築40年超、夏型中古をあきらめない
※終了しました。
別荘とペンションと定住者住宅が点在するさほど寂しくない森の一軒家「井富停留所」
新しい入居者を募集中です。
元々の建物は築40年を超えた主に夏、清涼な気候を求めた避暑目的に建築されたと推測されます。
約50㎡の床面積に和室2間とLDK、当時としてはスタンダードな間取りの家。しかし、南面の4連掃き出し窓や各方角に大きく開いた窓は全てアルミのシングルガラス、断熱材は壁だけ、しかも薄い。
当時としてはスタンダードな仕様だったのですが、都会暮らしに慣れた私たちにとって、標高1140mの厳冬期(-10〜-20度)を乗り切るには、やはり脆弱過ぎる断熱性能です。
ただ、この家が特別というわけではなくて、バブル期以降に森を伐採して開発された別荘分譲地に建つ多くの家が同様で、当時の断熱性能に対する認識の違いはあっても、基本通年使用、定住を想定してはいなかったのでしょう。
因みに、八ヶ岳エリアが突出して空家率が高い理由の一つは、当時建築された別荘の多くが使われなくなり放置されていることだと言われています。
現在、こうした別荘は比較的安く売りに出ているのですが、通年使用に耐えうる、また汲み取り式のトイレを浄化槽を設置して水洗化する、などの設備更新等を含む改修工事には、高額(新築並み)の費用を要するため、なかなか流通されず空家化してしまうという負のスパイラル状態に陥っています。
なんとかなるのでは、と内見しても、工務店や建築系の知人に相談するとう〜んとなって、まあお金がかかるんだなと、二の足を踏まざるを得ないそんなタイプの物件群です。
この家も例外ではなくて、3年前にこの建物に出会った時、私もう〜んとなりました。典型的な断熱性能の低い汲み取り式トイレの家でした。
しかし、古民家でもない築浅の家でもないこのようなバブル期の遺産的建築ストックをなんとかできれば、八ヶ岳で中古戸建を探している方に勇気を与え、且つ別荘空家問題を改善する希望につながるのではないかと思って、改修にチャレンジすることにしました。
果たして完全夏仕様の建物を設備更新も含めて定住可能な家に改修できるのか。それも新築よりもコストをかけずにと。
そうして誕生したのが、この「井富停留所」です。
一般的な建築・改修のセオリーとは乖離している点も多々ありますが、なんとか実現できたのではないかと思っています。
ここは、八ヶ岳の森に移住を検討している人たちに向けた実験住宅でもあるのです。四季を通じてこの家の性能や地域の暮らしと仕事を体験していただくと同時に、大量に存在する古い夏型別荘改修の事例として積極的に参考にしていただきたいのです。
所在地 | 山梨県北杜市大泉町西井出7337-8 |
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面積 | 49.68㎡ |
建物構造 | 木造 |
取引様態 | 媒介 |
築年 | 1981年(2020年改修) |
情報登録日 | 2022年2月15日 |
設備 | 公営水道/合併浄化槽/プロパンガス/薪ストーブ/エアコン/ガスファンヒーター/冷蔵庫/洗濯機/薪棚 |