罪悪感ゼロ「ヴィーガンフード」の美味しいアドベンチャーライフ
福岡を超えて伝えたいヴィーガン・チャレンジ
パンデミックの再発を阻止できる!? ヴィーガンというライフスタイル
世界経済がひっくり返ったようなコロナをきっかけに今までの「当たり前」が毎日覆される中、今後のライフスタイルを模索している人は多いのではないでしょうか?もちろん私もその内の一人。
先日、目にした4月末のイギリス日刊オンライン新聞INDEPENDENTにて「コロナのようなパンデミックが再び起きないようにするためには地球規模で“ヴィーガン”になることが最大の解決方法」とありました。これは科学、医者、公衆衛生、そして人権弁護士らなどの専門家にサインされたものでした。
現在明らかになっている感染症の4/3が動物由来。そしてそのほとんどが工場式畜産や野生動物の取り引きから来ているそうです。けれどまだ日本ではこの話はあまり語られていない気がしています。
そんなの難しいと思ってた10年
とは言え、完全にヴィーガンなんて無理でしょう???と、10年くらいユルベジタリアンだった私でも同じように考えていました。
しかし、この数年ひどくなる一方の気候変動、工場畜産の裏、世界的漁獲量減少、そして最新の栄養学を知れば知るほど、自分の健康のためにも!と、2018年の1月ごろ、私はあるドキュメンタリーをきっかけに夫婦で「ヴィーガン」というライフスタイルと考え方を本格的に目指すことを決意。
それからというもの生活の中のあらゆる罪悪感から一気に開放され、心の底から物事を楽しめるようになりました。そして一番驚いたのは自分自身の体調の改善でした。
無駄なぜい肉は消え、便通はその前と比べ物にならないくらい良くなり、肌もお腹の調子も生理痛も以前より楽に。それまで春先に毎年寝込むくらい崩していた体調が何事もなかったかのように今年も元気です。 年に4~5回は風邪を引いたりしていた私が、自発的に無理したせいで疲れをためてしまった時以外は、風邪や寝込むほどの病気に全くかかっていません。
おいしい冒険の始まり
しかもそれだけではないんです。ヴィーガン料理って最高に美味しいんです!そして美味しいだけじゃなくヴィーガン料理の「味の幅」に今だに毎日驚かされています。何通りもの組み合わせ、今まで食べたことのなかったような植物性の食材との出会い。
というのは、例えば植物性の牛乳の代用品は私が知っているだけでも8種類も。
豆乳、アーモンドミルク、オーツミルク、米ミルク、ヘンプミルク、ココナッツミルク、カシューナッツミルク、クルミミルク、などここには書かれていない私がまだ出会っていない植物性のミルクがまだまだありそうです。
しかもどれも牛乳に負けないくらい栄養価は高く、それぞれの個性ある味と風味に舌触り。そしてドライの状態から手づくりすれば保存も効くし牛乳より手頃な値段のものも。
その素材それぞれが他の具材と組み合わさると、同じコーヒー一杯でもそれはもう何通りもの美味しい味の幅の広さを楽しむことができます。
さらにその色。色の鮮やかな野菜はビタミンや抗酸化物質が多く含まれるため、カラフルなヴィーガン料理は目で楽しめるだけでなく、栄養価も高く免疫力も上げてくれるのです。
食べた後の体は軽く、植物性の食事は消化が良いため夜寝る時間も短くなり。動物性のものとくらべると食中毒の心配もほぼありません。
こんないいこと尽くしのヴィーガン料理を、一人でも多くの人に体験してほしい!!!と心に決め、旦那はそれまで4年ほど経営していたサンドイッチショップの営業を終了させ、夫婦二人でヴィーガン料理プロジェクトを発足させました。
店舗の家賃というハードル
友達の紹介で福岡市の都心部にある”大名”という若い人の多いお洒落な人気エリアで期間限定のお店を1年ほど一緒に経営参加させてもらいましたが、路面店でもあったので家賃が高いというハードルが大きく、ほとんど給料なしの状態で運営していました。
しかし、その1年間のおかげで驚くほどたくさんの方に出会い、とても喜んでいただき店舗が終了した後もケータリングやポップアップ、イベント出店のお仕事をいただくことができました。数か月キッチン無しの状態でフリースタイルで運営していましたが、飲食業でキッチンがないのはさすがに限界を感じ、店舗でなくキッチンのみの物件を探すことにしました。
そしてついに見つけたキッチンで、3月から契約を始め1か月でキッチンを完成させ、許可関係も無事に取得。すでにケータリングやイベントへの出店などのお仕事のお話をいただいてたため好調にみえたスタートもコロナの影響を受け、100%キャンセルに。
スタート前から計画を変更しテイクアウト事業へ走り出したのですが、全国でも一二を争う福岡の飲食店産業の飲食店も全てテイクアウトに変更したためその競争の渦へ勝負を挑む形となり、いきなり経営はマイナスへ。
嬉しい助っ人
そんな中、オープン2週目から正義感の強いヴィーガンコミュニティのつながりのおかげで半年前よりスペインからワーキングホリデーで在日していたヴィーガングルメで料理が大好きな女の子ペコちゃんが、私達のプロジェクトを見つけ、私が別で運営している民泊に無料で滞在する代わりにインターンとして働いてくれる事となりました。
インターンといっても彼女のほうが上手なんじゃないかという素晴らしい経歴。スペインの大学で映像を学びイギリスでテーブルデザインの仕事をし、その後日本とイギリスを含むヴィーガンレストランなどで経験を積み、美しいヴィーガンレシピYoutuberでもある凄腕の彼女。
こんな今だからこそ素晴らしいヴィーガン食を広げたい
全国緊急事態宣言となり、残念ながらそんなスゴ腕の彼女がたくさん働けるほどの注文は少なく、そんなコロナショック中に普通に宣伝や営業して回っても自分たちの本当にやりたいことにはつながらないような気がしていました。
元々ヴィーガンというコンセプトで福岡だけでなく県外や海外でもヴィーガン料理の素晴らしさを伝える活動をしたいと思い今のキッチンのスタイルにしたこと。そして単純に「売り上げを伸ばしたい」ということではなく、ヴィーガン料理を通してたくさんの人に健康になってほしい。ヴィーガンやベジタリアンでなくとも、楽しく、気軽に、その素晴らしさに触れてほしいと思っていました。
売り上げなんて後からついてくるんじゃないの?
と、ここは焦らず、こんな時だからこそできることにフォーカスしようと決め3人でアイディアを出し合いました。
インスタライブと、料理チャレンジアカウント
いつも「植物性だけでどうやってつくるの?」とよく聞かれていたこと、ヴィーガン料理は意外と簡単でしかも手ごろな値段でできること。
それを伝えるべく2つのアイディアを実行することにしました。
一つは今一番の集客元となっているインスタグラムのアカウントで、ヴィーガン料理番組をライブ配信すること。
インスタグラムライブなら、Youtubeのように完全なオープンプラットフォームでないため、直接つながっているフォロアーからの広がりの中で見てもらえること。シャイなシェフの旦那は断然これに賛成。
今まで一番稼ぎ時だった日曜日が緊急事態宣言後、売り上げがゼロだった日があり、きっとこの時間はみんなが家で自粛しようとしている時だからこそつながれる時間を作りたいと日曜日の夕方に配信を決定。
今4回目の配信を終えましたが、アーカイブで残る次の日まで見れる24時間の間にトータルで約200人近くの人たちが見てくれて、すごく嬉しいことに「ライブ見たよ!」と買いに来てくれるお客さんも何人か増え、県外や海外に住んでいる方が見てくださって応援のコメントをいただいたり。ローカルだけでなくグローバルなつながりも少しづつ増えてきています。
2つ目は、「ヴィーガン」という言葉自体が新しい日本で、日本語でのレシピが特に少ないのと、自粛のために家にいる時間が長くなり新しいことにチャレンジしたい人たちのきっかけづくりのため、ヴィーガン料理チャレンジのインスタグラムアカウントを作成することにしました。
これは元々他の料理チャレンジアカウントにインスパイアされたから。英語やスペイン語のチャレンジアカウントは沢山あるのに、日本語バージョンのものがまったくないので、私たちがこの機会に運営をスタートさせようと考えたのがきっかけでした。
さっそく、インスパイアされたスペイン語の料理チャレンジアカウントにもご挨拶のメッセージを送り、日本語バージョンをつくることを伝えると、お互いに協力し合いフォロアーを増やせるようサポートし合おうと温かい返事をいただきました。
週一で決められるテーマに合わせてレシピとそのチャレンジした料理の写真を月曜日に投稿し(#ヴィーガン料理チャレンジ、@その週のジャッジを添付)私たちが指名したジャッジが最終2つの投稿を選び、最後の2つのレシピから一つをフォロアー全員で投票しその週の勝者を決めるといった内容。
海外バージョンアカウントの投稿は見た目も美しくハイレベルな投稿がたくさんある中、まだまだ始まったばかりの私たちの「ヴィーガン料理」へのチャレンジや学びがどう生かされていくのか?
今後もやり方を模索しながらも、私たちのヴィーガンフードのおいしい冒険はつづく。
[Instagramアカウント]
@lights_fukuoka (ヴィーガンフードプロジェクト、料理番組ライブ配信)
@veganbaru_jp (ヴィーガン料理チャレンジ)
[ヴィーガンになるきっかけをつくってくれたドキュメンタリー映画]
– WHAT’S HEALTH 「健康って何?」
– COWSPIRACY 「サステイナビリティ(持続可能性)の秘密」
– GAME CHANGER 「ゲームチェンジャー:スポーツ栄養学の真実」