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【鹿児島県 鹿児島市】/アプリファクトリーはるni株式会社 代表取締役 野下彰太さん

インタビュー

2022.10.30

鹿児島を「ゲームを作りたい」と思う人が作れる場所にしたい。鹿児島がゲーム業界を盛り上げる街に。
今回は、アプリファクトリーはるni株式会社 代表取締役 野下彰太さんにお話をうかがった。

【鹿児島県 鹿児島市】/アプリファクトリーはるni株式会社 代表取締役 野下彰太さん

ゲームの世界に出会ったのは、両親からもらった本がきっかけ

「小学校のころ、友達の家にあるファミコンが楽しくて、『自分にもファミコンを買ってほしい』と、両親にお願いしたんです。そうしたら、『遊びたければ、この本で作ってみたらいいよ』と、プログラミングの本を買ってきました。当時は、小学校2年生。パソコンと分厚い本を交互に見ながら、ゲームで遊べると信じて本の内容を入力しました。」

両親からもらった1冊の本が、ゲームを作る世界に進む大きなきっかけとなり、プログラミングやデザインを通してゲーム制作に携わっていきます。

「鹿児島にゲーム業界を作る」

元々県外でゲーム制作を行なっていましたが、鹿児島に帰ってくることになります。
「鹿児島に帰ってきて、鹿児島にゲーム会社がないことに気づきました。それと同時に、『ないのなら、自分で鹿児島にゲーム会社を作ってみたい!』と思いました。

はじめは個人事業としてスタートし、アルバイトを採用し少しずつメンバーが増えて、3人で会社をスタートさせました。」
会社を設立したばかりの頃は、周りから口を揃えて「鹿児島(地方)では、うまくいかない」と言われることもあったそうだ。

「特定の地域にゲーム会社が多いのは理由があります。例えば、ゲーム関連の会社同士で仕事を依頼する時には近くの会社の方が距離的な安心感はありますし、ゲーム会社が多いとゲームに特化したスキルを持つ人たちも、その地域に集まりやすい。そういう理屈は理解できたのですが、自分が生まれ育った鹿児島でやってみたい、という気持ちが勝ってスタートしました。」

会社設立当初は、まだリモートでの業務も浸透しておらず、話が決まりそうになっていても、最終的に遠方だからという理由で断念せざるを得なかったという。

「でも、質の良い仕事をする会社は、場所に関係なく質のいい仕事をすると思っています。今は、東京での仕事もリモートで行われることも多くなり、物理的な距離よりも仕事の質の重要性が増してきました。

そして、仕事の質の重要性が、増しているからこそ、より一層、優秀な人材を育てていく必要があります。その取り組みの一環として弊社が行なっているのが、「小学生向けのプログラミングスクール」です。」

鹿児島市加冶屋町にある「プログラミングスクール IT Adventure」では、小学生がメインだが、中学生や高校生も在籍している。それだけ年齢層の広い生徒が在籍しているのには理由があるという。

「小学生が学ぶプログラムから、現場が使っている実践的なプログラミングまで教えられる体制で『上限のない教育』を目指しています」

開校から4年。最近嬉しいことがあったという。
なんと、開校当初は、中学校1年生だった子が、高校生になり「アルバイトとして働きたい」実際にいちメンバーとして開発に携わってくれているのだ。

「子供の頃からIT力を上げて、そのうちの1割でもゲーム会社を目指して、その中の1人でも2人でも鹿児島でゲーム作りを一緒にできたら嬉しいです。
そして、逆も然りで「鹿児島って子供達のIT力が高いね」と認知されるようになると、都会のIT会社やゲーム会社が、鹿児島に進出してきてくれるんじゃないかと思うんです。
ライバル会社になってしまいますが、鹿児島全体としてはいいことだと思っていて、「東京のあの会社が、鹿児島にきた!」じゃあ、ゲーム業界目指すぞ!となってくれればいいなと、思っています。」

【鹿児島県 鹿児島市】/アプリファクトリーはるni株式会社 代表取締役 野下彰太さん

製作者からチームをマネジメント 新たな壁

ゲームは、プログラミングする人、音楽作る人、絵を描く人、いろんな人がいてこそ一つのゲームができる。

「年々メンバーが増えてくると同時に、ひとりひとりの動きを把握しきれなくなってきました。質のいいものを作るためにも、専門性が高すぎて自分だけでは解決できないことも増えてきました。だからこそ、今は、組織づくりに注力しています。
自分のためになることを楽しく取り組めるように、考えをチェンジさせてみる仕組みを取り入れています。

例えば、社内でいくつか部活を作ってみたのですが、「お絵描き部」の場合、仕事終わりにみんなで絵を描くんです。絵を描くことが好きなメンバーが集まっているので、次第に技術の交流会が始まります。

意識しているわけではないけど、みんなといるから自然と能力を深められる。
考え方ひとつで、能力を飛躍的に上げることができるのではないかと思います。」

自分の好きなことを、ただただ夢中になっていたあの時のことを思い出してもらえるように、仕組みを作り、ゲーム業界を目指した時の気持ちを常に持ってもらえるようにしています。

そして、鹿児島、南九州、九州全体のゲーム業界を目指している子たちが、「行きたい」と思ってもらえるような会社にしていきたいです。」

「自分の好きなもの、目指しているものがある鹿児島」

「ゲーム業界を目指す子たちに、『どこの会社に行きたいのか?』と、聞くと自分の好きなゲームを作っている会社に行きたいと話してくれることが多いです。

なので、自分達も、未来を担う子たちに目指してもらえるような自社タイトルをしっかりと作って、『楽しいことや新しいことが、地元である鹿児島でもできるんだよ。』と伝えられるようになりたいです。子供たちにとって、自分の好きなものや、目指しているものがある場所「鹿児島」にしていきたいです。
そして最終的には、鹿児島の人口を増やせるようにゲームを通して盛り上げていきたいです」

【鹿児島県 鹿児島市】/アプリファクトリーはるni株式会社 代表取締役 野下彰太さん今後の鹿児島の「ゲーム業界」が、どんどん盛り上がる未来が待ち遠しい。

屋号

アプリファクトリーはるni株式会社

URL

https://haru-ni.net/

住所

鹿児島県鹿児島市住吉町131 ハーバーフロントビル 2F,3F

備考

電話番号: 099-298-9335