紅花の季節に入ります
山形市の個性ある文化、自然、歴史にまつわるエピソードを、佐藤山形市長がお届けするコーナー。山形市報から転載しています。
いよいよ6月、まもなく山形市の花である紅花の季節に入ります。
紅花はこれまで山形市の成り立ちに大きな影響を与えており、紅花を知ることは市の歴史や文化を知ることと言っても過言ではありません。
はるか昔、シルクロードを通って日本に伝わった紅花は、戦国~江戸時代に山形周辺に定着しました(「サフラワー」といえば多くの外国の方に通じます)。
当時貴重な口紅の材料として山形の特産品となり、最高級品として取引されました。江戸時代、全国の特産品を示した「諸国産物見立相撲番付」において、「最上紅花」は東の関脇(当時の最高位は大関)になっていることからもそれを伺い知ることができます。
山形商人のルーツの一つである近江商人がこの紅花を船に積み、最上川を通じて酒田から京都へ向け海に出たわけです。紅花商人は豪商となり、山形城下は大いににぎわいました。
市内にはその名残も多く、例えば市の施設である「山形まるごと館 紅の蔵」は紅花商人だった長谷川家の建物、お蔵などを用いていますし、桃の節句に中心市街地に飾られるお雛様も多くは紅花商人の家に伝わったものです。
山形市の伝統的なお菓子といえば「のし梅」ですが、これは紅花を加工して染料を取る際に梅の実から出る酸を用いたことから、梅が栽培され、それを材料にしたお菓子が誕生したといわれています。
花笠まつりの花笠の花はもちろん紅花をあしらったものです。そのほか、食用油や紅花染め、料理の彩りなど、紅花は多くの用途で使われています。
高瀬地区では「山形紅花まつり」が開催されます。スタジオジブリの映画「おもひでぽろぽろ」の舞台となったのが高瀬地区です。市民みんなで、紅花をPRしていきましょう。
(広報やまがた平成29年6月1日号掲載)
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