「おもてなしの街・郡山」にBAR文化をもっと広めたい。 サトー酒店 佐藤伸行さん
インタビュー
「まちにもっとBARやお酒の文化を広めていきたい!」という思いを持つサトー酒店の佐藤伸行さん。そんな思いを聞くうちに、BARやバーテンダーのイメージがみるみる変わっていきました。
郡山は「おもてなしの街」なんですって!
みなさん、「BAR」にどんなイメージを持っていますか?
学生である私にとって、「BAR」は正直、あまり親しみのあるものではありません。踏み入れる勇気がないどころか、生まれ育った郡山のまちにどんなBARがどのくらいあるのかがまったく分からない、そんな状況です。
そんな私に「郡山にもたくさんのBARがあるんだよ。」と教えてくれたのが、サトー酒店の佐藤伸行さん。伸行さんは、まちの酒屋さんであり、バーテンダー。
そんな伸行さんは、「郡山にBARやお酒の文化をもっと広めていきたい!」という思いを持っています。
会社員からバーテンダー、そして酒屋の社長へ。
伸行さんがバーテンダーになったのは今から10年前。それまでは会社員として働いていましたが、東日本大震災をきっかけに、「自分の本当にやりたいことはなんだろう?」と考えるようになり、バーテンダーの道へ。
これまで勤めていた会社を辞め、バーテンダーとして修行を始めました。
そして、さらにその4年後の2016年、サトー酒店の社長となります。
「もともと母親が酒屋をやっていたんですけど、お店を閉じることになったんですよね。僕は継ぐつもりはなかったんですが、やっぱり母が少し寂しそうにしていたので、引き継ぐことにしました。BARで働いてもいたし、自分なりのやり方でお酒を仕入れたり、取引先へ卸したりできるんじゃないかなって思いました。」
そうして酒店を営み今年で6年。「6年でだいぶ働いたな。」と伸行さんはつぶやきます。
僕たちの仕事は、お酒の魅力を広めていくこと。
酒屋さんの主なお仕事といえば、お酒の販売や飲食店への卸売りを想像しますよね。しかし、サトー酒店はそれだけにとどまりません。
「お酒のよさをみんなに伝えるのも、うちの仕事です。お酒に対して悪いイメージを持っている方や、間違った認識をしている方が多いのが現実です。そうではなくて、「お酒って楽しいんだよ。」ってことをみんなに知ってもらいたいですね。そのために、イベントに出店したり、セミナーを開いたりしています。」
BAR初心者にピッタリのお店、NEIGHBOR
「お酒の魅力を広めたい!」という思いは、サトー酒店の直営BAR「NEIGHBOR」にもあらわれています。
NEIGHBORは他にはない特徴を持っています。それは、「試飲」ができること。お酒を10ml単位という少ない量で飲み比べることができるんです。
伸行さんは、NEIGHBORのことを「BARの練習台」だと呼びます。
「お酒にそこまで詳しくない方でも、試し飲みを通して自分の好みのお酒を見つけることができます。あとは、BARに行き慣れていない方にとって、BARのルールや雰囲気を学んでもらうような時間になったらいいですね。」
そして「BARの練習台」以外にも、NEIGHBORは、もう一つの顔を持ちます。
「うちは、まちのBARや飲食店の「案内所」でもあるんです。酒店としてたくさんのお店に卸売りをしている関係で、どのお店にどんなお酒があるのかを紹介することができます。「このお酒が好きなら○○に行ったらいいよ!」っておすすめするんですよ。ひとことにBARと言っても雰囲気がさまざまなので、その方のニーズに合った場所を紹介します。」
NEIGHBORで試飲をしながら好きなお酒を発見し、その好みや行きたい雰囲気に合ったBARを紹介してもらう。これなら「踏み込む勇気がない・・・」と思っていた私でも、BARに踏み出せそう!
郡山のBARは「おもてなし力」が最高峰!
そんな郡山のBARの案内人でもある伸行さんが語る、郡山のBARの魅力は「おもてなし力」。
「郡山は昔、「東北のシカゴ」と呼ばれるくらいダークなイメージがありました。その中で、「このままではダメだ」と動き出したのが、郡山の老舗バー「THE BAR WATANABE」さんというBARです。ここの初代マスターがサービス・おもてなしの質を高めていこうとしたことで、今では郡山は「おもてなしの街」とも言われるようになったんです。バーテンダーって「お酒をつくるだけの人」ではなく、「おもてなしのプロ」なんです。東京からいらっしゃった方も郡山のBARのおもてなし力に驚くくらいです。全国トップクラスなんですよ。」
「おもてなし」って具体的にどんなことなんでしょう?接客業だから、笑顔でお話をしたり、丁寧にお見送りをすることなんかを想像した私に、伸行さんはこんなことを語ってくれました。
「おもてなしと言っても、ただたくさん話しかければいいというものでもありません。お客さんが何を求めているのか、常に観察して、先回りして考えるんです。ときには「話しかけない」ことが最高のおもてなしだったりもします。バーテンダーは、人の心を癒やすことも、一緒に楽しむこともできる。人に寄り添う仕事なんです。こう聞くと、バーテンダーのイメージが少し変わるでしょ?」
「real local 郡山 学生編集部」が実際にBARを体験!
「お酒は好きだけどそこまで詳しくないし、BARは私には場違いなんじゃないか・・・。」そんなふうに思っていた私ですが、伸行さんのお話を聞くうちに、BARのイメージ、バーテンダーのイメージが変わっていきました。
そしてそして、今回「real local 郡山 学生編集部」は、伸行さんサポートのもと、BARの練習をすることに!私たちがドキドキワクワクしながら郡山のBARを体験した様子をまとめた記事、その名も『郡山BARMAP』を近日公開予定!ぜひ郡山のBARを知る・楽しみたい時の参考にしてみてください!