築74年の書店を、新感覚の出会いの場にリノベーション
「本で人を結ぶ」クラウドファウンディングを開催中!
山形の中心市街地である七日町シネマ通りで、何年もの間シャッターを閉めていた郁文堂書店。かつて、斎藤茂吉さん、司馬遼太郎さん、そして絵本作家の荒井良二さんも訪れた、築74年の山形の歴史ある本屋です。
この昭和にタイムスリップしたような雰囲気を活かしながらリノベーションし、本をコンテンツとした新しい拠点を作ろうと、東北芸術工科大学の学生である追沼さんと芳賀さんが立ち上がりました。
七日町ではシャッター商店街化が進み、日頃からとてももったいない…と感じていたおふたり。機能を失ってしまったお店や建物に、その歴史を継承しつつ、自分たちの手で、新しい物語を作りたいと考えるようになりました。 郁文堂のオーナーである伸子さんと出会い、この場所で生まれたたくさんの物語を聞いているうちに、本を通じて多くの出会いを生む場所を作りたいと強く思うようになったといいます。
プロジェクトのゴールは、本屋でもなく、図書室でもない、新しい本の空間をつくること。売買するだけの大型チェーンにはない、楽しく談笑をしたり、訪れる度に発見や出会いが生まれるような場所づくりを目指しています。
ノマドワークに適したfree wifiや電源が装備されたり、ママ会を開いたり、多目的なスペースとして活用できるほか、地元の工芸品やアーティストの作品を扱うショップも展開されるとか。
このプロジェクトの一番の特徴は、一般的な本屋や図書室では叶えられない、“街の人々が作っていく本屋”であること。ここでは、訪れる人々の本が並べられるのです。その仕組みをご紹介しましょう。
まず、自分の好きな本や、おすすめの本に感想文を添えて並べます。訪れた人はその中から気になる本を手にとって、感想文を書きます。持ち主の大切な本なので、読んだ後はしっかり棚に返してあげてくださいね。感想文には、読者の数だけ、その思いが綴られていきます。
なんだか交換日記をしているようなワクワク感。自分の“好き”が誰かの共感を生み、そこからにじんでいくように広がるコミュニケーションから、このプロジェクトは「結び」と名付けられました。
実はこの郁文堂書店、先日賑わいを見せた山形ビエンナーレ期間中に1日限定でオープンしました。
ずらっと一面に並べられた本に囲まれ、あちらこちらで談笑する人々の姿はあるようでなかった印象的な風景でした。誰かと話すことで、物語がさらに豊かな表情を持って見えてくるはず。ここは、本を通じて人々の共感が行き交う場所なのです。
この「結び」プロジェクトを実現するために、現在クラウドファンディングを行なっています。詳細はこちらからご確認ください。
山形市シネマ通りのエリアリノベーションとして、「とんがりビル」「BOTA coffee」に続く新拠点。人と本、そして人と人とを結ぶ場所のオープンが、今から待ち遠しいです。