福岡の「人」に触れてほしくて
千年夜市 主催 松岡まさたかさん
福岡の夏~秋の風物詩となっている、福岡の食・探・楽を集めた「千年夜市」。
その運営は、地元福岡を愛する主催の松岡さんと、周りの仲間たちの’ほぼボランティア’から成り立っているというから驚きます。
遊び場を作ることに骨身を削る松岡さんに、お話を伺いました。
関連記事:’旅とローカルの交差点’をつくりたい 8/4(金)~10/28(土)毎週金土 千年夜市
ー「遊び場作り」を始められたきっかけは?
今思えば20代の頃、クラブの店員として5年働いたことが元になっている気がします。
東京からゲストを呼んでギャラを払い集客に熱を上げる日々を過ごし、これは福岡のみんなのためになっているか?という疑問を持つようになって。
東京と比べずに、広く繋がりを作り、もっと自分たちで生み出して楽しむことができるんじゃないかなと。福岡からスターが生まれないとカルチャーは生まれない。もっと新しい文化を作った方がいいと思いました。
ー千年夜市のモチーフはアジアのナイトマーケット?
2009年ごろ、そんな想いからクラブを辞めるタイミングで、香港のDJたちを福岡に呼んで、福岡からはDJを連れて香港へ行って、お互いの土地でプレイするクラブイベントを主催しました。
アジアのナイトマーケットを経験したのはその時が初めてです。 ローカルの人に触れて盛り上がると、小さなミラクルが起こったりするんですよね。仲良くなって、また会いに行くきっかけになったりとかそんなことが。
同じくらいのタイミングで、県外の人に「福岡の夜はどこに行ったら楽しい?」って聞かれて思いつかなかった事もありました。
「アジア諸国では生活の一部として毎日のように存在するナイトマーケットのような光景を、福岡にも。」いつからかそう思うようになり、いわゆるハコ(お店)ではなく、もっと手前の、みんなが集まる’場所’。「とりあえずあそこに行こう」となるような、場所を作りたくなったんです。
こんなことがやりたいんだよね〜と周りに話していたら、観光に関わってる人に紹介するよって言ってくれる人が出てきて。
ー約3か月間、毎週末公園を借りるってすごいですね!
最初は、当然だけど公園をどうやって借りていいかもわかんなくて。県と市、両方の窓口に往復する日々でした。
まずは「公園を借りて何かをすること」から初めて、テストに付き合って出店してくれる人を集めて、知り合いに音楽機材を貸してもらい、天神中央公園の一部で小さくスタートしました。敷地内に那珂川水上バス・福博みなとであい船の乗り場があったので、観光客の人が立止まってくれる事もありましたね。
だんだん公園の活用の仕方が分かってきたところで、さらなる盛り上がりを求めて現在の清流公園に移りました。
やっぱり公共空間なので、色んな方から色んなご意見はいただきます。区役所に何度も呼び出されますし・・。笑
ー千年夜市の運営以外にはどんなことをされているのですか?
博多駅で定期開催している「博多ファーマーズマーケット」の運営もやってます。
こちらは九州各地から出店を募り開催していて、九州の色んな野菜や加工品と出会う場所を作っています。
あと最近興味があるのは、福岡県八女市で全国一の広さを誇っている「放置竹林」。
竹って、すごいパワーがあるなと思って。煙たがられる存在だったりもするけど、なにか面白いことできないかなーと。
まずは筍の販売から初めてみようと考えています。
ー思い描く理想の千年夜市とは?
福岡の良さは、「食」「街のジャストサイズ」「街と自然の融合」「気候」「チャレンジできる環境」などなどですが、なにより「人のあたたかさ」。
これを観光客の方々に分かってもらえるような場所づくり。 地元の人がお店を出して、地元の人が遊びにきて、観光客が地元と交流して出会って、再会して。
これから千年先の未来まで繋がっていってほしいと思っています。
誰でも気軽に楽しむことができるのが、遊び場としての魅力。
遊び場をつくる。わくわくする。遊ぶ。触れる。繋がる。広がる。
ローカルの魅力を知るには、まずは「人」に触れてほしい。
松岡さんの千年先を見た挑戦は、まだまだ続きます。