新参者はポールを訪ねよ
「Olympian」「ALCHEMY」「Z ROOMS」ポール・アピスさん
外国暮しが長かった人、神戸を訪れた場合は是非ポールを訪ねてほしい。
ご存知の方も多いが神戸は外国人が古くから多く住んでいる街。外国人バーや外国人コミュニティーも複数あるが、ここは少し違う。
彼は、神戸の中心である元町駅からほど近い、トアウエストと呼ばれるショップやレストランが立ち並ぶエリアの路地裏で3つの空間を運営している。空間と表現したのは、その場が多様な使い方をされており、一言で表現するのが難しいから。
まずは、路地裏のビル1階にあるOlympianから。昼間は英会話の先生達が生徒にレッスンをするためのスペースとして利用されている。フリーランスの外国人が英会話をこちらで教えられるようになっている。外国人は様々なビジネスで生計をたてているが、英会話は一つの方法。そうしたフリーランスの人達を支える場になっている。
そしてその場は夜になるとAlchemyという名に変わる。おおよそ夜20時以降(日によって違うのでご注意)はバーとして営業している。バーカウンターには、ポールやフェリックスというこのスペースの中心人物が居る。
ビルの上階は、Z ROOMSと呼ばれ、住むための空間として運営されている。日本に来て長期滞在する外国人がステイして行く場として使われていたり、20代の建築系やライター系の仕事をしている日本人も住んでいる。
この場のオーナー・ポールはアメリカの東海岸の出身。大学で経済学を学んだ後、アジアに興味を持ち、はじめは台湾に渡った。だが、台湾の環境が水に合わなくて神戸の大学院で勉強するためにこの街にやってきた。そしてこの空間と出会う。当時はほとんどが利用されていないビルだったそう。
彼は「organically grow(有機的に成長すること)」を心掛けていると言う。
この空間のスタートは、1階で英会話学校を始めたこと。まずは、空テナントにテーブルと椅子を置いて、英会話教室を始めた。生徒が1人、1人増え始める。
ふとしたタイミングにアメリカ人でMIT(マサチューセッツ工科大学)の医学生が神戸にやってきて、この街が気にいったから少しの間ここに居たいと言い出した。ポールはその医学生にも英会話の先生となってもらい、そのかわりに、彼にステイ場所を提供する、という価値交換を行った。
そこから、この空間が飛躍的に成長し始める。このMITの学生が神戸のここが面白いと口コミで伝えだして、ボストンの高学歴の学生が次々に神戸にやってくるようになる。その後、今の建築家の入居メンバーなどがやってきてDIYで改装をしたいと言ってきた。ボロアパートだった空間が改装され、口コミが少しづつ広がり若い入居者が増え始める。
昨年の10月、1階の英会話教室を改装して、夜はバー営業を始める。このエリアの溜まり場的な空間として機能し始め、上階に住むメンバーや、外国人、そして近隣の人達がやってくる小さなサロンになっている。
ポールに、なぜこの空間を運営しているのか聞いてみた。「personal connection(人と人の繋がり)」と「motivate to travel(旅の動機をつくること)」と言う。人生は旅のようなものだし、若い間にユニークな人に数多く出会ってほしい。そんな場をつくりたい。そして日本人が外国人ともっと交わって外国に旅に出ることを奨めたい。その旅先でもいろんな人と出会い、人生を豊かに暮らしてもらいたいと思っている。そんな彼は現在、ボストンでも同じような施設を作り、ボストン・神戸間の人の動きを作りたいと目論んでいるそう。
神戸には外国人コミュニティーが数多くあるが、こちらは新参者が自然に馴染める場所だと感じる。神戸に来たら、Alchemyに行ってポールに会ってみて欲しい。
屋号 | Olympian, Alchemy, Z ROOMS |
---|---|
URL | Olympian: https://www.facebook.com/OlympianLanguageCenter?fref=ts |
住所 | 神戸市中央区北長狭通3-5-5 |