【金沢】ホビーとしてのご機嫌な移動販売車/「くまのこ四輪珈琲」
ショップ情報
2017年に関東から金沢に移住した栗原伸二さん。本業はホテリエ(ホテルマン)をしていますが、休日には自ら改修した古いワゴン車で珈琲店を営んでいらしゃいます。
金沢R不動産が企画・仲介・管理を担当している「里見町アパートメント」のフリースペースにて、週一回ほどのペースで出店してくださっている「くまのこ四輪珈琲」さん。金沢に惚れ込み移住して早5年。本業の傍ら、休日になると移動販売車での珈琲店を開いておられます。軒先では中古CDのガレージセールなども。店主・栗原さんはといえば、いつ訪れてものんびり陽気でいい感じ。
今回は「商売」じゃない、「ゆるゆるご機嫌な、ホビーとしての移動販売の楽しみ方」をご紹介。
2017年に金沢に移住するまでは、長年、販売・営業のサービス業を中心に大手外資系CD販売店にも勤めていた栗原さん。金沢に住むことになったのは、そんなサラリーマン時代の転勤がきっかけでした。「古い建物が残っているのはもちろん、町割りまで昔のままの姿をとどめていることに感激して」。
転勤終了後一度関東に戻ったものの、思いがけず心奪われた金沢の街が忘れられず、えいや!と移住を決意します。
金沢移住を心に決めた時、もうひとつ栗原さんの心にあったもの。それは「自分で何かやってみたい」という想いでした。
「サラリーマン時代、よく『接客が長い』って怒られてたんですよね(笑)。人と話すことが大好きだったので、音楽や物についてつい語ってしまう。大手は効率重視なのでもちろんそれは仕方ないことなんですが、そんなときに『だったら自分でやったらいいのでは?』と思い立ったんです。自分でやる分には、誰からも何も言われない。新たな地に移住するなら、こちらの方も挑戦もしてみたくて」
栗原さんの現在の本業はホテリエ。それ以前は市内のパン屋さんや飲食店でも働き、お店を営むことの大変さも感じていました。
「自分でやるにしても、お店を持つのはハードルが高い。だったら、移動販売なら始めやすいかなと」。まずは深く考えずに「とりえず始めちゃえ!」と移動販売に使うワゴン車を中古で探して60万円で入手。飲食業ができるような仕様にするためには改修に結構な費用がかかることが判明し、自分でDIYすることを決意。
「休日の度にホームセンターに買い出しに行っては、一人でコツコツ改修していきました。途中からそれ自体が楽しくなっちゃって。完成したときは何だか寂しかったくらい(笑)」と、改修それ自体もいつのまにかホビーに。
お店の看板はコーヒーやクラフトドリンク。そしてワゴンの前では中古CDのガレージセール。中には「0円」のCDも…?
「サブスクの時代にCDなんて、と思われるでしょうけど、こういった“CD”にしか入ってない曲というのもあって。マニアックではあるんですけれど、価値がわかる人にはわかる。そういった音楽好きにお譲りできたらなと」
コーヒーやドリンク、中古CDなど、あくまで「商品を販売する」という形をとっているけれど、栗原さんにとってはこれらは「お客さんと話ができるきっかけ」なんだそう。
「最初に務めた雑貨店の先輩に『僕らは“物”を通して“サービス”を提供しているんだ』って言われたことがあったんですけれど、この言葉は今でもよく覚えていて。結局僕がしたいのは、そういうことなのかもしれないなと」
「だから自分にとって、これは休日の延長というか、“商売”じゃないんですよね。家でボーッとしているより、こうやって人と話ができたら幸せだなと。『いつかは店舗を!』とかも、全く考えてないんです」と笑う栗原さん。
「これからはいろんな人とコラボもしていきたいし、バンドのツアーTシャツのように“くまのこ”のグッズもつくりたい」と、これからの「やりたいことリスト」と語るその目は輝いていました。
「趣味を仕事にするな」なんてひと昔前はよく言われたものですが、人生を豊かにするために、積極的に「仕事」の型を使う。そんな在り方も素敵だと思うのです。
人生を楽しむツールとしての、気軽に始める移動販売、ご興味のある方はぜひ栗原さんのもとを訪ねてみてくださいね。
(※出店スケジュールはインスタにて)
名称 | くまのこ四輪珈琲 |
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URL | ≫「くまのこ四輪珈琲」インスタグラム |