田舎にこそ求む!ハイブリッドな人
いとしまシェアハウスが見せる新基軸
2013年の発足から今年5月で丸5年を迎える「いとしまシェアハウス」。食べ物・お金・エネルギーのゆるやかな自給をテーマに、持続可能な暮らしを着実に重ねてきた。
これまでSNSなどを通じてシェアメイトを募集することはあったが、人材募集に本腰を入れるのは初めて。運営する畠山千春さんと志田浩一さんは「田舎でこれからの未来をつくりたい、ガチな人を呼びたい」と口を揃える。
自分たちのノウハウ、経験を新しい人に継承したい
求めるのは「ハイブリッドな人」。
「田舎の暮らしや地域のことがちゃんとできて、外に発信できる。バランスよくいろんな方向に向かって楽しくできる人を探しています」と、2月初旬にはオンライン説明会も予定している。
注目したいのは、コミュニティマネージャーの募集だ。
コミュニティマネージャーは、地域を含めたシェアハウス内外でのコミュニティづくりを担う。これまでは千春さんと浩一さん二人がこの役を務めてきた。
「会社と同じで、自分たちがいないと回らないというのでは、この家は持続不可能。そのために自分たちのノウハウ、経験を新しい人に継承し、それがあれば誰でも回していけるようにしたい。これがうまくいったら糸島に限らずほかの地域でもできるようになるかもしれない」(千春さん)
「仲間を増やし、それがどんどん広がっていくことによってスピードアップするし、自分たちも学びがあるはず」(浩一さん)
田舎でシェアハウスを始める動きはあちこちで始まっており、これからさらに増えるという。
「そんな人たちに私たちのノウハウ、経験を使ってもらい、暮らしやコミュニティが広がっていくことを望んでいます」(千春さん)
少なくとも3年。まずは地域で信頼関係を
コミュニティマネージャーは少なくとも3年は住んでもらいたい、と二人は考えている。田舎は近所づきあいなど戸惑うことも多く、住んでみないとわからない面があるのも事実。
「この家だったら私たちが積み上げてきた信頼関係があるし、この集落の上手なコミュニケーション方法を教えてあげられる」(千春さん)
地域との信頼関係を築いていくことは「田舎でシェアハウスを持続させる上ですごく大事なプロセス」と浩一さんはいう。
移住者はまず地元の人に合わせてみることが大事。自分の考えばかりを主張してもコミュニティは成り立たない。
地域行事や清掃作業などの「出ごと」も多いが、シェアハウスはそれをみんなで分担できるメリットもある。メンバーの入れ替わりはあるが、入居時と退去時には必ず集落のみんなに挨拶するのが約束事だ。もちろん失敗もあったが、5年かけて信頼を重ねてきた。
「シェアハウスのみなさんには本当に助かっています」としみじみ話すのは、二人がシェアハウスを始めた頃の行政区長・吉丸秀則さん(70歳)。
実感こもる言葉の背景には、この地域が抱える課題がある。
二丈・佐波 行政区は、高齢化率45%と糸島一の高齢化地域。
地域の交流や文化の継続など、若い人の力がないと維持していくのは難しい。
また、この地域は過去2回、大きな土砂災害に見舞われている。防災活動は現在も非常に重要な取り組みだ。「この点でもシェアハウスさんには協力をいただいている。地域に溶け込んでいただいて本当にありがたい」
米づくりはメンバーの共同作業
シェアハウスの生活コストは普通では考えられないほど安い。
昨年12月の食費は一人あたり1,304円。これ1ヵ月の食費ですよ。光熱費や通信費を含めても軽く1万円以内に収まっている。
2年前から米の完全自給を達成したことも大きい。米は無農薬、無肥料の自然栽培。田植え、稲刈りなどメンバーの労力と時間を費やしたマンパワーでできていることを忘れてはいけない。いま食べている米は前の人がつくった米。新しく入居した人は、先で退去することになるとしても、次の人が食べられるように米づくりに関わることになる。このことも応募の際のポイントだ。
「食べることが好きな人じゃないと、しんどいかもしれない」と二人は笑う。
形のない体験や考え方を共有することに価値をつけたい
もう一つのテーマである「お金」の自給、つまりここで仕事をつくっていくことについても新しい展開を見据えている。
「メンバーがフルタイムで都会で働くと、せっかく田舎に集まった才能、お金、時間が都会に流れていってしまう。できるだけこの場所で仕事を作って、人を呼んでお金を落としてもらうようにしたい。それをいまよりもっと進めていく」(浩一さん)
暮らしを体験する様々なワークショップをさらに充実させることもその一つ。単にものをつくって売るのでなく、形のない体験や考え方を共有することに価値をつけたいと考えている。メンバーによるイベントの企画や参加に対してお給金が用意されることも、まさにお金の自給を推進するための仕掛けだ。
「家族として暮らしながらプロジェクトを進めるようなチームでありたいと願い、5年でそのベースができた。それをどうやって持続させ、さらに良くしていくか、今がそれを始めるタイミングだと考えています」(浩一さん)
あえて募集のハードルを高くしたそうだが、SNSでの反響はかなり高いようだ。いとしまシェアハウスに共感を得られた方、田舎暮らしを本気で考えている方なら、まず応募資格あり。
ぜひ下記よりご応募ください。
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社名/屋号 | いとしまシェアハウス |
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URL | http://itsmsh.com
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募集職種 | コミュニティマネージャー&シェアハウス管理⼈ |
給与/報酬 | (1)シェアハウス管理費︓1⼈分の家賃全額分のお給料 |
仕事内容 | ・地域を含めたシェアハウスの内外でのコミュニティ作り |
求める人物像 | ・いとしまシェアハウスの理念に共感する⼈ |
募集期間 | 2018年3⽉末予定 (先着で決まり次第終了します) |
採用予定人数 | 1〜2名 |
選考プロセス | 書類選考→オンラインor対⾯⾯接→試⽤期間→決定
まずは下のお問い合わせフォームからお問い合わせください。
●オンライン説明会 ・2/4(日) 14:00-:15:30 いとしまシェアハウスのtwitterアカウント@itoshimashare より配信いたします。
●説明会@いとしまシェアハウス ・2/11(日) 14:00-16:00 |
備考 | 新シェアメイトも募集中です。 |