real local 金沢石川のソウルフード「とり野菜みそ」 - reallocal|移住やローカルまちづくりに興味がある人のためのサイト【地域情報】

石川のソウルフード「とり野菜みそ」

地元民の常食。お土産としても人気。

2014.12.26

「石川のソウルフードといったらコレ」。そう言われるのが地元のスーパー各店で手軽に買える、株式会社まつやの「とり野菜みそ」です。

石川のソウルフード「とり野菜みそ」
パックになった「石川のこころ」。黄色い髪の女の人がトレードマークです。

特製調味みそがパックとなった商品で、1袋250円ほど。台所にある野菜や魚、肉などを鍋に入れ、水とこの「とり野菜みそ」を投入して5分ほど煮込めば、ハイ、すてきな鍋料理ができあがりという魔法具合が人気です。

「とり」といっても「鶏(トリ)」が入っているわけではありません。このみそのお味で、野菜をたくさん「採る」ことができますよ、ということで「とり野菜」なのです。

石川のソウルフード「とり野菜みそ」
今夜は「とり野菜みそ」を使って、野菜をたっぷり「とり」ましょう。

2010年にテレビ朝日が企画した「お土産ランキング」では予選を突破して石川県代表となり、旅行雑誌編集長や一流ホテルの料理長などお土産に精通する専門家50人が審査員となる全国大会で堂々の第5位入賞に輝きました。ピリ辛・とんこつ・トマト味の展開もしています。

(株)まつやは、もともとは食品メーカーではありませんでした。昭和39年に生まれた国道沿いの食堂が経営のスタートです。この食堂を訪れるのは、車で国道を行き交う働く人々でした。時代はまさに高度経済成長期。

石川のソウルフード「とり野菜みそ」
当時の食堂。車の形が当時を物語ります。(写真提供:株式会社まつや)

「日本を立て直すために働くお客さま方には、健康を維持できる栄養食が必要だ。それには工夫をしなければ…」。(株)まつや創業者の松本啓治社長がそう考える中で思い出したのが、北前船の廻船問屋を営んでいた遠い先祖のことでした。

北前船とは、江戸・明治時代に日本海で活躍した買積廻船です。北陸を経由する大阪と蝦夷地を結ぶこの廻船は、日本の商業史・文化史に大きな影響を与えました。先祖は言い伝えを残していました。「北前船の航海は長く過酷なもの。船員には栄養価の高い食事を摂らせることが必要不可欠」。

彼のまぶたの裏には、北前船の乗組員と戦後の地元労働者の姿が重なりました。「栄養…健康食…不足しがちな野菜…。そうだ、野菜をたくさん採れる料理を考えよう!」そこで自ら考案し、幾たびもの試行錯誤を繰り返して完成したのが、大量に野菜を入れたみそ味の鍋物。この野菜鍋をメニューに加えたところ、みそ出汁(だし)がおいしいと大好評となりました。そして…。

あまりのおいしさに、「このおみそ、おいしいから分けてくれない?」という、現在の感覚ではかなり大胆なお客さま方の申し出が次々とあったのです。試作を重ねて作った店の味のベースとなるみそを、この食堂では「秘伝」ともせず「いいよ、いいよ」と惜しみなく分けたのでした。それが高じて「とり野菜みそ」は製品化。昭和48年に袋詰商品として、スーパー・小売店で販売されるようになりました。

石川のソウルフード「とり野菜みそ」
レストランまつやは今日も、ドライバー、地元家族、そしてあなたを待ってスタンバイ。

とり野菜みそのルーツとなった昭和の食堂は、現在も「レストランまつや」として営業しています。お土産で知った「とり野菜みそ」でファンになってしまったという方は、金沢訪問の際には足を延ばして、どうぞレストランも訪れてみてください。定番メニューの「とり野菜」は、1人前550円です。

URL

とり野菜みそオンライン

住所

〒929-1171  石川県かほく市木津ハ14番地の2

■JR金沢駅からJR七尾線で29分、横山駅下車徒歩10分
■北陸自動車道金沢森本ICから国道159号で約22km

TEL

076-285-2222

備考

購入方法:

まつやオンラインまたは石川県内のスーパー各店で

石川のソウルフード「とり野菜みそ」