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おいしい山形の食はエネルギーを生み出す

楽しい暮らしのエネルギー03

山形のローカルライフをいきいきと楽しみながらエネルギーをやさしく考え実践につなげていく、地域エネルギー研究者による連載コラム、第3回です。

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春の果樹園
春は山形のパワー全開。山では木々が芽吹き、雪が溶けて流れ出して川の水かさが増す。野山に出かければ、そのパワーを浴びてこちらもエネルギーをもらえるような気分になります。

桜が終わっても、田園地帯では果樹が花を咲かせて、風景が色づきます。山形で多いのはサクランボ。その白い花があちこちで目に入ります。桜は日本中どこでも見られますが、サクランボの花をこんなに見れるのは山形ぐらい。

桜の花見もいいけれど、果樹の花見もいいものです。リンゴも白い花を、モモは名前の通り桃色の花を。たくさんの果樹のある山形ならではの風景です。色づく春の果樹地帯を通り抜けるのは実に晴れやかなもの。春は果樹園の中でピクニックなんかもいいんじゃないかと思うのです。

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サクランボ畑

我が家の近所では、スモモの木が枝を横に広げて、可憐な白い花をつけます。その姿がなんとも造形的にもおもしろく、毎年楽しませてもらっていたのです。

残念ながら数年前、その木は伐られてしまいました。家を建てるために伐られたのですが、老木になれば新しいものに植え替えるために伐ることもあります。大雪で枝が折れて処分しなければならないこともあります。

そして果樹を育てる作業で大切な剪定があります。おいしい果実を作るために無駄な枝を伐って、日当たりを良くし、また風通しを良くするのです。果樹の多い山形では、こうした木や枝は結構な量になるのです。ただ農家にとってはそのまま放置しておくわけにもいかず、邪魔者なのです。

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スモモの木

果樹薪
そんな状況もあって、実は山形ではこうした果樹が薪としてよく使われているのです。山まで行かなくても、近くの畑で手に入れられる薪なので重宝されています。

果樹は少し割りにくいという難点はあるのですが、中には割ってみると色もきれいなものが多く、薪にするとほのかに甘い香りもします。サクランボの薪、りんごの薪、ラフランスの薪、柿の薪、ぶどうの薪と、いろんな果樹を使うのもまた楽しいものです。こうして見ると、山形の果樹園にはエネルギーがころがっているのです。

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ラフランスの薪

果樹園に行き、倒した木を薪のためにもらいに行ったときのこと。高齢の農家の方がもう続けられなくなったから有効利用してもらえたらとありがたいとおっしゃるものの、木に「長いことありがとう」と声を掛ける姿がありました。厳しい農業の現実を感じずにはいられませんでした。

剪定枝は細い枝を集めて運ぶのは手間暇がかかることからエネルギー利用するにはまだ課題があるのですが、それはエネルギー資源にもなり得るものであること、そして果樹には剪定という寒い冬に行う大変な作業があるということを消費者のみなさんには知っていてもらいたいと思うのです。

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果樹剪定枝

米の副産物  
果樹に限らず、農業では副産物が発生します。例えばお米でいうならば、稲わら、もみ殻です。わらはお米と同じくらいの量、もみ殻は4分の1程度の量が出ています。とにかく米は毎日食べる我々の主食なので、その量は半端じゃないわけです。

昔はかまどでわらを燃やしてご飯を焚いたり、もみ殻でご飯を炊くかまどがあったそうです。なんと合理的か。今は石油や電気が使えるようになったので、手間がかかるわらやもみ殻は燃料には使わなくなったわけです。

手間がかかるなら、手間がかからないように現代的な工夫をして使うのが自然エネルギー。そういう方法を考え出している人もいるのですが、まだ課題もある状態。いつかそういうものが難なく使われる時代がきっと来るのではないかと思います。

 

牛と豚が生み出すエネルギー
そして、意外と知られていない農業の副産物が牛や豚のふん尿。例えば乳牛1頭が一日に出すふん尿は50kgにもなります。かつてはこれらも肥料として使われていましたが、今は化学肥料が主流になって処分しなければならないものが多いのです。

これらは産業廃棄物という扱いとなり、農家にとってもやっかいもの。ところが海外ではふん尿からメタンガスを発生させてエネルギー利用することが盛んに行われています。メタンガスをガスエンジンに入れて発電機を回すと電気にもなります。これをバイオガス発電と言い、ドイツあたりでは農家が盛んに取り組んでおり、エネルギー兼業農家というような呼ばれ方もしています。

ドイツの人はソーセージやハム、牛乳やチーズをよく食べますが、それを食べている一方では牛や豚たちが必ずふん尿を出していることになります。それをエネルギーにして循環。食生活から生まれる自然エネルギーがあるのです。

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米沢牛

山形県にもおいしい牛肉と豚肉がありますね。

日本でも最近はこの電気を電力会社が買うようになりました。昨年、山形でも初めて豚糞を原料にバイガス発電を行う養豚施設ができました。肉牛の糞からバイオガス発電を計画する事業者も出てきています。牛や豚がエネルギーを生み出すと分かれば、彼らを見る目も変わってきます。

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バイオガス発電(大商金山牧場)

 

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