佐藤屋 ゴールドカステラ/やまがた手土産015
地域の連載
今回お持ちしましたのは、「佐藤屋 ゴールドカステラ」です。
♪ さわやかな まごころを 贈りましょう あの人へ
♪ のし梅は 佐藤屋で どうぞ
という唄が流れるローカルCMは、山形育ちにとっては懐かしい響き。本当に、どこか遠い場所にいても、これを聞けばふるさとを思い出すような、そんな唄。それくらい、この佐藤屋という菓子店は、このまちに深く根を下ろしている気がします。
さて、佐藤屋といえば有名なのは「のし梅」です。知らぬはモグリ、と言っても過言ではないだろうというくらいの、山形を代表するモノです。たしかに、お土産に、贈りものに、それはとてもいいチョイスなのはまちがいないでしょう。デイリーユース用の簡易パッケージでも販売されていますから手土産はもちろん、日々の気軽なおやつとしてもいいでしょう。
さらには、のし梅とチョコがコラボした「たまゆら」などは上品さも、もっといえば「気品」すら感じさせて、とても人気が高いです。
けれども、私がチョイスしたい手土産は「ゴールドカステラ」です。
「あの人になにか手土産を…」なんて思いながら佐藤屋さんのお店に入ってさあ何にしようかなと見渡していると、私は結局のところたいていこのゴールドカステラにたどりつきます。その理由のおそらくひとつは、「カステラ」という言葉の響きのなかに、どこか明るく華やかなイメージを私が勝手に抱いているからでしょう。「カステラ」ってだけで、なんだかこころがキラキラしてくるんですね。カステラはみんな大好き、って勝手に思い込んでいるのかも。
そして、もうひとつの理由はパッケージです。「ゴールドカステラ」という名の通り、箱はゴールドの輝き。それを、まるでカステラそのもののかのように茶色のラインが縁取っています。そして正面には「ゴールドカステラ」の文字。さらにアルファベットの「g」の文字。この「g」の字体も、丸がふたつついたお団子タイプの「g」です。小文字だというのに、この堂々とした存在感は一体どうしたことでしょう。
威風堂々。カステラ1本。いざ勝負。という感じです。
これを手土産に人に会いにいくのは、こちらとしても、いっそ潔くて気持ちがいいのです。背筋がピンとしてきます。いくつもの種類の焼き菓子を詰め合わせたセット箱みたいなものを持っていくときとはワケがちがいます。1本勝負。これでダメなら俺を斬れ!とさえ言いたくなります。
いつか誰かがあなたの前にこれを手土産に現れたときは「あ、こいつは本気だな」と思っていただいていいのではないでしょうか。そんな気がしています。
※シリーズ「やまがた手土産」は山形市在住のライター那須ミノルがじぶんの価値観に従ってセレクトした手土産たちの素敵なところを勝手にご紹介していくコーナーです。
photo by 根岸功
屋号 | 乃し梅本舗 佐藤屋 |
---|---|
住所 | 山形県山形市十日町3-10-36 |