TOP > 金沢 > 店 

TOP » 金沢 » 金沢の街でお肉を選ぶのが楽しみになる店／NIKUO 中谷精肉店

• Facebook
• X
•  views

あの地元で愛されてきた町のお肉屋さんが、さらに進化していると評判です。

日々の食材のお買い物は、どこでしていますか？　何でも揃うスーパーマーケットや24時間営業のコンビニでしょうか。商店街の八百屋さん、魚屋さん、肉屋さんを回って買い物をするスタイルは、全国的に少なくなっているかもしれません。しかし、昔からの暖簾を守り続ける老舗や、新しいスタイルで食の提案をする魅力的な専門店が、金沢の街にはまだまだあります。

昭和25年（1950年）に金沢市森山で創業した「中谷精肉店」も、そんなお店のひとつです。地元で愛されてきた町のお肉屋さんですが、近年は「美味しくてお洒落なお肉屋さん」といわれ、2021年10月に金沢市神宮寺に新築移転した「NIKUO 中谷精肉店」がさらに進化していると評判です。

70年前から「品質本位」で「ハイカラ」な３代続く和牛専門店

「うちは70年前に祖父の中谷仁太郎が創業した和牛専門店です。当時の金沢は魚を食べる人の方が多く、肉を食べる習慣がまだ多くありませんでした。富山県の五箇山出身で、金沢で蒲焼店をしていた祖父は『これからお肉の時代がくる』と確信し、駅前の精肉店に修業に入り、独立して肉屋を開業しました」と店の歴史を話してくれたのは、３代目の中谷明博さん。

３代目として店を受け継いで5年目、明博さんは2016年に子供の頃からのニックネーム「ニクオ」を店名に掲げた「NIKUO 中谷精肉店」としてリブランディング。そのリニューアルから、わずか５年で売上を３倍に拡大させました。

「創業時から一貫して大切にしているのは『品質』です。2代目の父の時代は、食の安全基準の変化やスーパーの台頭に押されたりもしましたが、A4・A5ランクの国産和牛にこだわり続け、『いいもの、美味しいものを適正価格で』をモットーに、創業時からの姿勢を守り続けました。そのモットーは自分の代になっても大切にしています」

現代的な「ブッチャー」にリニューアル

いいお肉、美味しいお肉を適正価格で。消費者にとって嬉しいことですが、それを理解してもらう、伝えるのはなかなか難しいこと。短期間で飛躍的に売上を伸ばした背景には、品質はもちろん、リニューアルによる店構えやブランディングの影響が大きいようです。

「ひがし茶屋街にも近い森山は、古くからの住宅地で、買い物に来てくださるのはご近所の年配の方が多かったのですが、若い人にもお肉のことをもっと知ってもらいたい、食べてもらいたいと思った。だから、森山の店舗を現代的で外国のブッチャーショップのような店に改装し、品揃えや見せ方なども工夫しました。それをさらに発展させたのが、神宮寺に移転オープンしたこのお店ですね。

ご家庭でも本格的な焼肉を楽しめるように、いろいろな部位を取り揃えています。ホルモンは一般的に劣化が早く、生で直接購入できる店は多くありません。うちは和牛を一頭買いし、店内で部位に切り分けているので、焼き肉用の部位が15種類以上、ホルモンも約10種類と、希少な部位も余すことなく提供しています。それらを美味しく食べてもらいたいので、部位や食べ方の説明書を添えています」

テイクアウトや惣菜が充実

店内には生肉の販売以外に、冷蔵ケースいっぱいに餃子や焼売、ハムやサラダなど日常使いできる惣菜やチルド商品が並んでいます。忙しくて料理をする時間がない、料理が苦手、一人暮らしなので少量で充分、なんていう方はぜひ試して欲しい。自宅の冷蔵庫に常備したい、安心して食べられる手作りの味が揃います。

また、店内右手にはテイクアウト専門のキッチンもあり、コロッケやカツ、唐揚げ、春巻きなどが購入でき、オードブルの予約注文もできます。テイクアウトはWEBサイトから事前決済・受け取り時間指定で予約すると、待ち時間なしで熱々を持ち帰れます。

なかでもテイクアウトの目玉は、主計町にあったフランス料理店「流寓LUGU」の「ロースカツサンド」と「ビーフカツサンド」。NIKUOのお肉を使用した、シェフ特製のリッチな味わいと食感のカツサンドが、ここで購入できるのです。

「お買い物が楽しくなるように、オリジナルの保冷バッグを作ったり、オリジナルの贈答用パッケージやカタログ販売なども揃えました。ロゴやパッケージは信頼できるデザイナーさんにお願いしていますが、そのやりとりは妻の恭子が担当しています。デザイン・センスを褒めていただくことが多いのですが、デザイナーさんと妻のおかげですね」と明博さん。

今回の移転オープンに際し、コロナ禍によって「巣ごもり需要」が高まり、自宅で普段よりもいい食事をとりたいというニーズに応え「スパイス事業」も強化したそう。スパイスは食べるとき、調理するときにかけるだけで、いつもの料理や食材を「ごちそう」に変えてくれる優れもの。

地元のハーブ農園「ペザン」とコラボしたオリジナルのハーブソルトや、スパイスを使った「ハーブソルトチキン」「タンドリーチキン」などの惣菜品が開発され、今後もオリジナルスパイスは種類を増やしていく計画なのだそう。

姉妹店の「nikuo CIRCUS」は惣菜がさらに充実

金沢市小橋町には、2020年にオープンした姉妹店の「nikuo CIRCUS（ニクオサーカス）https://nikuo.jp/circus 」があります。「子供たちに毎日食べさせたい 無添加で栄養豊富な手作り冷食専門店」をコンセプトに、中谷精肉店のお肉をベースにした手作りしたフローズンフード（冷食）専門店です。

築100年以上の古民家を改装した店内に、50種以上のオリジナル冷凍食品が並びます。厳選したお肉や加賀野菜など、地元の食材をふんだんに使い、化学調味料は無添加です。オリジナル商品のほかにも「流寓LUGU」のシチュー、香林坊のピッツェリア「SALINA」のピザなど、人気店の冷食も揃え、店内の冷凍食品は100種を超えます。

店内にはキッチンがあり、「メンチカツ」や「春巻き」などの店内商品を揚げたてで提供しています。電話注文するとランチや夕飯のおかず、おやつに揚げたてを待たずにテイクアウトできて便利です。これだけの品揃えがあるので、冷凍食品だけでパーティーができちゃいますね。

本店の「NIKUO 中谷生肉店」も、高級な和牛専門店で少し敷居が高いのかと思いましたが、デイリーに使えるお惣菜も豊富で、品質もパッケージも素晴らしいので、ギフトにお肉という選択肢も増えますね。記念日などの特別な日や、頑張ったご褒美にステーキを！なんて日には間違いないお店。そして日常のお買い物にも、行きつけにしたいお肉屋さんです。