就農3年目、秋葉泰光さん・友理奈さん夫妻
指宿 オクラ、ソラマメ農家
指宿は鹿児島県薩摩半島の南端にあり、オクラとソラマメの生産量が日本一。
温暖で水も豊かで、1年を通してほぼ毎日収穫ができる作物がある日本屈指の恵まれた土地だ。
農家になって3年目を迎えた秋葉さん夫婦。
夏にオクラ、秋から春にかけてスナップエンドウとソラマメをつくる。
「空の下で体を動かす仕事の方が向いているんじゃないかなと思って。それで、14年勤めた会社を辞めて指宿へ来ました」
しかし、農業経験のまったくない秋葉さんにとって、予想以上のハードな世界が待っていた。
「鹿児島県立農業大学校で一年間勉強しました。作物の育て方や栄養のこと、鍬の使い方から学びました。在学中に農業の指導者的存在で地区のリーダーの澤山さんを紹介してもらって。師匠には農業のことと、地域のことをたくさん教えていただきました。
仕事が終わったら地域の行事にも呼んでもらって、地元の人とのつながりもたくさんつくってもらいました」
「移住する前は地方で農業をしながらのんびり暮らそう!なんて考えてましたが、むしろ忙しくなりました。最初はあまりの行事の多さに戸惑いましたが、若い自分が役に立つという実感があって。頑張ろう!という気持ちに変わりました」
「行事に参加していると、『来たばっかりだから畑が無いだろ?使ってないから貸してやるぞ』とか『ウチのじいちゃんが引退して使ってない機械があるから譲ってやるぞ』って。初期投資の資金がなかったのでホントにありがたくて」
独立して3年目。なんとかふたりでやっていける土台をつくってもらったと話す。
現在は化学肥料を使わずに最小限の農薬で作物を育てる実験を繰り返しているという秋葉さん。
「まだこの地域で一番おいしいとは言えないですけど、それでも多少は自信を持っています。マルシェなどに出すと消費者から直に評価を聞けますし、この前のおいしかったよって言ってもらえると嬉しいです。
僕たちは農家です。作物を通じて地域を盛り上げていければなって思っています」
少しずつ前進しながら夢を膨らませていると楽しそうに話をしてくれた。
「暮らしはガラッと変わりました。大変だけど充実感があるというか。漠然と思い描いていた理想の暮らしとはこういうものだったのかなって」
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