“通りからまちへ”賑わいを波及させるビル
歴史ある通りに建つ「室町シュトラッセ」
小倉駅の1つ隣駅「西小倉駅」から歩いて3分。室町というエリアには、昔ながらの飲食店や呉服屋、最近オープンした雑貨店などが並ぶ長崎街道という通りがあります。その通りに面して“室町シュトラッセ”は建っています。
室町は昔、町家が多く、参勤交代の道筋だったため、小倉城下で最も賑わった町でした。室町の東西に通る長崎街道は、紫川にかかる常盤橋を起点(※長崎市民に言わせると、終点だそうですが。笑)に西に伸びており、長崎県長崎市まで至る経路です。
このビルは、長いところで3、4年の空き区画がある物件でした。
ビルのリノベーションプロジェクトを手がけるタムタムデザインの田村さんは、当初2、3階のみを借りてゲストハウスにすることを検討していたそうです。物件を視察した際、ビルオーナーさんが来られて「この空きビルをどうにかしたい。そして街を賑やかにしたい。」という熱い思いを聞き、このビルの再生プロジェクトを正式に依頼いただいて、現在のプロジェクトが始まったそうです。
室町シュトラッセの “シュトラッセ” とは、ビルオーナーのご親族が活動していたドイツの言葉で “通り” という意味。ビルを再生・利活用から活性化することで、「ビル単体」から「通り」へ。「通り」から「まち」へ。元気を波及していくことを目的としたビル再生プロジェクトです。このプロジェクトには、タムタムデザインさんが入居・運営もしているLINKED OFFICE “LIO”の岡崎デザイン、ヴィリオ、uruphotoのメンバーも参加しています。
1階、ビルオーナーさんが経営しているコーヒー&ティーのお店「ANNE’S FARM」。香りと旨味を保つため、ボトルに詰め込んだコーヒー豆と、毎日お手軽に楽しめるドリップバッグがあります。
1階、インド料理店「GITAN JALI」。インドのイメージの派手な色ではなく、落ち着いた色合いの外壁がこのビルにぴったり。
2階、アジア雑貨専門店「alin」。自然と店内に足を踏み入れてしまった可愛らしい入口です。
青空コミュ・レンタル屋上。広々していて、バーベキューでもできそうな屋上です。タムタムデザインさんに連絡すれば、予約する事ができます。
他にも美容室、サロン、オフィスなどが入っています。
2階廊下、室町フォトガレリーと共同キッチン。壁の色や素材、照明など落ち着いたやわらかい雰囲気で、単なる廊下ではなく、一つの空間となっています。
廊下の「室町フォトガレリー」は、フォトグラファーのuruphotoさんのディレクション。「写真家が視る北九州」というコンセプトのもと、北九州で活動している7人の写真家の作品が展示されています。モノクロ写真と照明のやわらかい雰囲気で、ふと足を止めてしまいました。
3階、ラウンジスペースには、アンティーク家具や観葉植物などが置いてあり、ゆったりできるシンプルなスペースとなっています。こちらで、休憩や簡単な打ち合わせができそうです。
3階、レンタル会議室。入居者は無料で、スクリーン、プロジェクター、wifi完備。ご利用の方はタムタムデザインさんへお問合せを。
ロゴは、岡崎デザインさんが制作。長崎街道の別名「シュガーロード」のシュガー、角砂糖をイメージしたもの。
最後にタムタムデザインの田村さんについてご紹介。田村さんは、一級建築士であり、室町シュトラッセ以外にも自身のオフィス「LINKED OFFICE “LIO”」や飲食店、美容室、中古マンションなど多岐にわたる設計・リノベーションをされています。
最近では、リノベーション住宅推進協議会が主催する、リノベーション作品を選出するコンテストで、2015年に特別賞受賞、2016年にはなんと、最優秀総合グランプリを受賞されています。そんな方が北九州でリノベーション事業をされてるというのは、嬉しいですね!今後のご活躍が楽しみです。
室町シュトラッセ!
いろんな方の思いが詰まったこのビルから、歴史ある通りへ。そして、室町に賑わいが拡がっていくことと思います。ぜひ立ち寄ってみてください!