材木座の地元に馴染む。ギャラリーカフェ「John(ジョン)」
地域のお店情報
材木座に面白い二つの店がある。家具雑貨等を扱う店「STOVE」とギャラリー兼カフェの「John」だ。隣り合うこれらの店は、実は夫婦がそれぞれに営んでいる。今回は、「John」の店主・石川有理子さんにお話しを伺った。
石川さんがこの場所にギャラリーを開いたのは、2018年の夏のこと。そのときほぼ同時に隣の「STOVE」も開店した(こちらはご主人が店主を務める)。夫婦がそれぞれに、自分の店を営むというのがなんとも面白く、ほぼ地元の人だというお客さんも、両方の店を行き来することを楽しんでいるようだ。
石川さんは、会社員時代からクリエーターのマネジメント業を生業とし、8年前に独立し現在もクリエーターのマネジメント事務所を営んでいる。いまでも「John」の運営と並行してこの仕事を続けているのだ。
「John」はギャラリーであるが、石川さんは、実は誰にでもこの場所を貸している訳ではないのだという。
なぜかと理由を聞いてみると「まずは作品を見せていただく。その上でいつも検討していますが、作家さんが本気かどうかは、重要なポイントだと思っていて。若手作家さんだとしても、企画から一緒に盛り上げて前向きに楽しめそうか。そこを見極めたいんです」という答えが返ってきた。
さらに「材木座のこの場所は、決して便利な場所ではありません。駅からも離れているし、観光の人は通らない道です。そんな場所で、なぜやってみたいと思ったのか。それも必ず聞くようにしています」とのこと。
確かにこの場所は観光客が少なく、地元の人と目的を持って来店する人しかほぼ来ない。そんな立地だからこそ、ときにシビアに、ときにローカル目線で作家と対話し、作家とお客さんの間を取り持つ。それが石川さんの仕事なのだという。そんな視点で常に作家を吟味しいるからこそ、材木座の地元の人たちにも受け入れられているのだろう。
「Johnに行けばなにかいいモノやコト、ヒトに出会える」そう言ってもらえることを常に意識している、と石川さんは話す。
石川さんがこの場所で「John」を始める前、ここにはおでん屋で、材木座に住む人たちが集まる憩いの場だったのだ。そこを縁があり、借りることができて内装も実はほぼおでん屋の時のまま。ラフでありながら、古い民家の味わいも残す改装具合が、ギャラリーとしても作品を引き立てる心地よい空間である。
「鎌倉で店を持つことは縁、そこに来てくれるヒトも縁」ということがよくわかる。
取材時には陶芸家・八代成美さんの個展を開催していたのだが、実は今回で2回目。八代さんとはご縁があってこの場所で個展をしてもらったそうだが、前回からのリピーターも多いという。さらに、現在「John」ではカフェも営業しているのだが、カフェを始めたきっかけも八代さんの作品だったそうだ(このカフェというのも、リピーターや地元の方が多く、自然と顔なじみが増えるのだそう)。
「もともとは八代さんの個展の間だけ器を使ってカフェをやろう、という話だったのですが、それが好評だったので、物件のオーナーさんにも交渉してカフェもやらせていただくことになったんです」と。
八代さんも、器を実際に使ってもらうことが嬉しく、その姿を見られることが作品づくりのやりがいにもなる、という。
カフェでは、コーヒーを中心にした飲み物と、季節のお菓子を提供している。「John」のお菓子は「bakeromi(ベカロミ)」(鎌倉や逗子などで活動する焼き菓子作家)さんが担当しており、週末は「小禄珈琲」としても同店で活動している。「bakeromi」さんのお菓子は季節感を取り入れていて、メニューはその日に決まるそう。なにが出てくるかは行ってみてのお楽しみ、というのも鎌倉らしい。
「John」で展示をじっくり見て、隣の「STOVE」にも顔を出し。買い物を決めたらカフェでのんびりと流れる時間に身を任せる。そんな過ごし方がおすすめの店だ。
名称 | 「John」 |
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業種 | ギャラリー・カフェ |
URL | |
住所 | 鎌倉市材木座一丁目6-22 |
TEL | 080-5389-5005 |
営業時間 | ギャラリー |
定休日 | ギャラリー |
アクセス | JR横須賀線「鎌倉」駅 徒歩15分 |
備考 | 今後のイベントスケジュールや、カフェ営業についてはInstagramをご確認ください。 |