【鹿児島県日置市】ありのままに、あるがままに、人々が集う人間交差点 / 旅宿酒場I&I”アヤナイ” 宮城一晴さん・絵利香さん
インタビュー
鹿児島県日置市にてホステル・ランチ・バー・エステサロン形式で『旅宿酒場I&I“アヤナイ”』(以下:アヤナイ)を運営されている宮城一晴さん・絵利香さん。そんなお二人から、アヤナイを立ち上げられた背景等を伺いました。
境界線を越えて、同じ目線で楽しめる空間を
一晴さんは沖縄県・久米島にルーツがあり、ご実家は民宿を営んでいました。
そんな環境だったためか、島外から来たお客さんと触れ合うことが多かったといいます。
大人になると、時間を見つけては海外へバックパッカーで旅をし、国籍や人種を越えた交流をする機会も多く、次第にある想いが芽生えてきたそうです。
“いつか自分らしさの表現できる宿や飲食をやりたい”
特に海外で宿泊したゲストハウスでの何気ない出来事が一晴さんに影響を及ぼすようになりました。
「ゲストハウスに泊まると、それまで触れたことのない世界観の人たちに出会うことが多かったです。」
「その空間では、みんな自由に過ごしていて、誰かとご飯を食べたりお酒を飲んだり、一人でギターを楽しそうに弾いたり、各々が思い思いの過ごし方をしていました。」
「毎日予測がつかないことが起きて、そこで生まれる化学反応に心踊っている自分がいたんです。」
“国籍や人種、過去の経歴なんて関係ない。
そんな境界線を越えて、みんなが同じ目線で話せて楽しめる空間ができたら…。“
それでゲストハウスを開業する決意をされた一晴さん。
仕事の合間を縫って、物件探しを始めました。
しかし、思い描くような物件が中々見つからず、途方に暮れてしまいます。
そんな時、日置市吹上町にて一晴さんの目に留まる物件を見つけたのです。
それは民間会社の職員寮として使われていた場所でした。
「ダメ元でその会社の人に尋ねてみると、しばらく使っていない状況だったんです。管理している不動産会社にも話をして、借りられることになりました。」
「家族や友人、仲間の力を借りながら3年かけてリノベーションし、何とか昨年10月にオープンすることができました。」
「和と古材の落ち着く空間に変化させ、いろんな人が集まって語り合い、そこからヒト・モノ・コトが循環する場を演出していこうと考えました。」
互いの違いを認め合い、共感する
屋号でもある“アヤナイ”とは何を意味するのか。
その由来についてお話してくださいました。
「“アヤナイ”とはジャマイカで使われている言葉で“互いの違いを認め合い、共感する”という概念があります。」
「世の中にはいろんなヒト・モノ・コトがあります。ありのままでいい。そのままでいい。運営する僕らもですが、この場所にいる誰もが、そう感じてもらえたら嬉しいです。」
「僕が好きな言葉の1つに“Slow Ahead,ゆっくり進む、Stay Positive,前向きに”というものがあります。その言葉を体現できる場所でありたいと思っています。」
店内ではレコードを聴きながら、
昼間はランチで沖縄そばを、夜は一晴さんが選りすぐったお酒やおつまみを提供し、地元の人も気軽に楽しめる空間となっています。
奥の部屋には子どもたちが楽しめるキッズルームも設置。
そうすることで子連れのお客さんも安心して過ごせるといいます。
アヤナイのコンセプトの中には
スクランブル交差点になぞらえて“人々が集う人間交差点”と表現されている部分があります。
オープンから数ヶ月経ち、そのコンセプトに少しずつ近づいている手応えを感じるのだとか。
「宿泊してくださっているお客様がバーで地元の方と楽しそうに交流されている光景を少しずつですが見れるようになってきました。」
「“どこから来たの?”○○ってお店がオススメだよ“と話が盛り上がって、お客様にとっても地元の人にとっても、ほんの少し新しい世界が拓けているようでワクワクするんです。」
「自分のちっちゃい夢が1つ1つ叶っている気がします。大好きな音楽とお酒を楽しみながら、みなさんとお話できるなんて贅沢な仕事だなって。」
「ただ、必ずしも誰かと交流しないといけないわけでもありません。一人でゆっくりボーッとしたり、物思いにふけったり、アヤナイで各々の過ごし方をしていただけたら嬉しいです。」
Love the life you live.Live the life you love.
アヤナイとして、移住者として、自分たちに特化してできることは何なのか?
日々試行錯誤する中で、そんなことを考えることが増えてきたそうです。
「ありがたいことに、周辺には色々なお店や真剣に僕たちとお話してくださる地元のみなさんがいらっしゃいます。だからこそ、自分自身と対話するようになってきました。」
「ちょっと車で走れば、数十kmにも及ぶ吹上浜や、気軽に入れる良質な温泉が吹上町にはあります。他にもまだ発見できていない何気ない強みがあるはずなんです。」
「そこを少しずつ可視化して、さらに、僕らなりのスパイスを加えることで、吹上の日常がさらに楽しくなるのではと思っています。」
「今はアヤナイでの営業やイベントを通して、仲間づくりや場づくりをしている段階です。それを少しずつ、この場所を飛び出し、みなさんの手を借りながら、地域でもアクションを起こしていきたい。」
“Love the life you live.Live the life you love.”
(君が生きる人生を愛せ、君が愛する人生を生きよ。)
これは一晴さんが日々過ごす中で最も大切にされている言葉です。
今までの人生の中で辛いとき、自身を支えてくれたのは“自分らしさを出せる”瞬間だったといいます。
「特に音楽に救われました。だから、音楽を軸にしたチャレンジとしたいと考えていて。例えば、吹上町で大規模な音楽フェスを開催するとか。」
「吹上浜公園に宿泊ができるテントサイトを設置し、ゆっくり寛いでもらいながら、音楽や温泉を楽しむ。そんな時間が提供できるのではと妄想しています。」
「それは縁もゆかりもない第三者として吹上町をみている僕らだから、そして、唯一無二の資源を持つ吹上だからこそできることだと思っています。」
「アヤナイとして、これからどんどん変化していくと思います。当たり前だと思っていることの価値を高め、ヒト・モノ・コトが循環するきっかけを、さらに演出していきたいです。」
屋号 | 旅宿酒場I&I(アヤナイ) |
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URL | |
住所 | 鹿児島県日置市吹上町中原2459-1 |
備考 | ●SNS (アヤナイ) (Blue Moon) Lunch Time 11:30~14:30 Bar Time 19:00~23:00 Hostel check in 15:00~ check out ~10:00 ※素泊まりのため食事の提供はございません。 ※夜は1Fのバーをご利用いただけます(営業日のみ)。 ※近隣の吹上温泉をご利用ください。シャワーのご用意はございません。
●エステサロンについて Blue Moonインスタグラムをご参考にされてください。 |