はじめての「仙山線」
地域の連載
※ライター中島による、山形で体験するはじめての食べ物、イベントなどを記録するコラムです。
山形と仙台。食文化や温泉など自然の恵みを享受できる山形と、100万人都市としての大規模なビジネスや商業機能を持つ仙台。通勤や通学の行き来も盛んで、それぞれの良さを取り入れたハイブリッドな暮らしをする人が山形には(そして仙台にも)多くいます。
主な移動手段は車かJR仙山線、もしくは高速バスで、移動時間はわずか1時間程度。最初に山形から仙台へ行ったときは、こんなに気軽に行けるものかと本当に驚きました。
高速バスは通勤や帰宅時など時間帯によっては10分に1本のダイヤで、来たバスにピョンと乗ればOKというその使い勝手の良さから、私は高速バスを使うことが多かったのですが、先日思い立って仙山線に乗ってみることにしました。
仙山線は、仙台駅から山形市の羽前千歳駅を結ぶJRの鉄道路線。雪の日の午前、仙台から山形へ向かう快速列車の車内は学生や通勤の人々が中心。仙台から郊外を抜けて、秋保温泉がある愛子(あやし)、またまた温泉地である作並を抜けて、山寺、そして山形へ。
線路が雪の粉を吐きながら奥羽山脈を越える列車の旅。電車の心地よい揺れとともに険しい森や渓谷、湯煙がたつ温泉地、のどかな集落など移ろいゆく風景を見ながら進みます。自然の中を間近に走り抜けていく、それは高速バスとはまた違った風景。
はじめての体験だったせいか景色を眺めていたらあっという間の到着でした。約75分の森を抜ける小旅行。ただの移動ではなく、なんだか「旅」という言葉が馴染むような時間。次は新緑や紅葉の季節に乗ってみようと、ひとつ楽しみを見つけて山形駅に降り立ったのでした。
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