とかいなか北九州〜前編〜
地域の連載
北九州のリアルな魅力を見つけ出すこの企画。
北九州に住む現役大学生や県外から訪れた方が実際にまちを歩き、人や建物と出会いながら、北九州のよさを見つけていきます。
今回、小倉のまちについてレポートするのは、西南女学院大学 人文学部観光文化学科で観光産業や地域活性化を学ぶ学生たち。前編は、小倉の台所、旦過市場や商店街をご紹介します。
歩く場所によって時代が変わる街・北九州市小倉
北九州市内で最も栄えているエリアとも言える小倉。市内で最も大きな小倉駅は、一日あたり延べ2万5千人(2020年度)が利用しています。商業施設やオフィスビルもあり賑やかで近代的です。駅に近づくほど人の流れは速く、人口密度も増しているように感じます。
しかし、小倉には川があり城があり広い公園も。旦過市場や商店街には小さなお店が立ち並んでいます。駅周辺と比べると落ち着いた雰囲気で、時間の流れを遅く感じるほどです。
今回、大学での学びを活かし北九州市の魅力を発信するために、まち歩きイベントを企画・実施することになりました。その中で、北九州市は私たちにとって最も身近であるからこそ、これまで、まちの表面的な部分だけを見ていたと気づきました。
慣れ親しんだまちで、視点を変えて歩くことで感じたことを私たちの目線で紹介していきます。
人と人を繋ぐ“ゲストハウス”
イベントのスタートは「タンガテーブル」。このイベントを通して初めて訪れたのですが、スタッフの皆さんが笑顔で接してくださり親しみやすく、とてもリラックスして参加できました。
人との繋がりを求めて来られる宿泊者の方も多いそうです。私たちもゼミのみんなと仲が深まったような気がします。この企画を提案してくださった皆さまに感謝感激です。
地域に根ざした“旦過市場”
昭和レトロなお店が並ぶ旦過市場。小倉駅から徒歩10分程に位置しているこの市場は、歴史が長く、始まりは大正時代からだと言われています。今にも崩れてしまいそうな屋根や金箔が取れすっかり古くなった看板から当時の時代がうかがえます。そして、最近ではカフェやケーキ屋といった若者向けのお店がオープンしていて、“古い”と“新しい”が混在しています。
いま旦過市場では再開発の話しが進んでいるそうです。小倉のまちが生まれ変わり、新しい施設ができるのは、楽しみでもありワクワクしますが、今のような古い歴史を感じることも、見ることもなくなってしまうのが残念です。
声をかけてくれる親切な方や手を振ってくれる陽気な方のように親しみのある市場は、都道府県どこを探してもそう簡単に見つかるものではないと思います。なくなってしまう前に、何度も通って、私たちの心に残るような思い出を作りたいものです。
心から安らげる“船場広場”
新鮮な魚や揚げ物の食欲を誘うようなにおい、ひとやすみしたくなるようなコーヒーのいい香り。旦過市場を歩いていると色々なにおいが漂ってきて、食べ歩きをしたくなります。
ひときわいい香りだったコーヒーとカレーパンを購入し向かった場所は、小倉井筒屋のとなりにある船場広場。ここは、かつて旧小倉ホテルが建っていた場所ですが、今は当時の跡形もなく、近代的なキッチンカーが並んでいます。レモネードやパニーニなどのオシャレで彩りのある食べ物ばかりです。
購入したものをその場で食べることができるように、ベンチが常設されています。コロナ禍で、気軽に遠出しづらくなっている中、ここではピクニック気分をまちなかで味わうことができます。船場広場は私たちに”憩いの場”を提供してくれています。
都会?田舎?
今回のまち歩きを通して「小倉という街は、“古い”と“新しい”が混在した感慨深い街」だと感じました。旦過市場から少し歩いただけなのに、こんなにも都会を感じる船場広場。歩く場所によって時代が変わる街とは、小倉のことを指しているのかと思うほどです。
北九州市民だから知っているのではなく、地元に住んでいるからこそ、見過ごしていたのかもしれません。
是非これを機に、みなさんも旦過市場に足を運んでみてください。時代の変化を感じながらまちを歩くことができると思います。私たちももう一度、意識して地元を歩いてみようと思いました。
まちあるきの次は北九州市立水環境館にてカヌー体験です!そちらの記事も是非ご覧ください。
今回訪問したお店・場所
■ホステル&ダイニング タンガテーブル
北九州市小倉北区馬借1丁目5-25 ホラヤビル4F
■KOKURA堂
北九州市小倉北区魚町4丁目1-22
■BENNY’S COFFEE
北九州市小倉北区魚町4丁目1-18
■船場広場
北九州市小倉北区船場町3丁目10
■レモネード専門店 Ale and ade
北九州市小倉北区船場町3丁目10