「RENEW×大日本市鯖江大博覧会」レポート
2017.12.26
そろそろ今年を振り返ってもいい頃になりました。お正月用品が並び始めデパートやスーパーでは赤と白の装飾が目立つようになりました。赤と白、白に赤、白地に赤い丸、それですぐさま連想するのは、10月12日(木)~10月15日(金)福井県鯖江市河和田地区で開催された「RENEW×大日本市鯖江大博覧会」のあの赤い丸です。
メイン会場のうるしの里会舘では、福井県初出展の中川政七商店の大日本市鯖江博覧会。期間限定ショップではじっくり見てお買いものをするたくさんの笑顔のお客さまで大混雑。
その4日間は、ひとが笑顔でまちを行き交い華やかでお祭りのようでした。
福井県鯖江市河和田地区には産地がたくさんあります。全国的にも有名な眼鏡、1500年以上前からつづく越前漆器や越前和紙、越前打刃物。
ものが生まれるその場所を見学できて職人さんとお話できる機会はなかなかありません。それは職人さんにとっても同じ。「RENEW×大日本市鯖江大博覧会」では至近距離でひととものに出会えました。
鯖江駅の駅員さん、バスやタクシーの運転手さん、鯖江市役所の職員さんの心がはずんでいる姿、道路脇の花壇をお手入れしたりお掃除しているまちのひとにも出会いました。「RENEW×大日本市鯖江大博覧会」スタッフや職人さんだけでなくまちのひとも楽しみ同じように迎える気持ちでいてくれたから楽しめたのですね。 うるしの里会舘ではtokyobikeによるレンタサイクルのサービスも。河和田の自然豊かな景色や風も楽しみながら工房巡りができました。 レセプションパーティーや様々なトークイベントが開催された「PARK」の夜の様子。併設されたカフェ「公園食堂」のとっても美味しいカレーパンと山うにスープは会期中の行動食にぴったりでした。※山うにとは、 柚子、赤なんば(完熟したししとう)、塩、タカノツメを材料にした河和田伝統の薬味です。美味。 工房見学させていただいた「谷口眼鏡」の谷口康彦さん。河和田に対する優しくも強い思いも聞かせていただきました。 伝統的な丸物木地師としての技術を継承する「ろくろ舎」。動きのひとつひとつが目の前のものを作るためだけに。無駄がなく力強く美しい。 普段のお仕事を再現してくださった越前漆器の「漆琳堂」の嶋田希望さん。温度や湿度を整え、職人さん自身も調え、漆という特殊な素材と絶えず呼吸しながらの製作。ものではなくこの全ての工程を受け取っているのだと実感。 漆琳堂さんの直営店ではtokyobikeと作った漆塗りの特別な自転車の展示も。漆の可能性に驚きです。 柳家小さん師匠の博覧会寄席や雑誌ソトコト編集長の指出一正さんやウェブマガジンgreenz.jpプロデューサーの小野裕之さんの働き方や移住をテーマにしたトークセッションなどもあり、このまちや自分のまちにより深い興味関心がわく多彩なイベントが開催されました。
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わたしは歓喜で包まれた最終日にふと思いました。「普段の河和田を見てみたい。」
ひとつひとつを丁寧に、とびきりの笑顔で、たくさんのひととものに出会えたこのまちだから、なんでもない普段の河和田を見てみたい。
そして、来年開催されるであろう「RENEW」が今年のお祭りを経てどのようにパワーアップしていくのか今からとても楽しみです。