北九州・小倉にプチ移住／地域や人に触れ出逢う、占部ともさん

2020年9月より旦過の一角で、ローカルスタンドバー・wataridoriのオープンをきっかけに、北九州・小倉へプチ移住をはじめました。

占部さんにとって新しい土地、北九州での暮らしとローカルスタンドバー・wataridoriについてお話を伺いました。

―東京で大学生として生活していた占部さん。どういった経緯で北九州で暮らすことになりましたか？

「コロナウイルスの影響により、春から大学の講義がオンライン受講となったことから、南阿蘇で農業をして過ごしていました。
南阿蘇から東京へ帰る途中、ひとりひとりが豊かに働き・暮らせる社会を目指し、人と組織づくりを行う「株式会社meguri」を経営する、杉本綾弓さんと出会いました。この出会いをきっかけに東京へは戻らず、九州で拠点探しをしていた綾弓さんやミャンマーで約3万人の地域住民へ事業支援を行う、加藤侑子さんたちの九州一周旅に同行させてもらいました。そして、旅の最中に多拠点生活や移住を応援するローカルスタンドバー・wataridoriの計画が動き出しました。」

　ローカルスタンドバー・wataridoriでは、コンセプトであるさまざまな地域や人と触れ、出逢ってほしいという願いを込め、分身ロボットOriHimeを通じてちょこっとおしゃべりをする「OriHime ちょこっと飲み」も企画していたそうです。

―分身ロボットOriHimeを使った活動を教えてください。

「医者をしている母からOriHimeの存在を教えてもらい興味を持っていました。これまで、OriHimeを通して距離や障害を超え、色んな場所・人とコミュニケーションを取れる内容を企画してきました。
「OriHime ちょこっと飲み」では、日本全国から活躍されている方々をゲストに迎え、OriHimeを通して遊びにきていただきました。そしてOriHimeに関連した収益は、北九州に還元出来る活動に使用しています。例えば、面会が制限されている病棟への面会、一時帰宅のサポート。小児病棟からOriHimeを通じて、北九州にある企業の社会科見学が出来ないかと動きだしています。」

―スタンドバーの営業からOriHimeの活動まで実際にカタチへするのは、実行部隊である占部さんの仕事だそうです。初めて経験する事も多かったと思いますが、実際に動き出して手応えはありましたか？

「継続することが大事だなと改めて思いました。私自身、色んな方との出会い・繋がる場になりましたが、その出会いを次に活かす仕事や、新しいコミュニティーの場にすることは出来ませんでした。ですが、今はこの4ヶ月で出来た繋がりの中で、分身ロボットOriHimeの活動を続けていきたいです。どこかにお店や拠点を構えるより、色んな場所に行き「出張スナック」が出来たらと考えています。」

ー最後に、占部さんにとって北九州・小倉の街はどう映りましたか？

「みんな優しく、良い意味でおせっかいなおばちゃん気質の方が沢山居ます。その方達のおかげで楽しく過ごすことができました。バーで営業をしていると、晩御飯を買ってきてくれたり、カイロを大量にくれたり、心優しい方が多いです。
地元の方に小倉の印象を聞かれた時は「都会と田舎の中間の街」だと答えます。場所は都会で人も多いですが、噂はすぐ広まり、街を歩いてるとよく知り合いに出会す田舎特有の感じもあります。
旦過市場が近くにあるのも魅力のひとつですね。東京では見れない光景が旦過市場にはあります。行けば行くほど面白く、旦過市場での買い物が日常となりました。」

北九州にプチ移住をはじめて４ヶ月。ローカルスタンドバー・wataridoriの北九州での営業は一旦終了しました。しかし、ローカルスタンドバーのコンセプトと同じく、ひとつの拠点にこだわらず、より多くの地域や人と出逢い続ける占部ともさん。
今後の活動や、新たな拠点地での活躍が楽しみです。