【名古屋市中区】家康ゆかりの名古屋城。奥深い魅力を味わい尽くす「金鯱座」
インタビュー
尾張・名古屋を代表する観光スポット、名古屋城。国の特別史跡にも指定され、天守に輝く金のしゃちほこは全国的にも有名で、別名「金鯱城」や「金城」などとも呼ばれます。名古屋城とは天守閣のみを指すのではなく、城を中心とした城郭全体の総称で、広大な城郭内には絢爛豪華な本丸御殿や自然豊かな二之丸庭園など、数多くの見どころがあります。そんな名古屋城の奥深い魅力をより多くの人に伝えようと、一年を通してさまざまな催しや工夫を凝らした取り組みが行われています。
名古屋城の魅力発信に力を注ぐ、名古屋城総合事務所の西浦志乃さんと、イベント企画や情報発信などを市から受託している株式会社クーグートの榎本紀久さんのお二人にお話をうかがいました。
知るほどに魅力を増す名古屋城の奥深さ
西浦さんは名古屋城の広報を担当して5年目。愛着と誇りを胸に、日々、その魅力の発信に努めています。西浦さんが感じる一番の魅力はどこにあるのでしょうか。
西浦「金鯱を頂く天守の美しさは言うまでもありませんが、高い石垣、深い堀なども含めて名古屋城は近世に建てられた城の完成形とも評されるほど大きな価値があります。本丸御殿の内部の造りに目を向ければ、美術や工芸的にも非常に価値の高い、匠の技がいたるところに散りばめられていて、見どころを挙げればきりがないくらいです。歴史好きな方にはもちろんのこと、建築や美術などの分野に関心を持つ人にとっても興味を感じていただける魅力が満載です」
さらに、城郭全体が広い公園になっている名古屋城では、季節ごとに美しい自然を楽しむことができます。
「都心に近い場所でありながら、さまざまな野鳥の姿を目にすることもできるんですよ!」
と西浦さん。名古屋城は特別な観光地としてだけでなく、日常的に何度も訪れたくなる憩いの場でもあるんですね。
たべて、あそんで、まなぶ「金鯱座」
名古屋城の広報を担当し、その価値を知ることで名古屋城に一層親しみを感じるようになったと話すお二人でさえ、まだまだ知らない魅力がたくさんあると言います。仕事で毎日のように通っていても、いまだに発見と学びの連続なのだとか。その奥深い魅力や価値をより広く、より多くの人に伝えるべく、数年前から新たな取り組みが始まっています。それが「金鯱座」です。
「たべる、あそぶ、まなぶ」をテーマに、季節ごとのおまつりやイベント、名古屋城ならではの食やおみやげなどを統一感を持たせたデザインでプロデュース。さらに学びの場として、名古屋の歴史や名古屋城にまつわるテーマの講座やHPで情報発信するなど、多角的に展開する取り組みを行っているそうです。
榎本「観光地としての名古屋城には、県外や海外から毎日多くの観光客が訪れますが、実は地元の名古屋や近郊に暮らす人ほど足を運ぶ機会が少ないというのも事実。そういう方々にこそ、名古屋の誇りである名古屋城に関心を寄せてもらいたいと企画したのが2年前に始まった『金鯱座』です。関連した取り組みとして、まちづくりのNPO大ナゴヤ大学と連携し、名古屋城と名古屋のまちのつながりについて楽しく学べる講座『城子屋』や、地元のライター陣によるWEBマガジン『お城note』など、名古屋城で行うイベント以外にも、常に魅力ある学びの場の提供や情報発信を行っています」
>「城子屋」https://dai-nagoya.univnet.jp/subjects/shirokoya/
>「お城note」https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/oshironote/
統一感のあるビジュアルで
魅力あふれる名古屋城をアピール
西浦「名古屋城では、もちろん以前からもさまざまな催しが行われてきました。まつりやイベントに合わせて飲食ブースを出したり、おみやげなどを販売したりもしていたのですが、それぞれ単発的に行っていたためか、統一感に欠ける印象があったように思います。それではせっかく価値の高い史跡である名古屋城の良さを生かしきることができず、大きな課題だとも感じていました。催事や企画を実施するにあたり、しっかりとしたコンセプトを立て、出店していただくお店や会場の設えにも、全体的な統一感を持たせたデザインにするなどの工夫が大事だと考え、数年前から、年間を通してイベントの企画を委託するようにしました」
四季折々に表情を変える名古屋城
季節ごとの催しにも工夫を
種類豊富な木々や色とりどりの花々など、豊かな自然に恵まれた城郭では、季節ごとに趣向に富んだ催事も行われています。中でももっとも多くの人が訪れるのは、桜の季節に合わせて行われる「春の桜まつり」と、大盆踊り大会がメインの「夏まつり」です。
榎本「ただ季節に合わせておまつりを開催するだけでなく、そこでどのように名古屋城の価値を伝えていくかが重要だと思います。例えば春の桜まつりでは、日没後にライトアップを行い、昼間とは一味違った幽玄な雰囲気を楽しんでいただいたり、夏の盆踊りの際には広場に木製の櫓を建て、そびえ立つお城をバックに大勢で踊るという、まさに名古屋城でしか味わえない楽しさを演出したり。さらに名古屋城オリジナルのメニューを味わっていただける『鯱食堂』や、地元の特産品などを集めた『えんにち』など、見た目にも統一感を持たせ、ブランディングを意識するようにしました。会場の雰囲気にもこだわり、細かい工夫や意義のある企画でPRにも貢献できればと思っています」
榎本「また、名古屋城のイメージアップや魅力の発信には、ロゴやWEBサイトのビジュアルイメージも重要だと考えています。現行のWEBサイトは、実際に会場で展開される催事の雰囲気ともマッチしたものになっています。金鯱座というコンセプトに沿ってひとつの世界観を創り出し、年間行事を行うようになったことで、来場者からも反響をいただいています」
西浦「今日、こちらの二之丸広場では尾張藩連携事業として、名古屋城とゆかりのある市町の魅力や特産品をプロモーションするイベントが行われていますが、会場の一角には名古屋城ブースを出店し、名古屋城公式グッズの販売も行っています。おみやげを選んでいただく際にも名古屋城の価値と魅力をお伝えできるといいなということで、一つ一つ名古屋城の成り立ちや歴史などのストーリーを背景に作られています」
榎本「僕は愛知県の出身ですが、正直なところ、これまであまり名古屋城に足を運ぶこともなく過ごしていました。なんとなく縁遠い印象があったんです。実は地元の人ほど、僕と同じように思っている人は多いかもしれません。しかし仕事として関わるようになって改めてその偉大さや魅力に気づきました。だからこそ、より多くの方に知っていただきたい、そう思って取り組んでいます。観光でいらっしゃる方もぜひリピーターになっていただきたいですし、地元のみなさんにこそ、もっと親しんでいただけるよう、催事や企画にもどんどん力を入れていきたいですね」
西浦「いついらしても楽しんでいただけますが、近いところでは3月には春の桜まつりが控えていますので、ぜひ、みなさんでお越しください。今年は好評のライトアップも行う予定です。名古屋城の桜は本当にきれいなんですよ!詳細は間も無くお知らせできると思います。このほか名古屋城でのイベント情報については、歴史や見どころなどの解説とともに名古屋城のウェブサイトからお知らせしていますので、ぜひ定期的にチェックしていただければと思います」
屋号 | 名古屋城 |
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URL | 特別史跡名古屋城WEBサイト: https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp |
住所 | 愛知県名古屋市中区本丸1-1 |
備考 | アクセス:名古屋市営地下鉄名城線「名古屋城」下車7番出口より徒歩5分 |