人が自然とつながる小料理屋
福岡都心のオススメ和食屋「喜々」
おいしいものは五万とある街とよく言われる福岡ですが、関東から移住してきたグルメ人がよく集まるというお店があるというウワサを聞きつけ、行ってみました。
福岡の都心、デパートが並ぶ渡辺通りと観光客でにぎわう中洲へつながる国体通りの交差点近く、路地を一本奥に入るとタイムトリップしたかのような昭和長屋が並んでいる一角があります。
木のドアを開けると「今日も一日おつかれさま。」と、優しい男性の声が聞こえてきました。
そこは9席7坪の小さな小さな小料理屋「喜々」(きき)。
一人客に女性客、サラリーマンと、多種多様なお客様が集まるそうですが関東からの移住者の方は特に多いのだとか。
東京でお酒や有機野菜などの様々な食に関わったというオーナーのタジマさんが3年前に福岡へ移住され2013年にお店をオープン。
冬は体を温める野菜を、夏は体を冷やしてくれる野菜を使うそうです。今回いただいた前菜“和食”という枠を外れた野菜の斬新な組み合わせが新鮮でした。(とっても美味しかったです!)
またブリの季節には大分産のブリを使って「ブリフェス」をやり、クエの時期には、肉に勝る味わいを持つと言われる佐賀県産のクエをつかい「クエ会」をするなど、“旬”の物を中心とした料理使った数量限定もしくは予約のみで開催。
といった具合に東京での経験を生かし関東では人気のため高価となってしまう魚種を九州価格で仕入れ、関東から来られるお客様を意識したメニュー・イベントを不定期で企画。
お酒もタジマさん特製、旬の果物を入れているというカクテルビールから、九州産のお酒、焼酎、日本酒、ワインやラムまで揃っています。
九州・福岡ならではの旬の料理を手ごろな値段で味わうことができるところが、街のグルメ達が自然と寄って来る所以なのでしょう。
そして、タジマさんがこだわるお皿やグラスはアンティークを中心としたもの。各所にセンスが感じられる演出。
「来店された方の縁をつないでいくのが私の役目です」。ここではお店にこられるグルメなお客様同士が、実は共に福岡に移住し起業した人だったりして、ご縁ができて一緒に新しいビジネスを始められたりする…なんていうケースもあるそうです。
“食”を通じたコミュニケーションによって人と自然に繋がることができる小料理屋「喜々」。地下鉄「天神南」駅辺りを訪れる機会があれば是非オススメしたい場所です。