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【山形 / 連載】穏やかな休日のための音楽12

地域の連載

2021.12.25

「穏やかな休日のための音楽」では、毎回山形に縁のある南米のアーティストとそのアルバムを紹介しています。

一昨年の4月、ブラジル音楽界の巨星ギンガ(Guinga:ギタリスト/作曲家/歌手)を迎えて行われた「ギンガ&モニカ・サウマーゾ山形公演」は、北は北海道、西は広島から、遠方からのファンも山形を訪れ大盛況のコンサートとなりました。

もちろんギンガの初来日ということもあったのですが、さらに現在のブラジルを代表する歌手モニカ・サウマーゾ(Mônica Salmaso)と、ブラジル最高峰の管楽器奏者テコ・カルドーゾ(Teco Caldoso)とナイロール・プロヴェッタ(Nailor Proveta)が共演するということもあり、ブラジル音楽ファンはこの時期、まるで熱に浮かれるような状態にあったのです。

【山形 / 連載】穏やかな休日のための音楽12
右からギンガ、モニカ・サウマーゾ、ナイロール・プロヴェッタ、テコ・カルドーゾ

そのジャパンツアーの東京公演のライブ録音が一昨年末にまず日本でリリースされ、その後ブラジルでもリリースされ、ブラジルの新聞でも紹介されたそうです。

その記事の冒頭で、モニカが山形での山ブラ会員たちとの交流の場面(打ち上げですね)について述べています。

【山形 / 連載】穏やかな休日のための音楽12

私はさっぱり読めませんので、知人に訳してもらいました。
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歌手のモニカ・サウマーゾは、日本の北部の山間に位置する山形という街で、ブラジル音楽を楽しむ会のリーダーである方からいただいた言葉を大切に記憶している。彼女と、ギター奏者のギンガ、フルート、サックス奏者のテコ・カルドーゾ、クラリネット奏者のナイロール・プロヴェッタは、2019年4月に日本ツアーの最初の公演を終えたところで、夕食会に招待された。挨拶があり、プレゼントなどが贈られ、会のリーダーである、お医者さんが言いました。「遠く離れた、文化の異なるふたつの国で、言葉も、歌詞の意味もわかりませんが、(歌を聴いて)不思議と幼少の頃の情景が浮かんでくるようで、感動しました。」。
(訳:Nanci Lissa Miyagasakoさん)
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文中に会のリーダーで医師(おそらく私のこと)が挨拶した、とありますが、これは根岸吉太郎監督(東北芸術工科大学理事長)の間違いです。私、こんな美しいこと言えませんし、元々この日あと片付けで遅くなってしまい、挨拶はしていませんから。

多分髪の毛がまっ白な東洋人のオッサンが二人いて、モニカにはどっちがどっちか区別が付かなかった、あるいは同一人物だと思っていたのではないかと思われます。いずれにしろモニカにとって印象深い公演になったのであれば我々にとってもこの上ない喜びですし、素敵な挨拶をしていただいた根岸監督に感謝いたします。

【山形 / 連載】穏やかな休日のための音楽12
打ち上げは、今はなき丸八の香味庵にて。ギンガはお疲れで早々に帰宿。

ということで本日紹介するのは、「GUINGA & MONICA SALMASO & TECO CARDOSO & NAILOR PROVETA (ギンガ&モニカ・サウマーゾ&テコ・カルドーゾ&ナイロール・プロヴェッタ) / JAPAN TOUR 2019」というアルバムです。

彼ら4人の歴史的な日本公演を焼き付けた記念碑的作品です。あの公演の空気をこの上なく再現した、恐るべきクリアーな音はSeigen Onoさんによるものです。別世界ともいうべきマジカルな公演を余すことなく捉えている素晴らしいライブ録音です。もちろん四人全員が素晴らしいのですが、やはりギンガの創り出す世界に改めて魅了された公演でした。穏やかな冬の日に、暖かい部屋でじっくり聴いていただきたいアルバムです。

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視聴リンク(YouTube)