福井のみなみの季節と養生 #12初夏の巻「新緑の若狭町を歩こう」
連載
福井のみなみの季節と養生は、福井の南に位置する敦賀でユニットを活動する養生デザインのお二人(青木さん、山中さん)と、reallocal福井ライター牛久保で、季節ごとの養生についておはなししていく連載です。
※養生…身体の状態を整えること
いよいよ夏の始まり。過ごしやすく活動しやすい時期
養生デザインの青木です。お日様の降り注ぐ気持ちの良い季節になりました。
今年はここ数年の中では最もコロナ禍の制限がかからないゴールデンウィークでしたね。みなさま、お出かけされましたか?遠出でなくても近場で楽しい体験をされた方も多いのではないでしょうか。
この時期は汗ばむことはありますが、春のような気温や気圧の変動も少なく、木漏れ日や風など自然を五感を通じて感じることができる心地よい季節。これから夏至に向けて活動の量をぐーんと増やしておきたい季節でもあります。
春にまいた種を、十分に育てるイメージで、日中は少しでも動き活動することを意識してみてくださいね。
新茶を飲んでスッキリと
さて立春から数えて88日目となる八十八夜を過ぎ、立夏を迎えました。
八十八夜といえば、新茶。この時期に摘み取られたお茶は、春からのエネルギーがぎゅっと蓄えられている生命力に満ち溢れる健康長寿のお茶とされています。私も毎年楽しみで仕方ないのですが、この時期しか味わえない新茶はみずみずしくスッキリして、ほんのりと甘いのが魅力。この爽やかな味と新緑から初夏を感じています。
緑茶は身体の余分な熱も冷ますのも手伝ってくれるので、日中に暑さを感じるこの時期からのおすすめの飲み物ともいえます。動いた後の心地よさからついついウトウトとなりがちな方は、緑茶で頭をスッキリさせるのも良いですね。この時にミントを浮かべるとさらに頭も目もスッキリ。気持ちもシャキッとなるので、ぜひお試しくださいませ。緑茶は消化を助けてくれるので、食後にもおすすめです。
夕食を終えてホッとするひとときは温かい緑茶で。胃の中がスッキリするのを感じられますよ。ただし、緑茶にはカフェインも含まれています。眠りの浅い方や夜寝つきが悪い方は、緑茶をはじめコーヒーや紅茶も夕方までにとどめるようにしましょう。
海も山も湖も!一年を通してゆったりとそれぞれの幸を楽しむことができるまち、若狭町
これまでこの福井のみなみの季節と養生で、一番紹介したものが多かったのが若狭町です。私、養生デザインの山中の生まれ育った町ですが、福井梅、鰻、梨、縄文博物館、熊川葛等、魅力がたっぷり詰まっています。
今回は、これまでの紹介を通じて感じたことを話したいと思い、若狭町観光商工課の岩崎誠さんを訪ねました。
若狭町の魅力はとても分かりやすく、海も山も近く、どの自然も豊かな実りを兼ね備えているところ。「五彩の水が織りなす自然、歴史、文化を活かした観光まちづくり」が大きなテーマとして掲げられています。
岩崎さんからたくさんの若狭町の魅力をお話いただきました。民宿ではこんな楽しみがある、この季節にはこれを食べてほしいなど、若狭愛の詰まった情報ばかり!四季折々楽しめる若狭町。ぜひみなさんにも来てほしいと改めて感じました。
初夏~夏の楽しみ方。新緑の若狭町を歩く
自然の色彩豊かな若狭町。これからの季節は緑の季節。ぜひ若狭町に訪れたら、ウォーキングやサイクリングで様々なスポットに足をのばしてほしいところ。今回訪れた新緑ウォーキングおすすめスポットは、若狭町の中でも私(山中)の地元にある三方石観音です。
三方石観音をご案内しながら、歩く姿勢のポイントも合わせてお伝えします。
三方石観音は弘法大師一夜の作と言われ、秘仏である御本尊のご開帳が33年に一度行われます。次は2026年10月に予定されています。
本堂までの参道中央付近には、大きな石とその上に鶏の石像があります。これは、弘法大師が観音像を彫られている時に夜明けを告げる鶏の鳴き声を聞き、未完成のまま下山された言い伝えがあることから”鶏鳴石(けいめいせき)”とも呼ばれています。
ここで、歩く姿勢のワンポイント!
階段を昇る時、足元が気になりついつい下を向いていませんか?
歩きやすくするには、視線を上げ行く先を見ること。
股関節が使いやすくなり足が上げやすくなり、背筋もスッと自然と伸びます。
どうしても足元が気になる方は手すりを持って、視線を上げてみて下さいね。
本堂で参拝を済ませると隣にあるのがお手足堂。ここには、手足をはじめ身体の病の平癒を願ってお参りし返納された手型足型がたくさん奉納されています。その数や様々な形から古代からの信仰の深さを感じます。
今回は、若狭町にある三方石観音を取り上げましたが、新緑のこの時期はみなさんも地元の神社やお寺など、緑のあるスポットへお詣りを兼ねてぜひ歩いてみて下さい。木々の緑や初夏の空気が心地良いですよ。
そして、階段を見つけたら視線を上げることを意識し、足取り軽やかに昇って下さいね。