【岐阜県・多治見市】『名入れ陶器ボトル』で未来に繋ぐ挑戦
クラウドファンディング
【real local名古屋では名古屋/愛知をはじめとする東海地方を盛り上げている人やプロジェクトについて積極的に取材しています。】
日本最大の焼き物の産地、岐阜県多治見市で、「とっくり王子」こと、野村健太さんが、名入れ陶器ボトルの文化を広め、伝統を未来につなぐ挑戦をはじめています。国内で流通する陶器ボトルの大半が、多治見市の高田・小名田地区でつくられています。この40年間でみると、100社近くあったメーカー数は、約1/4にまで減りました。野村さんは産地の危機を肌で感じ、名入れ陶器ボトルの価値を上げるべく、新たな商品や仕組みづくりのために、クラウドファンディングを始めました。
産地の危機ととっくり王子の取り組み
名入れ陶器に入ったお酒をあまり見かけることはなくなりましたが、実家や居酒屋で必ず一つは見たことがあるのではないでしょうか?
実は、この名入れ陶器の産地が岐阜県多治見市にあります。
多治見市在住で、陶器ボトルの商社にも勤める野村さんは、産地の衰退を肌で感じてきました。
野村さんが、今回のクラウドファンディングで得た資金を元に行いたいことは、大きく以下の二つ。
1.業界に新しい流通の仕組みを生み出し、陶器ボトルの価値を上げていくこと
2.文字書き職人として野村さんが技術を受け継ぐこと
まず一つ目の取り組みは、現状の流通の流れを変えることです。これまで陶器ボトルの流通は、酒蔵さんが起点となってきました。
酒蔵さんにとって陶器ボトルは、お酒の価値をより高め、 贈答用としてお客様に喜んでもらうための「備品」の役割です。産地は、商社に言われたものを一円でも安くつくる下請け構造が続いてきたので、窯元に価格の決定権はありません。この流れを変えるために、産地にいる野村さんが窓口となり、陶器ボトルを「主役」として、お客さんにボトルの魅力を伝え、選んでもらう流れをつくります。
二つ目の取り組みは、野村さん自身が技術を承継し、徳利の文化を継承していくことです。徳利の歴史は約400年前、江戸時代後期にさかのぼります。明治になると、徳利に屋号や銘柄が書かれた「高田徳利」が生産されるようになり、「文字書き」は手書きで行われ、高田・小名田では文化として継承されてきました。
しかし、職人の高齢化が進み、その製造に携わる方のほとんどが70歳以上。生地づくりを担う大事なメーカーさんには、93歳の方もいます。また人件費を捻出できないため、社長自ら午前3時に出社し、作業をしている会社もあるそうです。このような働き方では、次世代に引き継ぐことはできないのが現状です。野村さんが技術を引継ぎ、新たな形で次世代に引き継ぐ準備を行います。
とっくり王子として具体的に3つのことを進めています。
1)オリジナル形状、色(釉薬)の開発による新商品づくり
高田・小名田だからこそできる形状を作りたい!という気持ちで、現在3つのオリジナル形状開発を進めているのだそうです。
2)アルファベット名入れ技術の習得
野村さんご自身は、3年前から技術を習っています。新たな試みとして「小さいアルファベット」の名入れ技術を習得しました。最初は大きくしか書けなかったり、かすれたりで全く上手く書けませんでしたが、ようやく自信が持てるようになりました。
3)オンラインで注文ができる【名入れ酒器ギフト専門店】の立ち上げ
名入れやメッセージ入りの陶器ボトルをオンラインで注文ができるサービスとして、【名入れ酒器ギフト専門店】の立ち上げも進めています。ブランド名は、「SHUSHU」としました。
返礼品
返礼品は、3,000円~で、名入れカップや晩酌セット、名入れ陶器ボトルなどがあります。これらは、一つ一つ丁寧にとっくり王子が書いてくれます。
「とっくり王子」こと野村さんの想いをもっと読みたい方、クラファンにご興味ある方は是非コチラの記事をチェックしてみてください。
支援募集は、1/24(金)午前11時まで。