【長野】購買部パンは長野っ子のソウルフード 桜枝町太平堂/長野市
善光寺近辺は多くの寺社仏閣がある寺町。その一角にあるのが「桜枝町太平堂」。外観だけ見ると、それほど老舗という印象は受けないが、「パン屋としては昭和29年創業で、それ以前の和菓子屋から数えると90年近く営業しているんです」。そう教えてくれたのは、5代目の斉藤 隆さん。
陳列棚には、コロッケパンやあんぱんといったおなじみの定番から、ブラジル生まれの「ビスコイ(正式名はビスコイ・デ・ポービリア)」というパンなどが並ぶ。でもこのお店でまず気になるのは、レジ上にあるメニュー。
食パンやソフトフランスに、ポテトサラダやタマゴサラダといったお惣菜系か、アンバターや生カス(生クリーム&カスタード)の具材を選んではさんでもらう、“カスタマイズ”パン。
特にソフトフランスは人気で、昼頃には売り切れてしまうこともあるとか。食パンはとにかくふわふわで、キメが細かい口当たり! 丁寧によくこねて作られているというのが一口でわかる。
「昔ながらのパンを求めてくださるお客さんも多いんです」と斉藤さん。太平堂のパンはすぐ近くの長野西高校で、長年に渡って購買部で販売されている。当時の高校生が営業周りのランチで買ったり、お母さんになって買いにきたり。また就職などで長野を離れたひとたちも、懐かしさに帰省ついでに立ち寄ってくれるそう。
現在は2016年9月に5代目となった隆さんと奥さんの由美さんが中心にお店を切り盛りを始めたばかり。曜日限定で自家製天然酵母のパンを販売したり、instagramを使った情報発信も行っている。懐かしさ変わらなさだけではなく、ちょっとずつ新しいことにも挑戦している町のパン屋だ。