はじめまして、福井。
小さなモモちゃん from 東京。
わたしは今、福井にいます。
縁もゆかりもない、友人はおろか知人もいない、この福井に4月から住んでいます。40代目前、ひとり、全く予想しなかった北陸での生活がはじまりました。岐阜県に生まれ育ち、大学入学を機に東京に。その後もずっと東京で生活していました。
高校時代の友人の多くが東京にいたのでさみしく感じることも全くなく、親しい人も増えてきて、東京の下町の生活に触れつつ楽しく過ごしました。このままずっと東京にいるんだろうなあと思っていました。
がっ!、それは前触れなくやってきました。
「1年間、福井でお仕事してみませんか?」
不満もなく楽しい今の仕事を辞めて、慣れ親しんだ快適な東京での生活から、一度も足を踏み入れたことのない福井に???
散々悩んだ結果、福井でお仕事をすることに決めました。何が決め手になったのか、実は自分でもまだはっきりしていません。
転職も移住も大きな理由がないとしない・できないと思っていましたが、そうでもなく、未知なる土地、福井への淡い興味だけだったように思います。
一切合切の家財と一緒に福井へ
採用通知がくるまでは不安だったため、いや、まだちゃんと踏ん切りがついていなかったため、3月のはじめに通知を受け取ってからやっと福井へ行く準備をはじめました。
準備をはじめたものの、引越しの多い3月にこんな直前の依頼は当然受けてもらえず10社以上に断られ続け、やっと見つけた会社になんとか3月末に引越しをお願いすることができました。セーフ。
繁忙期に加え荷物の多さや長距離もあって引越し費用は目の飛び出る金額に。アウトだよ。
次に引越しをする時には改めて自分の持ち物を見返したいなんて思っていましたがそんな時間はないのです。
早く荷物をまとめて区役所にもいかなくては、郵便局も、あとご挨拶にも行かなくては、あとあと…フリーズするわたし。
応援をお願いし、どうにか引越し当日の朝ぎりぎりに荷物をまとめ、本や雑誌、画材や大工道具、うつわや雑貨などが入ったずっしり重たい大量の段ボールがパンパンに詰まったトラック(2t ロング)を見送りました。
1年間だから東京に荷物を残したまま福井に行くことも考えましたが、一切合切の家財と一緒に、心おきなく福井に「はじめまして!」を言いたかったのです。
「福井の皆さま、はじめましてー!!!」
そして、わたしは福井にやってきました。
福井の情報は本屋さんで某有名旅行誌の福井版を立ち読みした程度。生まれてはじめての福井、なにを見ようかな。
駅前にいる恐竜たちとまだ見ぬ福井の皆さまへとまずはご挨拶。「福井の皆さま、はじめましてー!!!」
福井での生活がはじまり3日を過ぎたころから徐々に異変が…、なんだかいつもの調子が出ないのです。
すぐ思い至りました。そうだっ、必要な会話だけで雑談をしていない、誰かと話したーい!たわいない会話がしたーい!!!
このままでは東尋坊(◯◯サスペンス劇場でおなじみの崖が福井にあることだけは知っていた。)で、日本海に向かって大声で叫んで発散するしか方法が思いつかない。ざっぱ~ん。
SNSを見る回数がやたら増えたり、引越しの報告と言い訳をしながら友人や知人にメールやメッセージを送ってみたり。
解消されない。これは行くしかない、ざっぱ~ん。(もはや東尋坊に行きたいだけ。)
調子の出ない日々が続き、しばらくすると知人から連絡があり、福井に住んでいる素敵な人を紹介してもらえることに。
かくして、わたしは久しぶりのTHE雑談を堪能しました。雑談最高、雑談必要。
…つづく。