菱屋
古民家改修シェアオフィス&スペース
「熊川宿」ヒト・モノ・コトの結節点
かつて福井県若狭地方は「御食国(みけつくに)」と称され、奈良や京都へ魚介類を運んでいました。特に大量の鯖を運んでいたことから、小浜から都へ続く街道は「鯖街道」と呼ばれるようになったそうです。その鯖街道最大の宿場町が「熊川宿(くまがわじゅく)」。交易・文化の結節点として多くの人で賑わいました。
熊川宿は、1996年に重要伝統的建造物群保存地区に選定。2015年に「海と都とつなぐ若狭の往来文化遺産群~御食国と鯖街道~」として日本遺産の第一号に認定されています。
変わるもの、変わらないもの
この歴史ある熊川宿に、築130年・間口28間の屋敷と蔵を改修したシェアオフィス&スペース「菱屋(ひしや)」がオープンしました。「菱屋」とは、家主が代々、問屋・役人・小浜藩の御用商人などを務めながら受け継いできた誇りある「屋号」であり、長年地域住民の心の拠り所となった「愛称」でもあります。
近年、空き家状態だったこの場所は今、その大空間を活かして現代の「シェア」のニーズに応えようとしています。これまで時代の変化に寄り添ってきた「菱屋」の使命なのかもしれません。
シェアスペース
シェアオフィス
オープンからわずか1ヶ月で、すでに4室が決まったそうです。では、入居者のご紹介です!
PLUS WILD(101号室)
高島トレイルクラブ・日本ロングトレイル協会・日本山岳ガイド協会に所属し、熊川宿を拠点に国内山岳ガイドや、ロングトレイルによる地域活性プロデュース、国内トレイル情報提供をしておられます。「トレイルを日本の文化にしたい。そのためには、人材確保や登山道整備が継続できる仕組みを作らねば。この若狭にはそれができる!」
「トレイルは「禅」と同じ。歩くことで自分を見つめ直すことができる。若狭という地は自然豊かで心も身体もリフレッシュするには持ってこい。多くの人に若狭の山を満喫して欲しい。」と、滋賀県の某寺の住職でもある村田さんは語る。また、トレイル合コンも企画中とのこと!僕も参加してもいいですか?笑
PLUS WILD https://pluswild.com
逸見家着物ミュージアム produced by 井上呉服店(102号室)
鯖街道の終着点である京都府出町と、大阪府高槻市、そして熊川宿の3拠点で呉服の販売とレンタルを営んでおられます。仮屋﨑さんは英語の講師でもあり、9年前に井上さんと一緒に日本学生と留学生を対象に着物体験とお茶会を企画。それ以降、お二人で日本の着物文化を残していく活動を幅広く展開。職人の手で誂えられた着物を気軽に着ることができるイベントは、大学生(特に新成人)から人気があります。
「若狭は、自然が豊かで歴史的町並みが美しい。特に熊川宿は、私たちが着物の魅力を伝えるための世界観と合致していたんです。なのでここに決めました!そしてここを拠点にして、関西圏から若い人をたくさん呼んで来たいんです。」と、若狭出身の僕には、とても嬉しいお言葉。じ〜んと来ました。熊川宿でも、着物体験とお茶会を企画中とのことです。
井上呉服店 http://www.inouegofuku.com
熊川まちづくり推進協議会(202号室)
町内における「農業宿泊」のサポートや、熊川宿での「滞在型観光」を推進するための団体で、事務局を務めるのは地域おこし協力隊の阪野さん。阪野さんは愛知県出身のIターン者でもあります。「若狭町の魅力を地域外の人に伝えたい!地元の人にも再確認してもらいたい!」と、言葉に熱がこもっていました。今後は地域内外の人をつなぐ仕掛けを、菱屋で開催予定とのこと。菱屋HPのイベントカレンダーをチェック!若狭出身の僕も負けてられません〜
株式会社DEKITA(202号室)
本社を東京に置き、これまで数々の建築開発、コミュニティ事業開発に携わってこられた株式会DEKITAさん。今回の菱屋の開発は、DEKITAさんによるものです。「菱屋の開発は、空き家探し→所有者さん交渉→借上げ→改修→リーシング→運営、を自社でおこなうもので、所有者さんからも大変喜ばれています。今後このやり方が若狭地方における空き家活用の参考例になればなと思っています。これまでやってきた仕事の経験が地元に還元したい!」と、福井県おおい町出身の時岡さんの言葉には、地元愛が詰まっていました。5月末に金光さんは若狭町へ移住、秋には時岡さんもUターンするとのこと。
DEKITA https://dekita-tokyo.com
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レンタルスペースに興味のある方、イベントの開催については、菱屋のHPよりお問い合わせください!!
一部写真提供:逸見源右衛門家様、株式会社DEKITA様