【鎌倉R計画】その1・面白いオフィスを求めて
【鎌倉R計画】は、鎌倉R不動産・建築部門の事例集です。
今回のクライアント様との出会いは、2018年の年末。新しいオフィスの内装のご相談をいただきました。オフィスの場所は、横浜駅からすぐのビル群にある、いわゆるオフィスビルの最上階です。
今回のクライアント様のニーズをざっとまとめるとこんな感じです。
・面白いオフィス
・社員に楽しく働いてもらいたい
・書類が多い業種なので、収納が必要
・顧客との打ち合わせなどで個室が必要
クライアント様の業種はお堅いイメージですが、なぜ鎌倉R不動産にご相談いただいたのかをお聞きすると、「面白そうだから」と。なんでも、別の業者さんにも相談しているけれど、いわゆる什器を入れて味気ないパーテーションで仕切られて、それで意外といい値段になってしまう。それならもっと面白いことがやりたいな、と思ったとのことでした。
さて、早速私たち建築チームとクライアント様とのイメージのすり合わせという大事な作業に取り掛かります。「面白いオフィス」とは何かを、R 不動産のグループサイトの「toolbox」の事例などを一緒に見ながらイメージを出していきます。そして、何とか年内で第一弾のイメージパースを提案しました。
提案したのは、「秘密基地のあるオフィス」です。クライアント様からの感想は「よくわからないけど、とにかく楽しそうですね」と。そこから年が明けて、さらにイメージのすり合わせをしていきました。やはり一度、間取や絵ができると、意見を言ってもらえます。やっぱりここはこうならないか。ここはこういう使い方をしたい。といった具合です。
その後何度か打合せを重ね、サンプルをとったりして工事内容を固めていく一方で、法令の壁もでてきます。今回の場合は、主に消防法でした。打合せのための個室が必要ということで、小さな部屋を2つ作る計画でしたが、天井まで仕切りのある個室を作ると、消防法での規制がより厳しくなるのです。そこで、今回は各個室の天井部分を少し開けることにし、隣りの打合せの声や音が気にならないように、スピーカーを設置して音楽を流すという、ごまかし作戦で行こうと決めました。
このように、イメージと工事内容が固まり、いよいよ工事に入ります。今回の工期は最終的には1ヵ月となりました。さて、その仕上がりはというと。
杉やラワンにクリア塗装をして仕上げた、さっぱりとしたカラーリングの室内です。もちろん、今後の気分に合わせてカラーを入れてもよさそうです。床は、退去時の原状回復も見据えて、「toolbox」のイージーロックフローリングを使用しました。オフィスのデスクもラワン合板と「toolbox」のアイアンの脚で自作しました。
その他、たくさんの書類を整理できる、造作の収納棚を設置。前後でスライドするため、見た目以上に大容量です。ダストボックスも自作してみました。そして、ロフトに上がる部分にはハシゴでなく、ボルダリングの壁を設置。これは遊び心なのですが、社員の方々も面白がっていただくことができました。
天井は、空調や点検口がたくさんあって施工には悩みましたが、黒色のライティングレールを直行するように入れて、視覚的に紛らわすことに成功しました。細かなパーツで言うと、横浜のオフィスということで、船舶照明を使って雰囲気を作るなど、普通のオフィスの提案ではできないようなことを提案できたのではないかと思います。
クライアント様からの声
今後の人員増員を見込んでの計画でした。ボルダリングの壁には、最初は戸惑いましたが(笑)、とても楽しいオフィスになりました!ここでの仕事が楽しみです。
今回の工事のボリューム
・平米数:75.5平米
・ご予算帯<500万円~700万円>
・工期:約1ヵ月