが須磨と聞いたことがある。昔から、神戸市民は釣りに親しんでいたのかもしれません。まさか「キス」や「アジ」「アオリイカ」が釣れるなんて……。ネットで調べてみると確かに神戸市界隈には釣り具店の数が多いようです。

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EAT LOCAL KOBEの活動では、須磨海岸で毎年地引網をするイベントをすまうら水産の漁師さんの協力のもと行っています。
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いつも海水浴をしている須磨海岸で地引網を行うのですが、毎年びっくりする量の魚を引き上げることができます。

潮の出入りがあるところが良い漁場

地元の漁師さんに神戸はどういう漁場なのかを聞いてみました。「実は神戸沖、特に神戸空港付近はとても豊かな漁場なんです。基本的には、湾の入り口付近に潮の流れが生まれ、その付近はプランクトンの動きが活発になり、良い漁場になります。大阪湾でいえば、紀淡海峡に近い洲本沖、和歌山沖は良い漁場だし、明石海峡に近い岩屋、明石も魚の町として有名です」との回答。

神戸沖は(明石海峡付近から)大阪湾側からの潮の流れと播磨側からの潮の流れが生まれる時間が1日に数回あり、時間によって東西方向の流れができる。これを須磨沖はん流と言います。この須磨沖はん流という潮の流れが神戸沖、特に神戸空港沖にあり、もう一つの栄養素の流れである六甲山からのミネラルウォーターと交わり、豊かな漁場になっている。六甲山には広葉樹が多く植えられており、その枯葉から出来る豊富な腐葉土が、流れる水に微生物を育てる機能を持つ。海の水が蒸気となり、六甲山系に雨をもたらし、土のミネラルが川や地下水経由で海に運ばれる。山からのミネラルが海の植物性プランクトンと動物性プランクトンを育み、それが小魚を育てる。つまり、ここにはたくさんの海の栄養素が集まっているのです。

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基本、湾の出入り口は、良い漁場になる。明石、淡路、和歌山沖はイメージ通り良い漁場ですが、神戸沖も良い漁場だったのです。

この付近に海の栄養素が多いことを示すもう一つの証明が、海苔の養殖が盛んだということ。海苔の養殖など海の栄養素が豊富にないと出来ないと言われているのです。海苔は須磨海苔が有名で、神戸市内の須磨・塩屋・垂水で養殖が行われています。神戸港に航行船が入るため兵庫・長田の沖では海苔業はしていませんが、実際には海苔の養殖ができるぐらい豊かな海なのです。

実は、その昔、尼崎でもかつては江戸に献上するような良い魚が獲れたのだとか。高度経済成長期を経て、尼崎〜神戸市中央区付近までの漁村はなくなってしまいましたが、今もその辺りの海が良い漁場であることには変わりありません。

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須磨海岸の横には海苔工場があり、須磨海苔が生産されています。
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すまうら水産さん主催のわかめオーナー制度。毎年、参加させていただいています。

神戸沖でよく獲れる海産物

では、神戸沖ではどのような海産物が獲れるのでしょうか。

タイ、サバ、ハマチ、タチウオ、ヒラメ、チリメン、イカナゴ、エビ、アナゴ、タコ、ハモ、サザエ、アワビ、ナマコなど。寿司のネタになりそうなものはなんでも獲れます。

今現在、プロの漁師が神戸市には約200名活動されていて、7つの漁港と船だまり(兵庫、長田、東須磨、須磨浦、塩屋、垂水、舞子)があります。その規模はどの程度なのでしょうか。比較対象として漁業が盛んなことで一般に知られている淡路市の漁業者の数を調べてみました。淡路市には14の漁港があり、約400人の漁師が所属しているそう。その数字と比較すると神戸市にも淡路市の半分ぐらいの数の漁師がおられ、毎日たくさんの魚が水揚げ水揚げされていることがわかりました。

実際、神戸沖の漁場が良いので、明石や淡路の漁師が神戸沖まで獲りにくることも多いのだとか。つまり神戸は、淡路島や明石と同等と言っても良いぐらい漁業が盛んで、良い新鮮な魚が手に入りやすい街だったのです。

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神戸の海では、主に底引き漁、船曳漁というやり方の漁法が取られており、記載のような魚介類が獲れます。

神戸で水揚げされた魚を食べよう

予想できることではありますが、神戸沖で獲れて神戸で水揚げされた魚で良質なものは「神戸産」ではなく「兵庫県産」というラベルが貼られています。そして東京・豊洲や京都の市場経由で料理屋に運ばれて流通している。おそらく東京や京都の料理屋さんでは、こうした魚は「明石や淡路で獲れたものです」と言われて食されているのではないでしょうか。

本来「神戸産」の魚も同じ大阪湾の有名ブランドである明石や淡路島とほぼ同じ漁場。「神戸」も魚が美味しいエリアとしてのブランド力が高まってほしい。そして多くの地元民が神戸の魚を好んで食べるようになってくれると良い。というのも、年々この付近では漁獲量が下がっており、漁師さんたちは、海を守り育てる活動を行っています。海底を耕す活動であったり、干潟を増やす活動やビーチの清掃活動など。また魚を育むことのできる海というのは、山や、農村の土からくるミネラルを吸収した水があればこそだと言われます。「山」「海」「田畑」は、一つにつながっている。つまり六甲山の植樹環境や農村の土の環境を守り育てることが、海を守り育てることになるのです。

我々が、神戸の農家から野菜を買い、神戸の魚屋から魚をちゃんと買うこと。つまりEAT LOCAL KOBEという言葉の通り、地産地消という当たり前のことが私たちの未来にとってとても大切なのです。漁業、農業、林業などの第一次産業に関わっている方々の収入が安定し、持続可能な農業・漁業の営みが可能になること(&林業も大事)、それが神戸の大自然を守り維持していくことにもつながっています。

神戸の魚が買える魚屋はココ!という地図をつくりました。

じゃあどこで神戸の魚を買ったら良いのか?漁師さんにお聞きしてリストをつくってみました。飲食店の方々が仕入れにも行く中央区の東山市場やマルシン市場。あと板宿や須磨、垂水、塩屋も漁港との距離も近く、神戸の魚が手に入る魚屋が多くあります。

神戸の魚が買える場所が書いてある地図の配布をスタートさせました。これから、市内各地で配布していきます。まずは、FARMERS MARKETやFARMSTANDには確実に置いてある状態にする予定。無料冊子ですので是非この機会に手にとってみてください!

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配布スタートする地図の中面。なぜ豊かな漁場なのか、神戸の魚が買える魚屋を紹介しています。
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神戸の魚を取り扱う東山商店街にある明石屋丸徳。
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何気ない海の風景ですが、実は魚がうようよ泳いでいます。