ロッククライミング満喫の暮らし/翻訳家Lisa Somersさん
山形暮らしを楽しむ人へのインタビュー。
今回は、アメリカから富山を経て山形市に移住し10年、翻訳家 Lisa Somersさんにご登場いただきました。
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Lisa Somers
アメリカ・コネチカット州生まれ。
イエール大学卒業後渡日し、富山大学非常勤講師などを経て、2010年山形市へ移住。現在、山形大学非常勤講師を務めるほか、デザインカンパニーakaoniのスタッフとしても活動中。
翻訳者として数多くの書籍の翻訳を行うとともに、2003年以降は世界ポスタートリエンナーレトヤマの国際審査員通訳を務めるなど通訳者としても活躍。
主な翻訳に『世界ポスタートリエンナーレトヤマ図録』(第7~12回/富山県立近代美術館)、『横尾忠則が招待するイッセイミヤケ パリコレクション1977→1999』(美術出版社)、『Saijoki – The Mogami Chronicles』(最上義光歴史館)、『永井一正 ポスターライフ 1957-2014』(青幻舎)などがある。
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〉山形暮らしの良さとはなんですか?
戦争さえない土地であればどこで暮らすのもOK、というのが私の基本です。だから、山形でも、違う街でも、どこでも私は楽しく暮らすことができるだろうと思います。どんな場所であっても面白い人や面白いものが必ずあるものです。そして自分がポジティブでありさえすれば、そうした面白い人や面白いものに必ず出会うことができます。
とはいえ、大都市に住むのはちょっとイヤかな。豊かな日常生活ができないから。イベントやモノがたくさんあることよりも、私が望むのは庭付きのゆったりとした広い家とか、静かな環境とか、カモシカが時々通るようなところ。そういう豊かさは山形にはありますね。
〉山形で一番の楽しみといえば?
岩登りです。知人が「山形にクライミングジムがあるよ」教えてくれたのが2014年の冬。すぐにハマりました。「ハマりまくった」というのが正しい表現かな?
それは山形市内の「デッドポイント」という屋内ジムで、残念ながら今はもうなくなってしまいましたけど、とても地味なジムでした。オーナーはロッククライミングのレジェンドで、そこに集まるのも、芯が強くてとても謙虚な、すごく素敵な人たちばかりでした。
そこでできた仲間にやがて屋内だけでなく「外岩に行ってみないか」と誘ってもらって山寺に行ってみると、またハマりました。もちろん最初は、怖くて、慣れなくて、どこを掴めばいいかもわからないし、落ちるのも怖かったですし、全然うまくできませんでしたけど。それが今はもう楽しくて楽しくて週に2回、岩登りに行きます。春夏秋は山寺に、冬は山形よりも暖かいどこかへ行っていますね。
〉リサさんの人生の喜びとは?
喜びは、どこにでもあるような、ちょっとしたことの中にあります。綺麗な花を見るとか、美味しいものを食べるとか、挑戦している岩登りのルートの課題に成功するとか、面白い人と会話するとか、猫の可愛い顔を見るとか。毎日無数のところにありますね。
暮らしの中で私が大切にしているのは、自分の好きなものや綺麗なものに囲まれて過ごすこと。身の回りのものは、お皿でもなんでも、自分が楽しめるものがいいです。タダでもらう景品みたいなものは好きではないのですぐに捨てますけど、自分にとって価値のあるものなら多少値段が高くても買います。例えばFREITAGは大好き。見た目もいいし、概念的にも面白いし、FREITAGを使っているのはとても気持ちいいです。あとはマリメッコとか北欧のホーローとか18世紀のイギリスのガラスの器とか、好きなものを探しては収集しています。
翻訳をやり、庭仕事をし、花とかハーブとかを眺め、大好きな料理もして、学校の先生も少しやって、akaoniでも仕事して、岩に登って、ワインを飲んで…。毎日忙しいですよ。ビンボーひまナシ、です。